[2-1-3] 山を歩く(クロカン、山スキーを含む) Version: 6.02 $Date: 2001/06/12 08:08:47 $ UTC 0.最近の話題 新聞の報道によれば、付け替えのため運行を休止していた旭岳ロープウェイ が 2000年6月下旬より2年ぶりに運行を再開しました。 詳しくは報告が寄せられ次第掲載します。 1998年11月の噴火以来の雌阿寒岳の入山禁止が 2000年6月20日より解除され ました。解除されたとは言っても依然として活火山ですので、登る際は最新の 情報に注意してください。 山の必需品、地図について。国土地理院 http://mapbrowse.gsi-mc.go.jp/ において、全国の2万5千分の1地形図を閲覧することがでるようになりました。 1.はじめに 北海道の魅力って何でしょうか。その答えは人それぞれに違うことでしょう。 でも、沢山ある魅力の一つに雄大な大自然が挙げられることは間違いないでしょ う。ここではそんな大自然の懐に飛び込み、ハイキング、登山、クロカンスキー など自らの脚で大自然と触れ合うことを取り上げます。 大自然は雄大で美しい反面、ある意味で厳しく恐ろしく、ある意味で弱く脆 いものです。あなたのちょっとした不注意があなた自身を危険に陥れるかもし れませんし、何気ない行為がせっかくの自然を壊してしまうことになるかもし れません。ちょっとした注意を守って自然との触れ合いを楽しんで下さい。 1.1. ご利用上の注意 文中では寄せられた情報をほぼそのまま掲載しています。編集者は情報の裏 付けや実地での確認は行なっていません。このため、初心者〜健脚などの分類 やコースタイムの基準が一貫していなかったり、必ずしも最新情報ではないこ とをご承知下さい。古くなった情報や間違いを見つけたら、お知らせいただけ れば幸いです。詳しくは市販のガイドや登山地図等を調べたり、入山前に現地 情報を得るようにして下さい。第3章ではクロカンと山スキーを一緒に取り上 げています。クロカンとしては一般的ではない、雪山登山に分類されるような コースも含まれています。くれぐれも初心者の単独行はしないように願います。 このガイドは自己責任でお使い下さい。内容を信じて行動し、万一事故など が起きたとしても一切の責任は負いかねます。 文中の「私」などの一人称は情報を寄せていただいた方自身を指し、編集者 ではありません。 1.2. 目次 0. 最近の話題 1. はじめに 1.1. ご利用上の注意 1.2. 目次 2. ハイキング、登山 2.1. 山に入るにあたって 2.1.1. あなた自身の安全のために 2.1.2. また訪れる日のために 2.2. 道南エリア 2.2.1. 駒ヶ岳[1-1-2] 2.3. 道央エリア 2.3.1. ニセコアンヌプリ[1-2-1] 2.3.2. イワオヌプリ山頂からのワイスホルン[1-2-1] 2.3.3. 羊蹄山[1-2-1] 2.3.4. 徳舜瞥岳、ホロホロ山[1-2-2] 2.3.5. 雨竜沼、南暑寒別岳[1-2-4] 2.3.6. 暑寒別岳[1-7-1][1-2-4] 2.3.6.1. 暑寒ルート 2.3.6.2. 箸別ルート 2.3.6.3. 雨竜縦走路 2.4. 大雪エリア 2.4.1. 大雪山[1-4-1] 2.4.1.1. 付近の概要 2.4.1.2. コース紹介 2.4.1.2.1. 黒岳7合目-黒岳往復 2.4.1.2.2. 黒岳7合目-黒岳経由-お鉢平一周 2.4.1.2.3. 銀泉台-赤岳往復 2.4.1.2.4. 銀泉台-赤岳-白雲岳-北海岳-黒岳-黒岳7合目 2.4.1.2.5. 愛山渓温泉-沼の平往復 2.4.1.2.6. 高原温泉-高原沼一周 2.4.1.2.7. 高原温泉-緑岳往復 2.4.1.2.8. 沼の原登山口-沼の原 2.4.1.2.9. 沼の原登山口-沼の原経由-五色が原往復 2.4.1.2.10. 旭岳ロープウェイ-旭岳往復 2.4.1.2.11. 旭岳ロープウェイ-旭岳-間宮岳-中岳分岐-裾合平 -ロープウェイ 2.4.1.2.12. 旭岳ロープウェイ-旭岳-間宮岳-中岳分岐-北鎮岳 (北海岳)-黒岳-黒岳ロープウェイ 2.4.1.2.13. 旭岳ロープウェイ-裾合平-当麻乗越-沼の平-愛山渓 2.4.1.3. 大雪山の情報 2.4.1.4. 大雪山に関する FAQ (Frequently Asked Question) 集 2.4.2. 十勝岳、美瑛岳、上ホロカメットク山[1-4-2] 2.4.3. トムラウシ山[1-4-2][1-5-4] 2.5. 日高・十勝エリア 2.5.1. アポイ岳、アポイ山麓自然公園[1-5-2] 2.5.2. 幌尻岳・戸蔦別岳[1-5-1] 2.5.3. ニペソツ山[1-5-4] 2.6. 道東エリア 2.6.1. 雄阿寒岳[1-6-1] 2.6.2. 雌阿寒岳、阿寒富士[1-6-1] 2.6.3. 摩周岳[1-6-1] 2.6.4. 斜里岳[1-6-4] 2.6.5. 羅臼岳[1-6-5] 2.6.6. 硫黄山[1-6-5] 2.6.7. 知床連山縦走コース[1-6-5] 2.7. 道北エリア 2.7.1. 利尻山(利尻富士)[1-7-3] 2.7.2. ぽん山ハイキングコース[1-7-3] 2.7.3. 礼文島西海岸遊歩道[1-7-3] 2.7.3.1. 8時間コース 2.7.3.2. 4時間コース 2.7.4. 礼文岳[1-7-3] 2.7.5. ハイジの谷[1-7-3] 2.7.6. 天塩岳[1-7-4] 3.クロスカントリースキー・山スキー 3.1.クロスカントリースキー・山スキーについて 3.1.1.クロスカントリースキーとは 3.1.2.山スキーとは 3.1.3.スノーモビル 3.2.道南エリア 3.2.1.駒ヶ岳[1-1-2] 3.2.1.1.歩くスキーフェス 3.3.道央エリア 3.3.1.ニセコ[1-2-1] 3.3.1.1.シャクナゲ山[1-2-1] 3.3.1.2.目国内岳[1-2-1] 3.3.2.羊蹄山[1-2-1] 3.4.旭川、富良野エリア 3.4.1.宗谷本線を縦走「塩狩峠歩くスキー大会」[1-4-1][1-7-4] 3.4.2.美馬牛リバティYH[1-4-2] 3.4.2.1.美瑛の丘コース 3.4.2.2.十勝岳コース 3.4.2.3.崖尾根コース 3.4.3.十勝岳山麓[1-4-2] 3.4.4.おかせん里[1-4-2] 3.5.十勝エリア 3.5.1.然別湖[1-5-4] 3.5.2.十勝川[1-5-4] 3.5.3.糠平湖[1-5-4] 3.6.道東エリア 3.6.1.美幌峠[1-6-1] 3.6.2.オンネトー[1-6-1] 3.6.3.ペンケトー[1-6-1] 3.6.4.サロマ湖畔YH[1-6-4] 3.6.5.藻琴山[1-6-4] 3.6.6.岩尾別YH[1-6-5] 3.6.7.知床自然センター[1-6-5] 3.7.道北エリア 3.7.1.稚内モシリパ YH [1-7-3] 2. ハイキング、登山 2.1. 山に入るにあたって(登る前に必ずここは読んで下さい) 2.1.1. あなた自身の安全のために (1)事前の情報収集 自然は変化しています。登山道が崩れて通れなくなったり、熊が出没して通 行禁止になったりということがあります。入山前に最新の現地情報を得るよう にしましょう。たとえば、道内の警察署の所在地や電話番号は http://www.police.pref.hokkaido.jp/intro/syozai/syozai.html で調べることができます。他にも各地の観光協会や森林管理署/森林事務所(※) などで教えていただける場合があります。登山者への案内が本業でないところ もありますので、問い合わせる時は仕事の邪魔にならないように気をつけましょ う。また、1つの営林署の管轄範囲が複数の市町村にまたがっていたり、1つの 山群が尾根を境に複数の営林署の管轄に分かれていたりする場合がありますの で、問い合わせの際は「どの山」の「どのルート」かを明確にしてください。 ※ 林野庁組織の改編により、営林署が統廃合され、森林管理署/森林事務所な どの名称になりました。詳しくは http://www.rinya.maff.go.jp/ を参照 して下さい。 (2)装備 真夏の好天のハイキングコースでもこの程度は準備しましょう。山域や季節に よってはもっと重装備が必要になるかもしれません。 ○荷物はデイパックなどで背負い、両手は必ず空けるようにしましょう。 ○雨カッパやウインドブレーカ、手袋などの防寒具 特に紅葉の時期は初雪を迎えます(1993年の大雪山では9/19でした)。好天で も稜線上で風が吹くととっても寒いのでそれなりの準備はしておかないと。 手袋(軍手で可)も持っていったほうが良いです。 ○トレッキングシューズなどの歩きやすい靴 ○食料や非常食、水筒など ○登山用の地図(イラストなどの簡単なマップなどは避ける) (3)入山届 ○登山口には入山届の用紙が用意されているので、万が一の時の為にもかなら ず記入しましょう。 (4)危険な動物など ([2-2-2]にも記述がありますので参考にして下さい) ○ヒグマには *めったに* 出会いません。クマの方で人間を避けてくれると言 われています。クマ除けの鈴はぜひ付けておきましょう。 ○山の中で美味しそうな水を見つけても、飲む時には寄生虫や病原菌に注意し ましょう。一旦沸かすか、浄水器を持参すれば安心です。 2000年6月14日の HTB ニュース <http://www.htb.co.jp/newsarchive/0006/000614.html>によると、 もし山で遭難した場合にヘリコプターなどで上空から探す場合に、どんな服装 をしたら発見しやすいかということを実際に実験してみたそうです。 「服装は緑や赤といった色調より、白や黄色が目立ちやすく、出来るだけ明る い方が上空から確認しやすい」ということで、「鏡や懐中電灯などはあまり効 果がなく、むしろ、黄色や白などのバスタオルなど、大きい布などを振ること で発見の可能性が高まる」という結果が出たそうです。 2.1.2. また訪れる日のために ○登山道から外れないで下さい。ぬかるんでいたり雪に覆われていても、ロン グスパッツさえ付けていればへっちゃらです。コースによっては長靴ならもっ と良いです。両脇の植物の生育しているところを歩かないで下さい。 ○湿原では木道から降りないで下さい。混雑してすれ違いにくくても、木道脇 の柱や石に足をのせるだけですれ違うことはできます。デリケートな湿原は 踏み固められるとなかなか元に戻りません。 ○ゴミは捨てないで持ち帰って下さい。特に、タバコの吸い殻はその周辺の草 花を枯らしてしまうと言われています。 ○お花畑に入らないで下さい。夏はお花畑でも紅葉の時期は単なる広場にしか 見えない場所もあり、よく休憩などで座り込んでいる人がいます。でも、そ こは来年また植物が生育する場所かもしれません。 ○土日や祝休日を外せば人も少なく快適な登山ができます (まあ、これができ れば苦労はないんですが...)。 ○道を外れていたりゴミを捨てている人を見かけたら注意してあげて下さい。 紅葉の時期などは普段あまり山登りしない人も沢山来ます。そのような人達 は自然がデリケートであることを知らないために登山道を外れたりしてしま います。なかなか勇気がいるのですが、ほとんどの場合(やんわりと)注意す れば聞き入れてもらえます。自然を見たくてやってきているのですから、自 分がしている行為がその自然を破壊していることに気づいてくれれば止めて くれます。 2.2. 道南エリア 2.2.1. 駒ヶ岳[1-1-2] この山は活火山で、最近では 1998年10月25日に噴火が観測されています。 登山を計画される方は最新情報を確認して下さい。 ○駒ヶ岳登山 手軽でしかも眺めも良いので、大沼で時間が取れるようでしたらぜひ登るこ とをおすすめします。一般的なコースで雪の無い時期ならば半日の日程です。 頂上からは眼下に大沼と小沼、見上げれば噴火湾や函館山、天気の良い日には 羊蹄山など遠くまで眺めることができます。 (コース 1 ) 0:20 0:40 6 合目駐車場 ---- 銚子口分岐 ----馬の背 0:15 0:30 6合目駐車場までの公共の交通機関は有りません。登りはじめから先の見通 しが良いので、ひたすら上を目指して登れば銚子口からのコースとの分岐を経 て馬の背に到着します。 本当の頂上はさらに先の剣が峰ですが、途中に噴火の名残とおもわれる亀裂 があり、剣が峰も岩登りの領域です。馬の背でのんびり過ごすのがよろしいか と思います。 (コース 2 ) 1:10 0:50 0:40 JR 銚子口駅 ---- 3合目 ---- 銚子口分岐 ---- 馬の背 0:40 0:30 0:30 自家用車などのない場合にこちらのルートが利用できます。 JR 銚子口の駅 から大沼沿いを反時計まわりに 2kmほど進むと右手に登山口が有り、ここから しばらく別荘地の中を進むと 3 合目です。 さらに低木の中をしばらく進んでいくと銚子口分岐に到着。ここから先はコー ス 1と同じです。 2.3.道央エリア 2.3.1. ニセコアンヌプリ[1-2-1] 五色温泉からのんびり登って90分ほどで頂上に。頂上から眺めると、遥か下 の方に水溜りのように小さく沼が見えます。そして何よりも目の前にど〜んと 羊蹄山がそびえています。紅葉の季節はあたり全体紅葉となります。登ってき た側の反対側はスキー場になっています。 登山口の五色温泉より道道を少し上がったところに駐車場、トイレがあり、 何か売店のようなものもあったように思います。 2.3.2. イワオヌプリ山頂からのワイスホルン[1-2-1] 五色温泉から登り1時間半ほどでクレータ状の山頂に出ます。どちら回りで もOKですが、とにかくクレータの反対側まで必ず行きましょう。そうすると、 ワイスホルンの紅葉を見渡すことが出来ます。中腹の緑のじゅうたん(クマザ サ)の上にナナカマドの紅葉が点在している景色は絶妙です(ちょっと遠いです が‥)。 2.3.3. 羊蹄山[1-2-1] 古くは「後方羊蹄山(しりべしやま)」と呼ばれ、日本百名山にもこの名で収 録されています。今では単に「羊蹄山(ようていさん)」と呼ばれることが多い ようです。その美しい姿から「蝦夷富士(えぞふじ)」の別名があります。 登山口より徒歩4時間、初級者向け、などと登山ガイドなどには書いてあり ますが、甘い、甘い。ひたすら登りのこの辛さ、一度味わってみるのもいいで しょう。9合目から上のお花畑はそれまでの辛さを忘れさせてくれます。 3.3.2 章に 5月の羊蹄山(雪山)に登った報告があります。併せてご覧ください。 ML会員からの報告です。 -------------------------------------------------------------------- | > 以前にどこかで、羊蹄山って登っても全然面白くない山だと | >聞いたのですが本当なのでしょうか? | | …つらい山ですね。私は2度登っちゃいましたけど:p | 面白いかどうかはその人がどういう山登りを好むかによると思いますが、長 | 野県のアルプス縦走などがお好みだったり、花に興味がないなら面白くない | かもしれません。 | | 登山口は4つあります。きれいな円錐形をした山ですが、時計にたとえて | 12,3,6,9時の方向から登れます。このうち6時の真狩コースと9時の比羅夫コー | スがよく利用されるようです。 | | 9合目まで樹林です。展望はたまーに下界が見えますがほとんどないと言っ | ていいです。2度とも風が弱く、じとーっと暑さが身にしみました。 | | 9合目から上はお花畑です。風も吹いてくれます。ここだけの花、というの | はありませんが、いろいろ見ることができ、それまでの疲れも和らぎます。 | | 山頂は富士山同様、火口壁をぐるりと1周できます。花が嫌いな方だと「森 | の次が草っぱら。コースの変化も起伏もありゃあしない」ということになる | のかな。 | | 売店も水場もありません。登山開始前に用意が必要です。 | | 2度目に登った時は運悪く「羊蹄山登山マラソン」と重なってしまいました。 | 数人で組んでリレー方式で登るらしいのですが、こちらがぜーぜーはーはー | よたよたと登っているそばをたったったっと走って追い越していくんです。 | 「どいてくれ〜」と言われる度に道を譲らねばなりません。また、自分の区 | 間を走り終わった人は次々と下山してくるのですが、登山者ではありません | から当然"下りの人は上りの人に道を譲る"という大原則を知る由もありませ | ん。ドシドシと下りて来ますのでその度に道を譲らねばなりません。結局、 | すっかりペースを乱されて、ばててばててばてまくりでした。 -------------------------------------------------------------------- 2.3.4. 徳舜瞥岳(とくしゅんべつだけ)、ホロホロ山[1-2-2] 新大滝から登山します。半日あれば十分です。新大滝がどこにあるかは、北 大のセミナーハウスもあるからわかるでしょう。 昔は近くに北湯沢YHもありました。 (ペアレントはとらべるまんの作者の一 人でした) この山の上からは、支笏湖と洞爺湖が 小さな池のように見えます。なぜな らそれより、大きな湖として、噴火湾がみえるからです。この湾が湖に見える のですから、恵山付近まで見えています。 2.3.5. 雨竜沼・南暑寒別岳[1-2-4] この地域は以下のようなコースがあります。 1.南暑寒荘-雨竜沼往復 (日帰り) 2. -雨竜沼-南暑寒別岳往復 (日帰りないし、山小屋1泊) 3. -雨竜沼-南暑寒別岳-暑寒別岳-浜益 縦走 (健脚) 雨竜沼は北海道の尾瀬とも呼ばれる高層湿原帯です。湿原については[2-2-3] で紹介していますので参照して下さい。深川あたりから国道12号をそれて暑寒 別山系へ向かいます。車から降りて2時間?ぐらい山登りです。1994年夏はダー トが大半でしたが、車止めのキャンプ場は、すんごく整備されていてシャワー もあります。 車止めのキャンプ場及び南暑寒荘辺りはゲートパーク(だったと思う)として 整備されていて、入山届けを書きに行くと、整備協力だか設備利用だかで 200 円徴収されます。 ダートは2車線舗装に整備される計画で、登山ツアー(朝日旅行等)も入って きます。 イルムの丘Y.H.では1998年7月時点で、一日おきで雨竜沼湿原へのツアーを 実施しているそうです。(複数人の証言より)ただし、必ずではないため、事前 に問い合わせた方が良いとのこと。 一人旅で行かれる方は、とっかかりとして、このようなツアーを利用するの も良いのではないでしょうか。 多くの人が自然に親しむ機会が増えるのはいいのですが、一方であまり人が 増え過ぎると自然へのインパクトが大きくなるので、将来が心配です。難しい ところですね。 ----- ML会員M氏談 ----------------------------------------------- -------------------------------------------------------------------- | 雨竜沼湿原へはここから登り1時間半です。途中、白根葵なんかも咲いてい | て気が紛れるのも束の間、結構きつい登りです。でも本当にきついのは1合 | 目から2合目だけです(湿原はおそらく3合目)。2合目を過ぎると水場もあり | ます。 | 湿原には木道が敷かれています。ここまで来ると、お約束の水芭蕉をはじめ、 | 蝦夷立金花・岩銀杏が咲いています。さらに湿原を巡る木道を歩くと、白山 | 千鳥・信濃金梅・小梅けい(草冠に恵という字です)草・稚児車・尾瀬河骨が | 咲いていました (1996/7/17現在)。ただ、もう終盤戦という気がしましたが。 | | 湿原を一望したいのなら展望台まで登ることをお薦めします。湿原から20分 | くらいの登りです。私達が登った日は霧で、湿原を全て見渡すことは出来ま | せんでしたが、それはそれで素晴らしい景色でした。 | 木道は一周1時間半位です。下山は1時間くらいです。 | さて、気になる林道ですが、毎年9月中旬から一部車両通行止めにして拡幅・ | 舗装を進めているそうです。 | つまり工事区間手前に車を止めて登山口まで歩かなければなりません。登山 | 自体は吊り橋を片付ける十月中旬まで可能だそうです。先日行った時は林道 | 区間の半分くらいが2車線舗装路になっていました。登山ツアーも来てまし | たよ。賑やかだったなぁ。 -------------------------------------------------------------------- 7月中旬で終盤とのML会員M氏のレポートでしたが、 7月下旬から 8月上旬に かけては、タチギボウシが満開になり、紫の草原になるようです。 ----- ML会員H.Tさんのレポート (1994.8.4〜5)----------------------- -------------------------------------------------------------------- | 雨竜沼、南暑寒別岳 | 深川から道路地図を見ながら南暑寒荘(山小屋)へ。山の中をうねうねと走っ | ていくのを予想しましたが、途中までは2車線のピッカピカの舗装道路。た | だし後半はすれ違うのがしんどい1車線のダートでした。ひょっとしたら今 | は全線舗装されているかもしれません。 | | 道の終わりはキャンプ場。駐車場とテントサイトは別々です。この時は山屋 | よりもファミリーキャンプが多かったです。1:3ぐらいか。水道、バーベキュー | スペース、ベンチもありました。 | | 南暑寒荘は山小屋というより店舗兼家具無しワンルームマンションといった | 趣。一階は土産物屋と食堂(そば、カレーなど)、シャワールーム、トイレ。 | 2 階はフローリングの板の間がいくつかありました。 | | 私たちは、小屋(料金失念)に1泊して翌朝から以下のコースに出発。 | 南暑寒荘-雨竜沼-南暑寒別岳 (往復) | | 時間があればさらに足を伸ばして | 南暑寒荘-雨竜沼-南暑寒別岳-暑寒別岳 (往復) | も考えていました。 | | 南暑寒荘から雨竜沼までは2時間ぐらい、小学校低学年でも頑張ってる子が | いました。そんなにきつくはありませんが、特に展望がいいわけでもなく、 | 沼を目指して我慢のコース。 | | 雨竜沼はそれまでの苦労が報われること間違いなし。「北海道の尾瀬」と呼 | ばれるすばらしい景色と花です。正面やや左に南暑寒別岳と暑寒別岳が並ん | でいます。時期によって咲いている花が違います。私が訪れた時は一面のタ | チギボウシで紫色の草原でした。木道で沼を一周できます。ここはゆっくり | 時間をとって花や風を楽しみたいです。 | | 沼をつっきって一番奥が南暑寒別岳への登山口です。登山口からは序々に湿 | 原を見下ろしながらの登りです。10分ぐらい登ったところに展望台がありま | す。山に登らない人でも是非ここまでは行くといいと思います。木道と点在 | する沼を見渡せます。 | | 山頂までの所要時間は忘れましたが、特に難しくはありません。山頂から見 | 下ろす湿原も格別。日本海も見えました(うろ覚え)。弁当目当てにエゾシマ | リスも現れました。 | | 南暑寒別岳から暑寒別岳へ道が続いているのですが、上りは後ろ半分だけで | す。つまり、せっかく登った南暑寒別岳をいったん湿原レベル近くまで下山 | してから再び登りです。一日で往復するのはピークハンター(頂上に立つの | が目的で、道中は早足ができる人)以外にはお薦めできません。 | | 暑寒別岳からさらに日本海側の浜益村まで縦走するルートもあるようです。 | つまり、 | 深川-南暑寒荘-雨竜沼-南暑寒別岳-暑寒別岳-暑寒別山荘(名前不確か)-浜益 | というルートなのですが、どちらのルートも山小屋までの車を確保する必要 | があります。 | バス路線はありません。縦走は山小屋以外に山中1泊が標準タイムのようで | す。 | | また、南暑寒荘へは札幌から車で早朝2〜3時間で着けるようです。 | 私達のコースを朝札幌発の日帰りで歩いている人もいました。 | | 道路が舗装され登山ツアーも序々に増えているようです。木道が人であふれ、 | ゴミや吸い殻のちらばる「尾瀬の二の舞」にならないよう、願わずにはいら | れません。 -------------------------------------------------------------------- 2.3.6. 暑寒別岳(しょかんべつだけ)[1-2-4][1-7-1] ※この山は山頂が道央エリアと道北エリアの境界線上に位置し、アプローチが 道北エリアの増毛からなので、道北エリアとも言えるのですが、雨竜沼、南暑 寒別岳と一緒に道央エリアで扱います。 暑寒別岳は増毛山地の最高峰で標高は 1491m です。 登山ルートは二つあり、そのうちの一つである暑寒ルートの入口となっている 山小屋「暑寒荘」には『主』と呼ばれている巨大青大将が生息してまして、運 が良ければお目にかかれるでしょう(私は1982年頃に見たのですが、スゴイの 一言です)。暑寒別岳は高山植物の宝庫でもあり 100種類以上の高山植物が成 育しています。 なかでも「マシケゲンゲ」・「マシケオトギリ」の二種は暑寒別岳の固有種で す。 8合目の「屏風岩(びょうぶいわ)」からの眺めが最高です。 但し、名前の通り風が強い(吹上なんです)ので注意しましょう。 実は、ここで何人もの人が遭難してるんです。 暑寒別岳登山ルート 2.3.6.1. 暑寒ルート 登山口(暑寒荘)までは、駅から 12.5km あり車で行くことができます。 (徒歩だとけっこう辛い) +------+ 3.0km +------+ 3.2km +-----+ 3.8km +------------+ |暑寒荘| ----> |佐上台| ----> |5合目| ----> |暑寒別岳山頂| +------+ 1.0h +------+ 1.0h +-----+ 2.5h +------------+ ふつうに登るとだいたいこんな感じで登れるでしょう。 2.3.6.2. 箸別ルート 登山口(箸別小屋)までは駅から 14.5km あり車で行くことができます。 +----------+ 10.0km +--------------+ | 箸別小屋 | -----> | 暑寒別岳山頂 | +----------+ 4.0h +--------------+ 箸別ルートのほうが楽に行けますが、暑寒ルートのほうが見所が随所にある ため楽しめると思います。 ML会員から以下のような報告も寄せられています。 -------------------------------------------------------------------- | 夏に登る際に、箸別の方が高山植物が多いと聞いたのでそちらにしました。 | たしかに、暑寒ルートとの合流の手前がお花畑になっていました。ただし合流 | 地点〜山頂も花はいっぱい咲いてます。 -------------------------------------------------------------------- 2.3.6.3. 雨竜縦走路 +--------+ 4.0km +----------+ 3.0km +------+ 5.4km +--------+ |暑寒別岳| ----> |南暑寒別岳| ----> |雨竜沼| ----> |南暑寒荘| +--------+ 2.0h +----------+ 1.0h +------+ 2.5h +--------+ 暑寒別岳から前述の南暑寒別岳〜雨竜沼に抜けるコースです。南暑寒荘から の公共交通機関はありません。予めタクシーを予約しておくか、徒歩で雨竜ま で行くしかないでしょう。 2.4.大雪エリア 2.4.1. 大雪山[1-4-1] 大雪山というのは一つの山ではなく、北海道最高峰の旭岳をはじめとする一 帯の山々の総称です。高山植物の大規模なお花畑と秋の色鮮やかな紅葉が特徴 です。お花畑や紅葉の時期に近くを通るのでしたら、登らない手はありません。 秋は紅葉がきれいです、最高です!! 9月中旬あたりから黒岳の紅葉が始まり、 それがしだいに下の方へ降りてきます。ロープウェイから見ると、帯状に紅葉 してるのが分かるそうです。 黒岳・銀泉台・高原温泉の3箇所が見どころで、時期が順にずれてますので、 その時期に紅葉が盛りの場所を地元の人にでも聞いて行くといいでしょう。黒 岳の紅葉 は背が低い植物なので、山の背に紅葉が貼りついてる感じです。下 に移るに従って紅葉している木が高くなります。 紅葉の時期は、自転車で回っても寒いだけです。層雲峡の滝めぐりはこの時 はやめて、紅葉を見に行きましょう。 なお、周辺からのアプローチや交通に関しては[1-4-1]を参照して下さい。 大雪山といっても特別な装備は必要なく、なだらかな地形で標高差が少ない ので逆に本州の北アルプスなどと比べれば楽といえます。ただし、一般的な装 備や心構えは必要です。各コースにはデータとして以下の項目を載せています。 見頃 ・・あくまで目安+独断でしてその年の気候によって前後します。 直前に現地などに問い合わせてみてください。 実績 ・・実際の体験を載せました。ご参考まで。でも1995年は紅葉が やたら早かったので参考にならないかも ?? 所要時間 ・・大体の目安で、休憩時間は含んでいません。 その他 ・・その他の注意事項などです。 花は雪解けから始まってその後種類を変えて開花していきますから、ある時 期に行けばなにかしら見ることはできます。でも、紅葉はその期間を逃すと色 が全く付いていなかったり逆に色が褪せてしまったりで全くのはずれになって しまいます。 ふもとのYHやとほ宿(白樺荘YHや層雲峡YH、ゆわんと村やゆうなど)に泊まる と情報が得られたり同行者と出会えるかもしれません。 ※1998年夏の調査で大雪山系の水場(五色の水場、沼ノ原、南沼、ヒサゴ沼、 カムイサンケナイ)で大腸菌が検出されました。生水には注意して下さい。 2.4.1.1.付近の概要 図中で▲と●がこの章で紹介するところで、○までは車で入れます。あくま で位置関係を表した図です。 ○旭川 ○上川 R39 北見→ ┼───────┬──────────────────────┬─ │ │ ○層雲峡 │ │ 愛山渓温泉│ ○銀泉台 │ │ ○│ ▲黒岳 ──────┤ │ 北鎮岳 ▲赤岳 │ │ 沼の平● 中岳 ▲ │ │ 温泉 ▲北海岳 ▲白雲岳 R273│ │ ● ●中岳 │ │ 裾合平● 分岐 ▲緑岳 │ │ ▲ ─────┬──┤ ├───── 間宮岳 ○高原温泉│ │ │ ○ 旭岳▲ 高原沼● │ │ │ 旭岳温泉 沼の原登山口│ │ │ 五色岳 ○│ │↓ └──── ▲ ● ● 三国峠 ○天人峡温泉 ▲ 五色が原 沼の原 トムラウシ山 2.4.1.2.コース紹介 2.4.1.2.1. 黒岳7合目-黒岳往復 見頃 花: 7月中旬〜8月中旬 紅葉: 9月中旬 実績 1996/7/16: 7合目〜北海平にかけて40種もの花の開花を確認。 1993/9/23: 頂上周辺はもう終わりかけ。でも北海沢(黒岳からお鉢 に向かう途中)が 3 段紅葉できれい。 1992/9/16: 頂上直下が紅葉し始め 1991/9/22: 頂上はもう終わりでリフト周辺がまあまあ。 所要時間 登り1時間、下り40分 交通機関 ロープウェイとリフトに関しては「層雲峡[1-4-1]」を参照して下 さい。 層雲峡ロープウェイからリフトを乗り継ぐともう7合目です。頂上から先の 黒岳石室まで足を伸ばすと、 7合目 - 頂上 トリカブトやシナノキンバイなど草原の植物 頂上 - 黒岳石室 エゾツツジなど砂礫地の植物 と頂上を挟んで高山植物の種類が一変し、岩場にはナキウサギも生息していま す。 秋は大雪山の中でも真っ先に紅葉します。 9月中旬から頂上付近のチングル マやウラシマツツジなどの足元の草木が紅葉しはじめ、その後ナナカマドなど の低木が紅葉し徐々に高度を下げていきます。 ----- ガイドメンバーからの報告 ---- -------------------------------------------------------------------- | リフトは5合目から7合目まで。このあたりは、冬になると、天然のスキー場 | になるらしい。約20分で7合目に着く。ここで、登山者名簿に名前を書く。 | 見降ろすと層雲峡の景色が広がる。 | このコースで一番きついのは、黒岳の頂上まで。けど、90分ほどで山頂に到 | 着。ほとんどハイキング感覚で登れてしまうところが手軽でいい。小学生で | も登れる所だって感じかな。確か、コースを外れないようにロープが少しば | かり片側に張ってあるところだと思いました。 | あと、時期的に中々良いのは、秋の紅葉と、6月初旬の日本で最後の春の桜 | の花見(笑)でしょう。 -------------------------------------------------------------------- 1996/7/1には、旭岳ロープウェイ前で日本最後の桜の花見があったとの報告も あります。 2.4.1.2.2. 黒岳7合目-黒岳経由-お鉢平一周 見頃 花: 7月中旬〜8月中旬 紅葉:9月中〜下旬 実績 2.4.1.1.1.に同じ 所要時間 7時間30分 (北鎮岳往復を含む) 交通機関 ロープウェイとリフトに関しては「層雲峡[1-4-1]」を参照して下 さい。 その他 層雲峡YHでツアー有り 一日日程が取れれば、黒岳から先に進んでお鉢と呼ばれる旧火口を一周でき ます。黒岳と北海岳の中間に位置する北海沢では7月下旬であればエゾコザク ラの大群落が、9月下旬の初冠雪直後であれば3段紅葉が見事です。 ----- ガイドメンバーからの報告 ---- -------------------------------------------------------------------- | 黒岳の頂上から旭岳の方に向かい降ります。一面お花畑(ちんぐるまが好きだ | !!)です。黒岳から少しおりると、黒岳石室につきます。ここから火口をどう | まわるかで、コースがわかれます。私は時計まわりを選びました。 | 黒岳1,894m、北海岳2,161m、松田岳、荒井岳、間宮岳2,180m、ここで旭岳に | 行くか黒岳に行くかが分岐します。黒岳に戻りましたので、中岳2,088m、北 | 鎮岳2,246m、黒岳石室と戻りました。北鎮岳はコースから少しはずれますが、 | すぐに行って帰ってこれます。(これは日帰りコースです) | | このコースでは2,290mという旭岳に登れなかったのが残念でした。行った日 | は 7/30で快晴。ところどころに雪渓が残っているという感じで、きれいで | すよ!! -------------------------------------------------------------------- 2.4.1.2.3. 銀泉台-赤岳往復 見頃 花: 7月中旬〜8月中旬 紅葉: 9月中〜下旬 実績 1999/9/26: ナナカマドの赤が鮮やかになったのに加え、ダケカン バの黄色が加わっていました。 1999/9/23: 奇麗な紅葉は見られませんでした。 1996/9/21: だいぶ赤茶けてしまっていました 1996/9/19: とにかくきれいでした。あんな紅葉を見たのは十数年 ぶり15日ごろからもう見頃だったそうです。 1996/9/14: まだ最盛期には少し早いが、充分綺麗でした 1995/9/19: 銀泉台が最高潮。ここは赤いナナカマドが多くて印象 的。 1993/9/19: 吹雪でよく見えず。確かきれいだったような‥ 1992/9/15: 銀泉台の紅葉が五部程度。上部の赤岳直下がちょうど 紅葉。 所要時間 4時間30分 交通機関 層雲峡から銀泉台まで車で1時間弱。 2000年夏季(7/1〜9/30)は層雲峡から銀泉台まで1日2往復バスが運 行されていました。 紅葉の名所です。特に銀泉台に向かう林道からみる紅葉が見事。大雪山系の なかでもひときわ赤(ナナカマド)が多いです。でも、紅葉だけでなく高山植物 も見事です。特に、2時間ほど歩いたところの駒草平は高山植物の女王コマク サの群落を見ることができます。 銀泉平-駒草平間では登山道両脇の岩場にナキウサギが生息しており、結構 な頻度でその姿にお目にかかれます。また、運が良ければ、尾羽の反り返りが 特徴的な鳥のミソサザイ、天然記念物のウスバキチョウ(秋だと幼虫ですね)を 見ることが出来ます。 駒草平から先の赤岳までは少々きつい登りですが、途中でエゾコザクラやイ ワギキョウなどの高山植物を、頂上からは残雪の(紅葉の時期なら初冠雪の)ス トライプをまとった山々を眺められます。 2000年夏季(7/1〜9/30)は層雲峡から銀泉台まで1日2往復バスが運行されて いました。 層雲峡発 7:37 → 銀泉台着 8:35 銀泉台発 11:30 → 層雲峡着 11:23 層雲峡発 13:40 → 銀泉台着 14:40 銀泉台発 15:00 → 層雲峡着 15:53 足が無いけど銀泉台の紅葉を見たい人には良いのではないかと思います。 毎年運行するかどうかは未調査ですので、正確なところは道北バス (01658-5-3321)に問い合わせてみて下さい。 2.4.1.2.4. 銀泉台-赤岳-白雲岳-北海岳-黒岳-黒岳7合目 見頃 花: 7月中旬〜8月上旬 紅葉:9月中〜下旬 実績 2.4.1.2.1. 2.4.1.2.3.参照 所要時間 7時間(白雲岳往復を含む) 交通機関 (3)参照。ロープウェイとリフトに関しては「層雲峡[1-4-1]」を参 照して下さい 一日コースの中では一番のオススメです。歩きはじめから最後まで花また花 の連続です。コマクサ・エゾコザクラ・イワウメ・イワギキョウなどなど、種 類も豊富。 白雲岳の頂上はコースからちょっとだけ外れているので時間に余裕がなけれ ば寄らなくてもよいのですが、その頂上からは十勝連峰までも望むことができ ます。 このコースは時間がかかるので出発はお早めに、リフト運行の時間などにも 注意してください。 2.4.1.2.5. 愛山渓温泉-沼の平往復 見頃 紅葉: 9月下旬 紅葉実績 1995/9/18: 沼の平は真っ盛りで最高。当麻乗越〜旭岳方面は終わり 1993/9/25: 真っ盛り。でももうそろそろ終わり。 1992/9/12: 紅葉はまだまだダメ。 1991/9/23: 真っ盛り! 所要時間 沼の平入り口まで登り90分、下り70分 交通機関 上川駅〜愛山渓バスあり(季節運行) その他 ぬかるみが多いので長靴かスパッツが便利(無いと辛いです) 沼の平は実は大雪の中でも紅葉の隠れた名所です。高原沼は沼の周りが樹木 に囲まれていますが、沼の平は湿原の中に池塘がちりばめられている、いわゆ る高層湿原になっていて一面を見渡せます。で、池塘の向こうには紅葉した当 麻岳という絶妙な配置。緑の中に赤いナナカマドが点在しています。 時間が有るときはさらに進んで当麻乗越(とうまのっこし)まで行けば、沼の 平の全容が見渡せます。広々とした湿原に池糖が点在しているのが手に取るよ うです。沼の平から往復で2時間強です。 ----- ガイドメンバーからの報告 ---- -------------------------------------------------------------------- | 登山口の愛山渓は、上川から国道39号を旭川方面に10分ほどで左折し、さら | に30分ほど入ったところ。途中からダートですが走り易い路面で普通の乗用 | 車でも問題有りません。 | | 愛山渓から10分ほど歩いていくと徐々に傾斜が急になり、左手に2つの滝を | 見ながらさらに登ると永山岳との分岐に出ます。ここで沢を渡って15分ほど | 行くと視界が開けていき、沼の平の端に到着(なお、ここから振り返って見 | る永山岳の紅葉も見事)です。あとは沼の間を縫う平坦な道を景色を見なが | ら歩いて行けば良いだけ。 -------------------------------------------------------------------- 全行程に渡ってぬかるみがひどいので、長靴がベストです。なお、1995年は 夏から秋にかけてこの周辺でヒグマの親子が頻繁に目撃されたので注意してく ださい。ただし、特に被害が有ったようには聞いていません。 2.4.1.2.6. 高原温泉-高原沼一周 見頃 紅葉: 9月下旬 紅葉実績 1999/9/28: 今年は紅葉が遅れたせいか、ちょうど最盛期だったよ うです。 1999/9/21: 入り口付近はほとんど色づいていませんでした。 1996/9/24: もう終わりかけていました 1996/9/20: 山の上から見下ろすと最盛期だったようです 1996/9/17: 7分程度といったところ 1995/9/21: 最盛期をちょっと過ぎて色があせていた。けどきれい です。 1993/9/24: 7分程度でまだ紅葉していない木も目立つけどすごくき れい! 1993/9/22: 山の上から見おろすと紅葉が五分程度。 1992/9/14: 山の上から見おろすと全然紅葉していなかった。 1991/9/21: 真っ盛り! 所要時間 3時間 交通機関 自家用車もしくはタクシーのみ その他 ぬかるみが多いので長靴かスパッツが便利です 紅葉時期の休日は駐車場が早朝からいっぱいになってしまい国道入 口で入山が制限されます。しかも入山できるのは13:00(1999年9月) 迄で、それ以降に高原温泉に到着しても入山させてくれません。 1999/9/21に行ったときは、13:10くらいに受付に行ったために、入 山できませんでした。(T^T) 道外にも知られた紅葉の名所です。赤や黄色や緑の色とりどりの紅葉が沼の 水面に写るさまはここならでは。点在する沼を順番にめぐって一周するハイキ ングコースはアップダウンも少なく楽です。 でもここはヒグマの住みかでもあり、ヒグマが登山道をうろついている場合 は途中までしか入れないこともあります。 ただ秋分の日ごろならば、沼めぐりに訪れる人が多く、監視員も沢山配置さ れます。で、一周できる可能性も高くなります。1993年の例だとたしか9/23 (木曜、祝日)〜27(日)は一周出来たけど、次の日からはダメでした。ただし、 たとえ一周出来たとしても、空沼(いちばん奥の沼)〜高原温泉間は沢沿いの単 調な道です。空沼からもと来た道を引き返すのも、見える景色が往路とはまた ちょっと違っていて新鮮なのでオススメです。 高原沼一周コースは、監視員の手配がつく範囲までしか入山できないので、ど うしても一周したい場合は、監視員の人数がそろう土日祝日が狙い目かもしれ ません。(当然、入山者の方も多いのです) ----- ガイドメンバーからの報告 ---- -------------------------------------------------------------------- | 国道から約11kmのダート。まあ素直な道なので、オンロードのバイクでも余 | 裕ですね。ただ、ちょっと砂利道っぽい狭い道なので、よく車が脱輪してま | す:-)高原温泉の沼巡りコースに入る。沼めぐりコースの入口に、登山者名 | 簿を書く所があります。ちゃんと記入してから入りましょう。ここは熊の縄 | 張りで、常に監視員が見張っている。こえー :-O | | 道はドロでぐちゃぐちゃで歩きにくい。コースの泥で靴が真っ黒になります。 | 長靴を履いていたのが正解でしょう。最初の沼(バショウ沼)、次の沼が緑沼。 | すごい!!対岸の紅葉がまっ盛りで、赤・黄・青(緑色ね)のコントラストが更 | に沼に映って最高!! そこを20分ぐらい行く。途中の紅葉も結構きれいだっ | た。 | | この時期に冷え込んで雪が降ると、更に白が混ざるそうで。黒岳では、時々 | 4色が見られるらしい。 | | 沼めぐりのコースは、ホントは一周できるんだけど、どうも近くに親子熊が | いるようなときは、残念ながら緑沼でUターンなんてことも。でもきれいだっ | たぁ (^-^) -------------------------------------------------------------------- 1995年9月は23日が土曜日の祝日で天気予報は快晴ということで、すごい人 出でした。駐車場が朝7時には埋まってあとは路肩駐車だったようです。年々 混雑がひどくなっていくようで、1996年9月には駐車場が満車になった時点で、 国道入口で入山規制をしていました。 1998年からは紅葉のハイシーズンの土日祝日はマイカーでの入山が規制され、 シャトルバスが運行されています。 詳しくは層雲峡自然センター 01658-5-3370 まで問い合わせて下さい。 2.4.1.2.7. 高原温泉-緑岳往復 見頃 紅葉: 9月下旬 紅葉実績 2.4.1.2.6. にほぼ同じ 1996/9/17: 流れている雲の合間に綺麗そうな紅葉が見えかくれし ていたのですが… 所要時間 中腹まで登り60分、下り40分 交通機関 自家用車もしくはタクシーのみ その他 2.4.1.2.6. 参照 緑岳の中腹も紅葉の名所です。登山口は高原温泉。ここから緑岳への登山道 を1時間弱ほどひたすら登って緑岳の中腹の広々としたところに出ます。その 先の緑岳の斜面の紅葉が見事なので、あとは時間に応じて眺めの良いところを 散歩です。紅葉目当てならば緑岳の頂上に行かなくとも中腹までで充分です。 短い行程ですし、高原沼めぐりのあとで時間の余裕が有れば行ってみると良 いです。見頃は高原沼と同じ9月下旬です。 こちらはヒグマ(たぶん高原沼と同一の個体)のテリトリー内で「出るらしい」 とは聞いていますが、実際に出会ったこともありませんし、出会ったという話 も聞きません。 2.4.1.2.8. 沼の原登山口-沼の原 見頃 花: 7月中旬〜 8月中旬 所要時間 登り2時間、下り1時間30分 交通機関 自家用車もしくはタクシーのみ その他 ぬかるみが多いので長靴やスパッツがあると便利 高原温泉行きの林道との分岐にゲートがあり施錠されていますが、 営林署や層雲峡PRセンターなどで鍵の番号を教えてくれます。層雲 峡から車で1時間弱 大雪を代表する湿原です。ヒメシャクナゲ(7月中旬)やタチギボウシ(8月上 旬)など花もたくさん。そして、ここは大雪の最奥のトムラウシ山の眺めが良 いのです。湿原までの登りはきついのですが所要時間は短いです。のんびりと 湿原で過ごすのも良いでしょう。 2.4.1.2.9. 沼の原登山口-沼の原経由-五色が原往復 見頃 花: 7月中旬〜7月下旬 所要時間 7時間程度(どこまで奥に行くかによる) 交通機関 自家用車もしくはタクシーのみ その他 2.4.1.2.8. 参照 五色が原は大雪の中でも一番の規模のお花畑で、ウルップソウやハクサンイ チゲ、キバナシャクナゲなどの群落がまるで果てしなく続いているようにさえ 見えてしまいます。霧が出ている時は幻想的という言葉がピッタリ。五色が原 を日帰りで見るにはこのコースしかありません。沼の原から先はだらだらとし た登りが続き、しかもお花畑は登りきる五色岳付近までいかなくては出会えま せん。そうまでしてもこの五色が原のお花畑は一見の価値があるのです。 ただ、ここの開花期間は短く、満開の時期にちょうど当たれば良いのですが ちょっとでも過ぎると花が散ってなにも無くなっています。さんざん歩いてこ れはつらいです・・ 2.4.1.2.10. 旭岳ロープウェイ-旭岳往復 見頃 花: 7月中旬〜8月中旬 紅葉: 9月中旬〜下旬 所要時間 3時間30分 交通機関 バスとロープウェイに関しては「旭岳・天人峡[1-4-1]」を参照し て下さい その他 紅葉の時期の休日はロープウェイが混雑します(特に下り)。歩いて 下ったほうが早かったという話も(実話) 旭岳は北海道の最高峰です。旭岳ロープウェイで登り、そっからなら頂上ま で休み休みでも3時間ぐらいで登れてしまいます。 ロープウェイの山側の駅には定石通り看板があってコースなどが書いてあり ます。もっともポピュラーなのが「姿見の池」でして、対岸を奇麗に写してく れます。(水は汚いんだけど奇麗に見えてしまうから不思議 :-)) 帰りのロープウェイは乗らずに歩いて下っても、楽にそんなに時間もかから ずに降りてこれます。途中水芭蕉なども見れます。彼女と2人っきりになれる のもいいところです。熊が来るぞ、とか脅かしながら... :-) 花を目的なら7 月中旬以降ですかねぇ。 2.4.1.2.11. 旭岳ロープウェイ-旭岳-間宮岳-中岳分岐-裾合平-ロープウェイ 見頃 花: 7月中旬〜8月中旬 紅葉: 9月中旬〜下旬 紅葉実績 1996/9/18: 裾合平ーピウケナイ沢あたりがきれいでした 1995/9/18: 裾合平周辺はもう終わりでだいぶ色がくすんでいる 所要時間 7時間 交通機関 バスとロープウェイに関しては「旭岳・天人峡[1-4-1]」を参照し て下さい その他 2.4.1.2.10. 参照 ふもとの白樺荘YH推奨のコースで、大雪山の日帰りコースとしても簡単でお すすめです。 旭岳(大雪山系および北海道の最高峰)山頂までの2時間はひたすら上りです。 難しくはないので、マイペースで一歩一歩登るといつの間にか着きます。間宮 岳へはちょっと下りてから上りになりますが、殆ど平らと考えていいでしょう。 あとはずっと下りです。 ----- ガイドメンバーからの報告 ---- -------------------------------------------------------------------- | このコースはロープウェイ終点の姿見の池が既に森林限界を越えており、殆 | どが広々した高山植物の咲き乱れる草原です。勿論、秋は真っ赤な紅葉にハ | イマツの緑が絶妙のコントラストを作ります。…旭岳…間宮岳…中岳分岐の | 間は砂地で、あまり植物はありませんが、とにかく全行程展望のきく気持ち | のいいコースです。 -------------------------------------------------------------------- 中岳分岐を少し下りたところの登山道脇に中岳温泉があります。が、設備は スコップ1本だけ :-) 入るのには度胸が要ります。詳しくは温泉ガイドを参照 して下さい。 2.4.1.2.12. 旭岳ロープウェイ-旭岳-間宮岳-中岳分岐-北鎮岳(北海岳)-黒岳 -黒岳ロープウェイ 見頃 花: 7月中旬〜8月中旬 紅葉: 9月中旬〜下旬 紅葉実績 2.4.1.2.1. 参照 所要時間 7時間 交通機関 旭岳方面のバスとロープウェイに関しては「旭岳・天人峡[1-4-1]」 を、層雲峡方面のロープウェイとリフトに関しては「層雲峡[1-4-1]」 を参照して下さい その他 (10)参照 2つのロープウェイを結ぶコースです。天候さえ良ければ日帰りで難易度も 問題ないでしょう。お鉢はどちら回り(北鎮岳回りか北海岳回り)でもできます が、北鎮岳側を回った場合には北鎮岳(コースからちょっと外れています)を省 略して時間を稼ぐことができます。 登山口と下山口が山を挟んで反対でとても離れているのでなかなか時間のや りくりなどがしづらいのが難点ですね。黒岳ロープウェイ側から旭岳ロープウェ イと、その逆コースのどちらも可能です。紅葉の最盛期は、ロープウェイの輸 送力(旭岳のほうが小さい)を考えると、朝早く旭岳から入って黒岳に下山した ほうが良いかもしれません。 2.4.1.2.13. 旭岳ロープウェイ-裾合平-当麻乗越-沼の平-愛山渓 見頃 花: 7月中旬〜8月中旬 紅葉: 9月下旬 実績 2.4.1.2.5. に同じ 1996/9/22: 永山岳の斜面の紅葉はもう終わり。沼の平もやや盛り を過ぎていました 所要時間 5時間 交通機関 旭岳方面のバスとロープウェイに関しては「旭岳・天人峡[1-4-1]」 を参照して下さい。愛山渓〜上川駅はバスあり(季節運行) その他 ぬかるみが多いので長靴やスパッツがあると便利 途中のピウケナイ沢は水量が多く、増水していると飛び石も水没し てしまい危険です。あらかじめ情報を入手してから行くのが安全で す。 裾合平と沼の平という紅葉の名所をつないだ1日コースですが、ほとんど下 る一方で楽です。こちらも登山口と下山口が山を挟んで反対でとても離れてい るのでなかなか時間のやりくりなどがしづらいのが難点ですが、それだけの価 値が有ります。 時間と体力に余裕がある方は、当麻乗越から当麻岳の中腹----私は20分くら い登ったちょっと平になっている岩場まで行きました----まで登るのをお薦め します。当麻乗越からの眺めも良いですが、ちょっと上がるだけでさらに素晴 らしい景色を見る事ができました。当麻岳の頂上まで登ればもっと眺めが良い んでしょうが... なお、ヒグマに関しては 2.4.1.2.5. と同様です。 2.4.1.3. 大雪山の情報 大雪の紅葉の情報を聞くには、地元の観光協会などに問い合わせるのが確実 です。なお、YHや民宿などに問い合わせる場合は、善意で教えていただくとい うことを忘れないでくださいね。 東川町役場観光課 0166-82-2111 旭岳方面 上川町役場観光課 01658-2-1211 黒岳方面 層雲峡観光協会 01658-2-1811 層雲峡自然センター 01658-5-3300 層雲峡 PR センター 01658-5-3361 層雲峡ロープウェイ 01658-5-3031 りんゆう観光 旭岳ロープウェイ 0166-97-2234 大雪山ハイランド 旭岳ビジターセンター 0166-97-2153 国立公園管理事務所 01658-2-2574 層雲峡 同上 0166-82-2527 勇駒別・東川 上川営林署 01658-2-1171 層雲峡ユースホステル 01658-5-3418 白樺荘ユースホステル 0166-97-2246 コースタイムなどについては、下記の本や地図がていねいで分かりやすいよう です。 地図 エアリアマップ「大雪山・十勝岳」(昭文社) ガイド 夏山ガイド2「中央高地の山々(上)」(北海道新聞社) ガイド アルペンガイド「北海道の山」(山と渓谷社) 2.4.1.4. 大雪山に関する FAQ (Frequently Asked Question) 集 Q1 「大雪山」ってどう読むの ? 上川町役場によると、国立公園の正式名称は「だいせつ」ですが一般にはど ちらも使われていて層雲峡には「ホテルたいせつ」なんてのもあるそうです。 黒岳ロープウェイには「だいせつ」と書いて有りましたね、たしか。広辞苑で も「だいせつざん」と濁っています。 地元の方の報告では「たいせつ」と濁らないことが多いそうです。なにやら、 旭川市が昔観光地として売り出したときに「たいせつ」と呼んで、それが全国 的に広がった、という話も伝わっています。 Q2 紅葉の見頃を見逃さないためには ? 本当の紅葉の見頃は、毎年違います。年によって時期が違いますし、場所に よっても当たり外れがあります。標高が高ければ9月中旬でも終りかけの所は あるでしょうし、低い所は10月になっても奇麗だったり。おおよそ、あのあた りは9月中旬〜下旬が中心で、その時の状況を地元で聞いて、旬の場所へ出掛 けていくというのが正しい選択かと思います(つまり、行ってみなきゃ分から ない)。 例えば高原温泉の見頃の時期は、例年よりかなり遅かった1994年(9/30ごろ?) と、かなり早かった1995年(9/18ごろ)では、2週間程度も違ったのではないで しょうか(1994年は伝聞)。 紅葉は暑い日が続いて、急に冷えるとよく赤くなる、と言われています。そ して色づく前に霜でやられると鮮やかな色が出ないそうです。その年の気温の 変化と初雪のタイミングでずいぶん色は変わるようです。 結論→各種情報(本ガイドの紅葉実績もよろしく)を入手しましょう。あとはあ なたの運次第です (^^; Q3 ヒグマに出会わないためには ? 一般的にはこの章の最初に書かれているように鈴を持参してヒグマに人間の 存在を早めに知らせることが重要なようです。 それと、においが有効のようです。それも自然界にないようなもので強烈な ものが良いようです。ポマードとか、トイレの芳香剤のきついやつとか。でも、 これだと持ってる本人がつらいんで、やっぱり音の出るものが一番良いようで す。(鈴、ラジオ、etc)。やはり、熊の領域におじゃましますという態度が大 事なんでしょうね。 ロープウェイ駅などでヒグマの出没状況が掲示されることもあるので、役場 などと併せて情報収集すると良いでしょう。 でも、特に旭岳や黒岳、銀泉台などは登山者が多いので、ヒグマも出てこれ ないんじゃないかな。沼の原は人が少なくてちょっと恐いかも? 実際、1996年 夏に沼ノ原でヒグマによると思われる被害(テントを破られるなど)があったよ うです。 2.4.2. 十勝岳、美瑛岳、上ホロカメットク山[1-4-2] ML 会員からの報告です。 -------------------------------------------------------------------- | 十勝岳に1998年7月29日登山しました。天気は快晴。 | 十勝岳温泉駐車場を出発しカミホロを経由して十勝岳に行きました。昼飯を | 除き、上り2時間40分、下り2時間20分くらいでした。道は良好で歩きやすく、 | 十勝岳頂上手前の道はコークス状の石でいっぱいでした。カミホロ避難小屋 | の近くにキャンプ地があり、まだ雪渓が残っていました。 | 安政の爆発で無残に山が削られているのがワイルドで自然の力のすごさを感 | じることができます。手軽に登れる山なのでおすすめです。下山後は白銀荘 | で温泉にはいるのもいいと思います。 | | 1999年6月6日に美瑛岳登山しました。天気は快晴のち曇り。 | 望岳台駐車場を出発し十勝岳避難小屋を経由して美瑛岳に行きました。昼飯 | を除き、上り4時間30分、下り3時間くらいでした。十勝岳避難小屋から上は | 積雪が多くアイゼン歩行となり、かなり時間がかかりました。人が歩いた跡 | が少なく歩きにくかったです。美瑛岳頂上は下から見ると城のように見えま | す。地元の登山者に美瑛富士分岐でナキウサギを見ることができると言われ | ましたが残念ながらムリでした。頂上は意外と狭かったですが安政の爆発で | 無残な姿になった十勝岳がよく見え、62-II火口からも噴煙(水蒸気?)が上 | がっており、雄大な景色でした。雪で道がわかりにくいところがあり苦労し | ました。特にポンピ沢も登山道がわかりにくかったです。下山時ポンピ沢で | 凍結した沢を10mほどすべり落ちて、あやうく滝から転落しそうになりまし | た。ピッケルは必需品だと思いました。この季節アイゼンは6本ツメ以上あっ | たほうがいいと思います。DoCoMoは頂上では圏外でしたが5分ほどおりた所 | から下は通話可能でした。相手の声はクリアでしたが、こちらの声はとぎれ | とぎれだと言われました。 -------------------------------------------------------------------- 十勝岳に登った ML 会員のレポートです。(1999.8.8) -------------------------------------------------------------------- | まずは十勝岳温泉の駐車場(1270m)から6:50出発。 | しばらくはゆるやかな坂が続く(途中で三段山分岐があり、こちらからも十勝 | 岳に登れるが、岩がゴロゴロした難所があるそうなのであんまりオススメでき | ない)。安政火口手前あたりから小さい石がごろごろとするようになってくる。 | このあたりは、温泉の地獄巡りのような風景ではあるが硫黄の臭いはほとんど | ない。 | 一旦、小さい谷を降りてまたすぐに登り、そこからしばらく幅の狭い登山道を | ゆっくり登って行く(これがD尾根)。 | この先で、富良野岳方面と十勝岳(上ホロカメットク山)方面との分岐になる。 | 分岐右が富良野岳、左が十勝岳である。ここまででざっと40分。 | 十勝岳方面の道はしばらくは同じような感じだが、そこから先は階段になっ | ていて、これがかなりきつい。ただ、一気に登るので景色の変化はなかなか楽 | しめる。また、高山植物も結構見ることができる。ここを登りきるといきなり | 尾根沿いの道の分岐点となり、反対側の斜面が見える。ここが十勝岳温泉分岐 | で、すぐ横に上富良野岳(1893m)の頂上がある。ここに着いたのがだいたい | 8:50。ちょうど2時間くらいである。 | ここからは2つの経路があり、ひとつは上ホロカメットク山の頂上(1920m)を | 経由するコース、もうひとつはこれを迂回するコースである。とりあえず、行 | きは前者を選択。この登りはそれほどたいしたことはなくあっと言う間である。 | 到着が9:05。 | ここから避難小屋までの下りは結構キツいが、ここもすぐで避難小屋見物でちょ | いと寄り道。時刻は9:20。 | するとたまたま、登り始めで一緒だった人たちがそこで休憩していた。私は | 写真撮ったりしながら登ったので途中で置いてかれてしまったのであった ^_^; | その人たちの目的地はこの避難小屋で、目的は雪渓で冷やしたビールを飲む | ことだったそうな。せっかくだからと、雪渓でむちゃくちゃ冷えた缶ビールと | おつまみを勧められ、思わず頂いてしまった。良く冷えたビールがむちゃくちゃ | うまかった :-) | 予定外にここで時間を食ってしまい、しかもちょっとホロ酔い気分ではあっ | たが、改めて出発。すでに9:50。ここまでの標準コースタイムは2:45なのでちょ | いと休憩しすぎになってしまった ^_^; | 避難小屋からは、ちょっとした登り降りをしたあと、最後の十勝岳山頂への | 登りになる。足場は土なのでそれほど悪くはないが傾斜が結構あるので、ここ | はかなりこたえた。 | そしていよいよ山頂に到着。時刻は10:40。出発してから4時間弱といったと | ころ。途中で長い休憩(^_^;)や小さな休憩もあったので、早い人なら3時間あ | れば十分でしょう。 | 山頂では昼食のコンビニおにぎりを食べ30分ほどのんびりした。 | 天気がよく日差しは暑かったが風が気持ち良かった。頂上付近は雲も火口の | ガスもなかったので景色はかなりよかった。 | 下りは11:10出発。最初の下りがやっぱりキツく、ストックがあるのが救い | という感じだった。避難小屋に戻ったのが11:45。 | 今回、あちらこちらでまだ雪渓が見られたが、この避難小屋の近くのテント場 | の雪渓は近くまで行くことができたので、そこで休憩。さすがに雪渓は冷たく | て気持ちよかった。 | ここからは、上ホロ頂上を迂回するコースで十勝岳温泉分岐へ。ここの登り | は結構疲れてきた足にはこたえた。分岐到着は12:30。 | 帰りは、例のキツい階段を降り、十勝岳温泉に戻った時には足が結構痛くなっ | ていた。到着は14:00ちょうど。下りは結局3時間かからなかった。 -------------------------------------------------------------------- 上ホロカメットク山、十勝岳に登った ML 会員のレポートです。(1999.8.7) -------------------------------------------------------------------- | 朝5時前から駐車場はバタンバタンという車のドアの音や到着する車の音が | 聞こえ始めました。私たちも予定は4時起床、5時出発。しかし窓のカーテンを | 開けると、どんよりと雲は低く、山は完全に雲の中。出発意欲がそがれて再び | 眠りについてしまいました。予定の富良野岳、上ホロカメットク、十勝の3峰 | を廻るには10時間、コースを変更して十勝岳往復にしても6時間はかかります。 | 明日は知床の羅臼岳の予定ですので、下山が夕方までずれ込んではダメです。 | 重い気持でしたが、5時半に何とか起床、ラーメンの朝食を済ませて6時40分出 | 発しました。最初に目が覚めた時よりは雲が上がっていますが、予報は昼頃ま | で時々雨。天気は好転するのでしょうか。 | | 登山届を出すポストは駐車場から登山道を数歩登ったところにあります。他 | 人の届をチェックすると、富良野岳往復が多く、十勝岳まで足を伸ばす人は 2 | 割ほど。十勝岳だけなら望岳台の方が近いからでしょう。 | | 出発が遅くなりましたので、富良野岳はやめて上ホロカメットクと十勝岳の | 2峰を目指します。 | | コースタイム | 6:40 十勝岳温泉駐車場発 | 7:05 安政火口着 | 7:15 〃 発 | 7:35 上ホロ-富良野岳分岐通過 | 8:35 稜線着 | ? 上ホロ山頂通過 | 9:15 上ホロ避難小屋着 | 9:25 〃 発 | 10:00 十勝岳着 | 10:30 〃 発 | 11:30 三段山-望岳台分岐着 | 11:45 〃 発 | 12:30 三段山-安政火口分岐通過 | 12:40 十勝岳温泉駐車場着 | | 駐車場から安政火口まではほとんど平坦です。ここから右手の小さな沢を横 | 切って山の斜面をトラバース気味にどんどん登っていきます。初日のからだに | はきつい登りがこたえました。でも曇っていたのが幸いしてばてませんでした。 | 稜線は強風。熱くなったからだが一気に冷えて爽快です。稜線は雲が切れそう | で切れない、ガスが濃くなったり薄くなったり、ぱあっと日が差したと思うと | さっと曇ってしまうというごちゃまぜの天気。上ホロの山頂は稜線に着いてか | らすぐ。ガスが濃く視界もあまり効かなかったため通過。やがて右側に上ホロ | 非難小屋が見えてきました。雪渓が残っており、花も咲いています。小屋は2 | 階建てで収容30人ほどでしょうか。トイレ(もちろんポットン)は大雪山系と同 | じく蛆がうようよで生きた心地がしません。覚悟と承知の上とは言え、やはり | これに慣れることはできません。ああ、恐ろし。 | | このあと山容はがらりと変わり、砂礫に緑と花のある風景から荒々しい火山 | 岩のみが続きます。その岩も場所によって白かったり、硫黄の黄色、赤、黒な | ど、これらがカラフルに混ざっているところもあり、よく見るとなかなか綺麗 | です。 | | 十勝岳に着いた頃には大分天気も回復し、時折さーっと雲が開けてパノラマ | が広がります。頂上には数パーティ10数名。風が強いので止まっていると体が | 冷えるので、日当たりのよい側に座って早い昼食をぱくつきました。パンをほ | おばっていたところへよそのおじさんが「奥さんの熊鈴、変わってるね。ちょ | と見せてもらえませんか。」おお、この鈴に気がついてくれましたか。これは | 私が自慢のネパールで買ったもの。コロンコロンとやや低音の余韻のあるよく | 響く音がするのです。(当人は自分の至近距離で鳴らしつづけるため、時とし | てうるさいのですが:p) | | 帰り道は三段山を経由する予定ですが、来た道にあったはずの分岐は見落と | してしまいました。地図と山の形、尾根の形からここかな、と思ったところで | 向こうから登ってくる人が。間違いありません。でも、ここには分岐の標識は | ありませんでした。(今回のコースはここ以外、すべて分岐に標識がありまし | た。)ところがこの道、十勝岳温泉-十勝岳を最短で往復できるコースなのです | が悪路です。切り立った鋭い尾根、落石を起こし易いガレ場、踏み跡のよくわ | からない場所など、天気の悪い時には特に注意が必要です。実際、私達より1 | 時間ほど先に出発したパーティは上りにこの道を使って迷ってしまい(朝は早 | いほど雲が多かった)、頂上に着いた時間はほとんど同じでした。 | | でも、私達が下山する頃には空はようやく晴れ上がり、富良野岳の山頂だけ | が雲の中でしたが、上ホロも十勝岳も雄大な姿を見せてくれました。天気が良 | ければ主稜線の山々の眺めがすばらしいコースです。 | | 咲いていた花:上ホロ小屋前後の稜線が主ですが、 | イワヒゲ、ヨツバシオガマ、エゾウサギギク、チシマギキョウ、イワブクロ、 | アオノツガザクラ、エゾノツガザクラ、ミヤマリンドウ、ミヤマアキノキリン | ソウ など。特に小屋周辺は一面のヨツバシオガマでした。 -------------------------------------------------------------------- 2.4.3. トムラウシ山[1-4-2][1-5-4] この山は美瑛町[1-4-3]と新得町[1-5-4]の境にあります。昔から「遥かなる 山」と呼ばれ、大雪山系の一番奥にあって長い縦走の末にやっとたどり着ける 山でした。今では新得町トムラウシ温泉からの登山道が開かれ、ある程度健脚 なら日帰りも可能です。表大雪から縦走していくと遥か遠くに見えていた山頂 が歩くにつれて少しずつ近付いてくる過程も「遥かなる山」を実感できて捨て 難いものがあります。 この山は山頂もさることながら、その周辺に点在する「日本庭園」「トムラ ウシ公園」「ロックガーデン」などと名付けられた自然の造形に素晴らしいも のがあります。アイヌ語で大雪山のことを「カムイミンタラ」といい、「神々 の遊ぶ庭」を意味するそうですが、旭岳や黒岳あたりの表大雪よりはこのあた りのことを表すのにふさわしい名前だと思うのは筆者だけでしょうか。 2.5. 日高・十勝エリア 2.5.1. アポイ岳、アポイ山麓自然公園[1-5-2] 岬の西側にちょっと行った辺りに、小高い山があります。標高810m程度の山 で、登山口から4時間程度で山頂往復が出来るくらい。ちょうど一日コースで 登山するのにちょうど良い山です。えりもYHでも、コースを紹介してくれまし た。 様似から襟裳岬方面へ行く途中に、「アポイ山麓自然公園」の看板がありま す。そこを山側へ入るとそこが自然公園。案内板に「登山口」とありますので 登り口は分かります。途中、五合目辺りに避難小屋があります。その辺りから は高山植物が豊富なので、ゆっくり登って行けば良いでしょう。6月頃が見頃 だそうです。途中からの海岸線や日高山脈の景色も奇麗です。 -------------------------------------------------------------------- | 今回(1998年5月)は隣の山(ピンネシリ)から入って、ピンネシリ〜吉田岳〜 | アポイと縦走してきました (二台の車で行き、ピンネシリの登山口に置いて | おいた車を下山後回収)。ピンネシリの登山口は、アポイ山麓からさらに車 | で奥に30分ほど入ったところです。 | 今回の所要時間は、ピンネシリ登山口9:55〜ピンネシリ11:20〜吉田岳12:30 | 頃(不明確)〜アポイ岳13:31〜山麓15:23 でした。 -------------------------------------------------------------------- アポイ岳に登る時は、「ヤマダニ」に気をつけましょう。ヤマダニに食いつ かれると酷いめにあいます。もし食いつかれても、慌てて引き離してはいけま せん。慎重にひっぺがしましょう。 食いつかれた場合、たばこの火を近づけると離れてくれるそうです。ただし私 は実践したことはありません。食いつかれたことはあるけど。 公園内には保養センターがあり、二股ラジウム温泉の湯の華を使っていると いうお風呂があります。入浴料400円(1998年5月調査)、火曜定休です。登山の 帰りにひと風呂、というパターンがさいこーですね。(^-^) ここのキャンプ場はなかなか雰囲気が良いそうです。温泉もあって便利なの ですが、火曜の定休日には様似の銭湯まで行かなければなりません。様似の町 がちょっと遠いのが難点でしょうか。 テントサイトは良く整備された芝生で快適でした。サイトに車を乗り入れるこ とはできません。リアカーが置いてありそれで荷物を運搬します。特に今回は 登山目当ての人が多かったためか、夜遅くまで騒ぐ人も皆無で静かに過ごせま した。 利用料金は 210円(1998年5月調査)/大人一人。水場やトイレも完備で清潔。 1997年7月の ML 会員からのレポートです。 -------------------------------------------------------------------- | 夏休みにアポイ岳へ登ってきました。 | | 800mそこそこの低い山ですが、土壌が特殊なためここにしか見られない花がた | くさんあります。こちらが登ったのは1997.7.18ですが、花は雪解けしたらす | ぐ(5月中旬)ぐらいからいろいろ見れるそうです。 | | 登り口は2カ所あります。地図:(上方が概ね南になります) | | 至 襟裳岬 | / | ▲−−−−幌満 | | / / | |/ / | | / | | / | アポイ岳 | 登山口 | / | / | 至 静内 | | でも幌満から登る人はほとんどいません。 | 国道沿いに「アポイ岳登山口」と大きな看板があるところから数キロ入ったと | ころに温泉ホテル(日帰り入浴可)、キャンプ場、レストハウス、ビジターセン | ターがあります。 | | 一般的なルートは | 1:アポイ岳登山口往復 | 2:アポイ岳登山口-山頂-幌満お花畑(幌満側登山道とトラバース道(地図中/) | の交点)-トラバースしてアポイ岳登山口に戻る | の2つです。 | | コースタイムは登り2時間ほど。帰りは幌満お花畑経由でもやっぱり2時間ぐら | い。ただ、花をどれだけゆっくり眺めるかでかなり違ってきます。いずれにし | ても午前中登り始めれば十分日帰り可能です。アポイ岳登山口から登った場合、 | 途中に避難小屋もあります。 | | 私の場合: | 夕方アポイ岳登山口に着きました。キャンプ道具はないので、キャンプ場(有 | 料)はパス。レストハウスの方へ行ったところ、丁度店の人が閉めて帰るとこ | ろでした。駐車場で車中泊していいか訊いたところ、もちろん可。「あの水道 | 使っていいよ。」と建物外の靴洗い用の水道を指しました。ベンチとテーブル | もあり、トイレは紙つき水洗で清潔快適。 | | 自炊のあと車中で快眠。高山植物の本を見ながら予習もおこたりなく。 | | 7時登山開始。5時ぐらいから登山者は通りますが、私は7時登山開始。あまり | の花の多さになかなか前へ進めず、抜かして行った人はたくさんいましたが、 | 私に抜かされた人は一人もいませんでした。結局幌満お花畑経由のルートで全 | 行程6時間ほどでした。学校の休み前だし、平日だし、入山者は登山届けによ | れば50人ぐらいでした。 | | さて、見れた中で名前が判明した花を挙げます。 | ★はアポイ岳固有種。☆は日高地方固有種です。 | (ひょっとしたら★と☆に誤りはあるかもしれませんが) | | ★アポイハハコ ★アポイアズマギク ★アポイアザミ | ★エゾコウゾリナ ツリガネニンジン ツルアリドオシ | キバナノカワラマツバ イブキジャコウソウ エゾルリムラサキ | ハクサンシャクナゲ ゴゼンタチバナ ホソバトウキ | ☆サマニオトギリ ハクサンフウロ アポイヤマブキショウマ | キンロバイ エゾシモツケソウ エゾトウウチソウ | エゾクロクモソウ ★アポイカラマツ ★アポイマンテンマ | オヤマソバ ★ヒメエゾネギ クルマユリ | ヒオウギアヤメ ノハナショウブ ギンリョウソウ | ★アポイツメクサ ウメガサソウ -------------------------------------------------------------------- 2.5.2. 幌尻岳・戸蔦別岳[1-5-1] ML 会員の報告です。(2000年7月) かなり高度な技術と体力と経験とを必要とする山域のようです。 -------------------------------------------------------------------- | 日高の幌尻岳・戸蔦別岳に行ってきました。 | | ●7/29(土) 晴れのち曇り,夜半は雨 | | 05:00 林道ゲート(標高約500m) | 06:00 取水施設(750m) | 07:50〜08:25 幌尻山荘(950m) | 10:35 命の泉(1550m) | 13:55〜15:00 幌尻山頂(2052m)〜稜線の肩(1930m)までのんびり移動&休憩 | 15:45 七つ沼カール(1600m) | | ゲートからまずは林道歩き。単調でちょっと退屈だが 1時間ほどであっさり | と北電の取水施設に到着。ここから沢歩きだが,右岸の巻き道がしばらく続 | くのでとりあえず登山靴のまま先を進む。以前に来たときよりも巻き道はま | すます明瞭になっているようだ。 | | しばらく進んで沢に再び降り立つとそこからは渡渉となる。登山靴から渓流 | シューズに履き替え,ヘルメットを付けて渡渉開始。ただし今回ヘルメット | を付けている人は他に全く見なかった。付けていたほうが安全だと思うけど。 | | ちょっと水量が多めのようで,たまに腰の下くらいまで水につかる箇所もあ | った。まあ,気温も高かったのでちょっと無頓着にザバザバと渡渉したので, | 浅いところを選んで慎重に渡ればあんまり濡れずに済んだかもしれない。フ | ェルト底のフリクションが効いてとっても快適。順調に小屋に到着した。 | | さて,山荘から考えられるルートは三つ。 | | (1)幌尻岳〜七つ沼カール(泊)〜戸蔦別岳〜幌尻山荘 | (2)戸蔦別岳〜七つ沼カール(泊)〜幌尻岳〜幌尻山荘 | (3)沢経由〜北カール(泊)〜幌尻岳〜戸蔦別岳〜幌尻山荘 | | 今日は天気が良さそうなので,是非とも稜線から日高の山並みを見てみたい。 | なにせこれまで日高で晴れたことがないのだから(アポイは除く)。(3) も良 | さそうなのだが,ここは眺めを優先したいのでパスして次の機会に。なので | (1)か(2)であるが,時間もまだ早いしなにより戸蔦別へは急登の連続でしん | どそう。ということで(1)幌尻岳を目指すこととした。 | 翌日の戸蔦別からの下りでは小屋の手前で数回の渡渉があるが,そのためだ | けに濡れた渓流シューズを持っていかなくても良いかと考えて,小屋の前庭 | にかけられたロープにつる下げておくことにした。 | | 登山靴に履き替えて登山開始。樹林帯の急登はけっこうつらい。1497m ピー | クに出ると眺めも良くなって,斜度も緩くなってくる。で,程なくして「命 | の水」と命名された水場に到着。道からちょっと下ると水が結構な水量で流 | れている。稜線の直下でこの水量はちょっと不思議。以前はポタポタ程度で | とても水場とは言えなかったのだが,今回は結構な水量である。 | | あとは左にカールを見ながらの気持ちの良い尾根歩き。カールは一面のお花 | 畑だ。これまで一度しか見たことがなかったウズラバハクサンチドリがここ | ではけっこうな割合で咲いている。 | | しかし,どうも雲行きがあやしく,戸蔦別の山頂などにも雲がかかり始めた。 | そうこうしているうちに眺めは無くなってしまった。あたり一面がガスの中。 | あ〜あ... 今日こそはと思っていたのに,ちょっと気持ちが萎えてしまって | 足取りが重い。すっかり歩くペースも遅くなってしまった。 | | 頂上方面からは何人かが下山してくる。最後に監視員と思われる方が一人降 | りてきて,今日はカールにテントが二張り張られていることを教えてくれた。 | ガスが切れて頂上が見えたがもう誰もいない。 | | 天候悪化で眺めが得られそうになく,すっかり機嫌が悪くなってしまった。 | ところが,「あれ,雲が切れてきたな」とおもったらパアっと視界が開けて | 遠望が効くようになってきた。半信半疑で山頂に到着する。 | | 頂上には誰もいない。カムエクに掛かっていた雲も徐々に取れて,カムエク | ・エサオマントッタベツ・札内岳の稜線がよく見える。肉眼で初めてみるカ | ムエクはかっこいいなぁ。頂上からは日高側・十勝側どちら側も街は見えな | い。日高の深さが感じられる。 | | 「エサオマ〜ン待ってろよ〜。再来週行くからかならず晴れろ〜。」 | | 誰もいないので気兼ねなく叫んでしまった。頂上手前ではもう日高には来た | くないとすら思っていたのに,現金なものだ。 | | 携帯電話(セルラー)の通話を確認する。道内ではドコモよりセルラーのほう | が山では通話可能なようだ。以前はドコモだったが,知り合いから「日高だ | とたいていの山でセルラーが使える」ときいて乗り換えた。狩場山など例外 | はある(ドコモのほうが通じる)が,大雪周辺もセルラーのほうがよい。 | | 頂上からなだらかな稜線をのんびり歩きながら移動し,下降開始。眼下に七 | つ沼,向こうに戸蔦別の鋭いピークがよく見える。戸蔦別への登山道から途 | 中でカール壁に入り,浮き石が多く足場の悪いカール壁を踏み跡を慎重に下 | って七つ沼到着。 | | カムエクの時と違って,カールには糞や足跡などのヒグマの痕跡はまったく | 見あたらない。ナキウサギの声がこだましている。本当に静か。 | | 夕食の準備をしていると雨がポタポタ。どーして? 予報では雨なんて一言も | 言っていなかったぞ。夜半には雨に加えて風も吹いてきた。 | う〜ん,これはまずい。もし増水していたら帰れなくなるな。最悪土砂降り | になったら再度幌尻山頂に登って,沢歩きの必要ない新冠側に降りるか。そ | の場合,山頂から携帯でタクシー呼んでおかなくちゃ。でも,登山口まで戻 | って車を回収するにはとんでもなくお金掛かりそう。山荘に置いてきた渓流 | シューズはあきらめなくちゃならないし。もし予定通り幌尻山荘に下って, | そこで足止め食ったら下界との連絡のとりようがないなぁ。いや,山荘に行 | くまでの渡渉がそもそもできなかったらどうしよう... いろいろ頭を駆けめ | ぐってしまった。雨量は大したことないのだが,でも雨がテントをたたく音 | を聞いているとたとえ大した雨量でなくてもけっこう降っているように聞こ | えてしまう。 | | せっかく景色が見れたのにちょっと憂鬱。それもこれも天気のせいだ。った | く天気予報ってなんでこんなに精度悪いんだろう。日高にはやっぱり嫌われ | ているのだろうか。 | | ●7/30(日) 曇り | | 06:00 七つ沼カール(1600m) | 06:40 稜線(1750m) | 07:25 戸蔦別山頂(1959m) | 10:40頃〜11:25 幌尻山荘(950m) | 14:30 林道ゲート(500m) | | 5:00起床。すでに他のテントは出発していて,戸蔦別寄りのカール壁を登っ | ているのが見えた。万が一今後増水するのを見越して早めに行動を開始した | のかな。とりあえず雨量はごくわずかだったようであたりはそんなに濡れて | はいない。予定通り戸蔦別経由で下山することにした。 | | 朝食を済ませ,テントを撤収し,用を済ませて出発。最近トイレットペーパ | ー持ち帰りを実践している。コンビニのポリ袋に入れるだけだが,実行して | しまえばなんてことはない。単なるゴミの一つでしかない。ただ,ブツの持 | ち帰りはまだ実行できないでいる。なにより,最後まできっちり密閉して漏 | れ出さずに持ち帰れるかが心配。タッパーにいれて持ち帰っている人もいる | ようだが,まだそこまで踏み切れていない。 | | カール壁を登って稜線経由で戸蔦別頂上まできつい登り。幌尻山頂から見た | 戸蔦別からはきつい登りを想像していたが,稜線に出てから山頂まではそれ | ほどきつくもなかった。頂上は標識すらなく,ガスで見通しも利かないので | 殺風景。ここでもセルラーは余裕で通話可能。 | | 北戸蔦別までの稜線は花の種類が多く楽しめる。稜線から途中で分かれ,山 | 荘までの下降開始。急な下りの連続で,きのうこっちを登らなくて正解だっ | た。 | こんな天気でしかも幌尻でなく戸蔦に登ってくる人もいる。みな一様に「頂 | 上まであとどれくらいですか」と聞いてくる。急で単調な登りでへとへとな | んだろうなぁと同情。昨晩の幌尻山荘はとんでもない混雑だったそうだ。で | も,こちらも延々と続く下りには参った。ヘロヘロになりながらようやく六 | の沢に到着し,しばしの休憩の後沢沿いに山荘へと向かった。 | 案の定増水していなく,途中4,5回の渡渉の後に幌尻山荘に無事到着。ただ, | 登山靴だとやっぱり滑る。 | | 山荘でしばし休憩し,渓流シューズに履き替えて下山開始。水量は前日より | も逆に減っているようだ。林道で群がるアブに悩まされながらゲートに到着 | した。 -------------------------------------------------------------------- 2.5.3. ニペソツ山[1-5-4] ML 会員からのレポートです。 -------------------------------------------------------------------- | 1997.7.15にニペソツ山へ登ってきました。 | | ニペソツ山は東大雪と呼ばれる地域で、いわゆる大雪山系から南東方向にあり | ます。アクセスは十勝側からが一般的です。 | | ふもとから山頂まで往復11時間ぐらい(休憩時間含む)でした。途中に小屋はあ | りません。水場も雪渓が溶けた後はない場合が多いようです。 | | 登山口は十勝三股からと幌加温泉からの2箇所ありますが、十勝三股の方が奥 | まで車で入ることができます。私がとったルートは十勝三股口日帰り往復。 | 前夜は十勝三股の三股山荘(レストラン)の駐車場に車を停めさせてもらい、車 | 中泊。朝4:30頃車で出発し、5:00頃登山口着。途中ゲートと無人の監視小屋が | あり、登山届に記入します。 | | こちらが行ったのは夏休み前の平日でしたので、入山者は5パーティー10数名。 | | だいたい地図のコースタイム通りに行けます。最初2時間ほど尾根を歩き、ト | ラバース気味に少々下りてまた登り返すと森林限界。そこからようやく遠くに | ニペソツ山が見えます。すごくかっこいい山です。ここから稜線沿いにいった | ん下りてまた登ると頂上。ナキウサギのコロニーを途中通過します。森林限界 | に出てからは眺めが良く、トムラウシ、五色などの大雪山系、反対側には糠平 | 湖が見えます。 | | それと花。表大雪にはない花、エゾルリソウなどもあり、植生は日高山系と大 | 雪山系の中間っぽいです。では、見た花一覧。森林限界の上か下かなどの細か | い位置は割愛します。( )は葉っぱだけを確認。 | | ギンリョウソウ ゴゼンタチバナ マイヅルソウ | ウコンウツギ ハクサンシャクナゲ チングルマ | エゾノツガザクラ アオノツガザクラ ミヤマリンドウ | ハクサンチドリ ウズラハクサンチドリ エゾコザクラソウ | (ショウジョウバカマ) イワヒゲ イワウメ | ミツバオウレン チシマノキンバイソウ ハクサンイチゲ | イワブクロ キバナシャクナゲ ミヤマオダマキ | クモマユキノシタ ホソバイワベンケイ ミヤマアズマギク | (ウスユキトウヒレン) チシマヒョウタンボク リンネソウ | エゾヒメクワガタ ヨツバシオガマ タカネシオガマ | エゾルリソウ エゾイソツツジ (ウラシマツツジ) | コケモモ ハイオトギリ トカチフウロ | マルバシモツケ ミヤマキンバイ コマクサ | カラマツソウ エゾタカネツメクサ イゾイワツメクサ | エゾタカネヤナギ ミヤマクロスゲ -------------------------------------------------------------------- 2.6.道東エリア 2.6.1. 雄阿寒岳[1-6-1] ML 会員の報告です。(1999.8.11) -------------------------------------------------------------------- | 前日夜、国道241号を通って阿寒湖を通過し、雄阿寒岳登山口の看板が滝口 | 登山口にありました。いきなり真っ暗な林道で、先がどうなっているのか全然 | わかりません。引き返して阿寒湖駐車場で車中泊としました。 | | 7:10 滝口登山口出発 | 天気は快晴。炎天の登山が思いやられます。 | 昨夜は真っ暗で何も見えませんでしたが、林道はすぐに終わってお | り、20台ぐらいの駐車スペースがありました。トイレもありました。 | 登山届を書いて出発です。 | 阿寒湖の縁を通り、太郎湖、次郎湖を見て、道は森の中を登ります。 | 噴火で飛んだ岩(or熔岩?)が積もった上に植物が生えているので、 | 富士山の樹海のようにところどころの岩の隙間から冷気が噴出してい | ます。 | 8:00 2合目着、小休止。 | 8:45 4合目着、小休止。 | 9:20 5合目着、約10分休憩。 | 1〜5合目までは森林限界の下です。標識が出ています。時間的に等 | 間隔になっているようですが、4合目から5合目の間は急坂です。 | 1日休んだとはいえ、十勝岳、羅臼岳、斜里岳と転戦してきた体はす | でにバテバテでした。また、急坂の途中で一服している人がおり、一 | 番息が苦しい時にタバコの煙に巻かれて、迷惑この上なし:-( | 5合目から上は展望が開け、ハイマツ帯になります。眼下に阿寒湖 | が広がり、その向こうに噴煙を上げる雌阿寒岳が見えます。雄阿寒岳 | は古い火口の火口壁の一番高いところが山頂です。5合目まで登って | も、まだ山頂は見えません。 | 10:30 山頂着! | 5合目以降は1合の間隔がぐっと狭まります。へとへとになって5合 | 目に着いたときはいったいこの先どうなるかと思いましたが、5合目 | から先は展望もあり風も吹き、楽でした。 | 天気が良すぎてやや遠くがもやっています。ここからは阿寒湖は見 | えません。すっかり植物に覆われた火口の向こうに雌阿寒岳。反対側 | には斜里岳が見えます。 | 11:15 山頂発 | 来た道を戻ります。 | 途中8合目付近に測候所の跡があります。昭和20年頃の約3年間、 | 職員が常駐していたそうです。門柱が残っている他はすべて基礎しか | 残っていません。そして基礎の内外にイワギキョウが咲き乱れていま | す。「50年、人が手をつけなければ植生は回復するのか…。」意外と | 早い気がしました。 | 11:55 5合目着、約10分休憩。 | 森の中とは言え、炎天下。頭に浮かぶのは「プール入りたい。」思 | いっきり冷たい水に浸っていたい…。そればかり。ときどき冷気の噴 | 出し口で立ち止まりました。 | 13:25 滝口登山口着。 -------------------------------------------------------------------- 2.6.2. 雌阿寒岳、阿寒富士[1-6-1] ML 会員の報告です。 -------------------------------------------------------------------- | 雌阿寒岳=野中温泉YH | ミーティングの場でリーダーを決めたのですが、1.登山経験者 2.いなけれ | ばチャリダー、3.それもいなければライダーという基準でした。1.で私は手 | を挙げたのですが「女性の方はリーダーはご遠慮ください。」とヘルパー。 | :-( 他に1,2はいなかったので3.の男性ライダーになりました。総勢6人。山 | 頂ピストンではなく、山頂から裏を回って阿寒富士にも登り、湯の滝の駐車 | 場に下りてくるコースで7時間ほどかかりました。 -------------------------------------------------------------------- ■編注: 雌阿寒岳は活火山のため火山活動の状況によって入山禁止になります。 1998年11月の噴火以来の入山禁止は 2000年6月20日より解除されました。 2.6.3. 摩周岳[1-6-1] ML 会員の報告です。 -------------------------------------------------------------------- | 1997年7月29日に摩周岳に登山しました。第一展望台駐車場の南側に登山者 | 専用駐車スペースがあります。登山をする場合は駐車場の人に言うと案内し | てくれます。南側の駐車場入口正面あたりに登山ポストがあり登山者名簿に | 氏名、住所を記入すれば登山できました。警察署や営林署に事前に届を出さ | なければならないことはありませんでした。10:20登山開始、15:10に下山し | ました。天気は雨でした。 | 登山道は平坦でスノーモービルの走ったあとを歩きました。もちろんスノー | モービルは走行禁止区域なのですが。最後の500mが急な登りで、しかも地震 | で崩れたままでした。天気が悪く、その日の登山者は登山者名簿上では私一 | 人でした。登山道には湖に降りてはいけませんという看板がありましたが人 | が降りたあとのような跡がありました。 | 天気が悪かったけど、雲の切れ目から摩周湖が見えラッキーでした。展望台 | から見る景色とは違うので登山してよかったです。 -------------------------------------------------------------------- 別の会員からの報告です。(1999.9.16) -------------------------------------------------------------------- | 摩周岳に登ってきました。 | | 駐車場の端に登山口があり、入林者名簿がおいてあります。 | ここで記入しようとしたのですが、名簿の余白が残っていません。ずいぶん前 | からこの状態のようで、メモ用紙を投げ入れてあったり、表紙や余白にまでびっ | しりと書き込まれており、あまり管理されてないようでした。 | 少し進むと、注意書きの看板があり、「登山計画書を警察に提出するように」 | という旨が書かれていました。これが強制力のあるものなのか、あるいは単な | る推奨であるのかはここでは読み取れませんでした。 | | 登山道は摩周湖の外輪山の尾根をほぼ半周して摩周岳に続きます。摩周岳の手 | 前500mほどだけが登りらしい登りで、他は緩やかなアップダウンを繰り返す比 | 較的良好な道でした。入口には車、バイク、スノーモービル乗り入れ禁止の標 | 識が立っていましたが、路面そのものはオフロードバイクなら難なく走れそう | な程度でした(もちろん、乗り入れるべきではありません)。自転車については | 少なくとも標識などによる明示はなく、もしかしたら規制がないのかもしれま | せん。 | | 山頂からは斜里岳や雄阿寒、硫黄山や屈斜路湖が見渡せ、足元には真っ青な摩 | 周湖が見えます。高いところから見下ろすせいか、摩周湖の水の透明度が一段 | と引き立っていました。 -------------------------------------------------------------------- 2.6.4. 斜里岳[1-6-4] ※斜里岳登山口の清岳荘は1998年10月に火事のため焼失ましたが、1999年6月 より準備を進めていました仮設プレハブ小屋の山小屋が完成しました。 詳しくは清里町観光協会 TEL 01522-5-2628 または 清里町の web を。 http://www.ohotuku26.or.jp/organization/kiyosato/index.html ML会員のレポートです。(1999.8.9) -------------------------------------------------------------------- | 前日の夜8時頃、登山口の清岳荘到着。周辺の道路に「斜里岳登山口」の大き | な看板がでています。清岳荘は昨98年秋火災で焼失したとのことでしたが、プレ | ハブ2階建ての仮設小屋ができていました。私達は小屋には泊まらず、畳を敷い | た車内泊です。満天の星空、流れ星も見えます。明日は朝から晴れそう。 | | 水は小屋の外に蛇口があり、常時沢から引いた水が勢い良く流れていますが、 | 「必ず沸かして飲んでください」の貼り紙が。 | | 行程 | 5:25 清岳荘出発。強烈な日差しの超快晴。今日は半そでTシャツで首から | 濡らしたタオルを下げたスタイル。主人の曰く、「カールおばさん」 | 沢沿いに岩場を登ります。何回か渡渉します。 | 6:00 下二股着、小休止。 | ここから上二股までは沢沿いのコースと尾根のコースの2つがありま | すが、沢沿いのコースをとります。 | ここまでより急な沢になり、手を使ったり、しぶきを頭から浴びたり、 | 岩づたいにジャンプしたり、少しスリルがあります。岩も水もひんや | りと冷たく、気持ちがいい。 | (以前、清里イーハトーブYHのホステラー数人で登った時は、ずぶ | の素人もいるため、往復とも尾根コースでした。) | 7:25 上二股着、小休止。 | ここで沢は終わりです。次はガレ場の急登。暑い暑い、辛い辛い登り | です。 | 8:00 馬の背着。やっとのことで着いたものの、日陰はごくわずか。「早く | あの人達出発しないかなー」と遠巻きに日陰が空くのを待ちました。 | 「あんたたち、昨日羅臼登ってただろ」とおじさん2人組に声をかけ | られました。そういうおじさんたちも転戦組。やはりこの後は阿寒を | 登るとのこと。ここは屈斜路湖、雌阿寒岳、雄阿寒岳の眺めがいいで | す。 | 8:15 馬の背発。 | ここからはもう一息。 | 8:35 山頂! 快晴! ほとんど雲なし。眼下に斜里の碁盤目の畑が広がり | ます。羅臼岳、硫黄山などの知床の山々、国後島。屈斜路湖(雲を溜 | めて中の島が頭を出していました)、両阿寒岳。そして摩周岳。馬の | 背からも摩周岳と外輪山は見えていて、摩周湖は見えないと思ってい | たのですが、良く見るとなんと! 水が綺麗すぎて見えなかったのでし | た。よーく見ると上下に対称な風景があり、カムイシュ島も湖面に映 | っていました。驚き。 | しかし、山頂には全く日陰はありません。風は心地よいのですが、じ | りじりと太陽に焦がされていきます。 | 9:00 山頂出発。 | 9:15 馬の背通過 | 9:35 上二股通過。 | 尾根コースはここからいったん尾根まで上らねばなりません。そのあ | とも尾根沿いにアップダウンが結構あります。斜里岳と下界の展望は | 非常に良いのですが、何せハイマツ帯で日陰がありません。暑い。暑 | い暑い暑い暑い暑い暑い暑い暑い暑い暑い暑い暑い暑い暑い暑い…。 | 熊見峠を最後に道は一転急降下。沢まで一気に下りです。 | 10:50 下二股着。沢でひとしきりタオルを濡らして頭に絞って水をかけます。 | ジュッ! という音と共に頭から湯気が上る…のではないかと思うぐら | い暑かった。:pこの後の沢は上りの時とは大違い。すっかり石があた | ためられて、さわるとアッチッチ。 | 11:20 清岳荘着。沢で水浴びをする人、数名。 | | 暑いので、下りも沢を通る人が多かったようですが、あの沢ですれ違うのは上 | りの人に迷惑をかけることにもなるのでいかがなものかと思いました。また、ブ | ヨに数ヵ所刺されてずいぶん腫れてしまいました。虫除けローションは塗ったの | ですが、汗で流れてしまったようです。 -------------------------------------------------------------------- 花 沢と馬の背から上に少々。尾根はすっかり終わりでした。 ミヤマダイモンジソウ、ミソガワソウ、トリカブト、キツリフネ、 チシマクロクモソウ など。 清里イーハトーヴYH(http://www.vc-net.ne.jp/~balloon/)から斜里岳に登っ たML会員のレポートです。(調査1994年) -------------------------------------------------------------------- | 斜里岳登山についての送迎は行きは登山口の清岳荘まで、帰りは斜里岳山荘 | までということになってます。 | | YH ------ 斜里岳山荘 ------ 清岳荘 ------ 斜里岳 | | 清岳荘 --> 斜里岳山荘までのダートの林道7.9kmは歩き、またはヒッチとな | ります。 | | 通常YHを8:00am出発、8:30清岳荘着、上り3時間で頂上へ、頂上で昼食にし | て、下りも3時間程度、ここからヒッチか歩きで斜里岳山荘へということに | なります。清里17:05の汽車で釧路、網走いずれかの方面に出ることを予定 | している人は、汽車に間に合う確率は半々といったとこだそうです。車で来 | ている人に便乗をお願いするのが妥当なとこでしょう。 | | 1994年NHKでも放映された斜里岳山荘のおそばは無くなりました。なんでも | おばあちゃんが歳のためそばをもうつくれないとのことです。おじいちゃん | は続けたいそうですが(清里YHのP談)。 | | 竜神池は神の子池を一回り小さく、浅く、そして明るくした感じのところで、 | なんかよかったです。 | 「昔水不足の時にワラ?で作った竜神様を竜神池に沈めて祈ったら、雨が降っ | てきた」というような話が、登山口バス停の所に書いてありました。 -------------------------------------------------------------------- その他に「完全登山」というのをやった人がいるそうです。朝4時くらいに YHを出て、歩いて登山口まで行き、斜里岳に登り、歩いてYHに帰って来るそう です。YHから清岳荘まで13kmくらいらしいので、普通の登山+往復26km徒歩で すね。ひぇー。達成した人は、じゃがいも10kgがもらえたそうです(送料自己 負担)。今でもやっているんでしょうか。 さらに別の ML 会員のレポートです。(1999.9.21.) -------------------------------------------------------------------- | 斜里岳に登ってきました。 | | 焼失した清岳荘はプレハブ小屋で仮営業していました。 | 小屋の前に書かれたコースタイムでは、登り3時間下り2時間半の合計5時間半。 | 出発は朝8時前。6時間くらいあれば往復できるかと思って登山者名簿には14時 | 下山予定と書いて登り始めました。 | | 沢沿いの道は徒渉を繰り返しながら高度を稼いでいきます。下二股を過ぎ、い | くつかの滝を見ながら上二股へ。ここで登山開始からすでに3時間が経過して | いました。コースタイムなら山頂に居なければならないはずの時間なのに。 | # 自分の足の遅さがいやになります。かと言ってトレーニングをしようと思い | 立たないのが私の悪いところ(^^; | | 沢の音が聞こえなくなって道は勾配を増していきます。胸突き八丁、馬の背を | 通り、斜里岳神社のほこらを過ぎればまもなく山頂です。 | | 山頂はあいにくのガスの中。しばらく待ったけど時々ガスの切れ目から近くの | 尾根が見える程度で遠望は得られませんでした。 | この日は山頂だけが雲を被っていたようで、少し下って馬の背からは摩周湖、 | 屈斜路湖が良く見えるようになりました。 | | 下りは上二股から新道コースを通ります。竜神の池に立ち寄って熊見峠を目指 | します。ダケカンバの林を過ぎ、見晴らしの良い尾根道を進みます。先ほどか | ら見えていた摩周湖や屈斜路湖に加えてオホーツクの沿岸と斜里平野が眼下に | 広がりました。このコースは歩きやすい道ですが、下山路だというのにアップ | ダウンを繰返し、標高は一向に下がりません。 | | 熊見峠を越えると一転して道は急降下。前日の雨で粘土質の路面はぬかるんで | 滑りやすくなっており木の根の段差が大きくて歩きにくい道です。ここでも予 | 定以上の時間がかかってしまいました。 | | 結局下山は16時。 | 登山者名簿に書いた下山予定よりも2時間オーバーし、清岳荘のご主人は「予 | 定よりずいぶん遅い」と心配して小屋の前で待っていてくれました。 -------------------------------------------------------------------- 2.6.5. 羅臼岳[1-6-5] 羅臼岳は、知床半島の中ほどにある標高 1661m の山で、道東一の高さです。 登山口は宇登呂側(岩尾別温泉)と羅臼側(熊の湯)それぞれにあり、宇登呂側か らは夏であれば比較的手軽に登る事のできる山です。地元の小学生が遠足で登っ ているのに出会ったことがあります。登山口からほぼ一日かけて山頂まで行っ て来る事ができます。登りは 4時間程度、帰りは 3時間半といったところです。 登山道はよく整備されており、要所要所に水場があって格好の休憩ポイントと なっています。 岩尾別温泉「ホテル地の涯(ちのはて)」の裏手に回ると木下小屋があって、 その脇が登山口になっています。木下小屋に泊まって早朝から登る人もいます。 ここで水を汲み、入山届を書いて出発。小一時間も歩くと視界が開け、眼下に オホーツク海と知床五湖が見えてきます。この辺りが「オホーツク展望」と呼 ばれるところです。小休止してまた一頑張りで最初の水場「弥三吉水」に到着。 ここは冷たく美味しい水が湧き出しており、疲れを癒してくれます。弥三吉水 を過ぎると傾斜は緩やかになり、「極楽平」を通って次の水場「銀冷水」へ。 銀冷水を過ぎると道は傾斜を増し、やがて「大沢」に出ます。ここは夏まで雪 渓の残るところです。消え残った雪の脇には高山植物の可憐な花が見られます。 雪渓の上部の急勾配を過ぎると、「羅臼平」。羅臼岳山頂は目の前です。道は ハイマツ帯の中を進みます。道端にはコケモモが生えていたり、エゾシマリス の姿を見ることもあります。最後の水場「岩清水」を過ぎて岩場を這うように 山頂に到着します。 羅臼岳は道東一の高さですから、視界を遮るものは雲の他には何もありませ ん。天気に恵まれれば山頂からは野付水道に浮かぶ国後島と反対側のオホーツ ク海、遠くは網走、標津方面の海岸線が手にとるように見えます。すぐ下には 羅臼湖、半島の先の方には硫黄山へと連なる知床連山が見え、その美しさは筆 舌に尽くし難いものがあります。 夏は宇登呂側か羅臼側かどちらか片側が晴れても反対側に雲がかかることが 多く、日頃の心掛け :-P が良くないと 360°の展望は難しいかもしれません。 雲が低ければ山頂は雲の上に出て、雲海に浮かぶ国後島の山々の幻想的な姿を 眺めることができます。 羅臼岳は比較的手軽ではありますが、やはり登山です。手軽とは言っても、 実はそれほど楽をして登れる山ではありません。登山口がほぼ海抜250mと低く、 ここから1660mまで一気に登るわけです。途中で諦めて待っている人もよく出 ます。気候は、緯度が高いので本州の3000m級の山と同じくらいの厳しさを持っ ており、夏でも防寒具は必須です。両側を海に挟まれているために天気が変わ りやすいのも知床の特徴です。 ※初心者の単独行はやめましょう。 登山やトレッキングの経験が少ない人は、岩尾別YHなどで組むツアーにでも 参加したら安心です。途中でばてて諦め、単独下山中に熊に出会ってしまった 人もいますので無理はしないのがいいでしょう。最初の1時間弱、オホーツク 展望あたりまでをゆっくり登るのがこつだそうです。 8月上旬までは羅臼平手前(岩尾別側)の大沢に雪渓が残っています。羅臼側 にも大きな雪渓があります。9月中旬には消えているそうですが、9月下旬から 10月あたりには羅臼岳は冠雪します。秋の紅葉の時期に同時に登山もしたいと いう人もおられるでしょうが、十分注意が必要です。 羅臼岳登山道は、岩尾別温泉からの他に羅臼側からもあります。熊の湯の近 くから登り、途中で岩尾別温泉からの登山道と合流します。ただ、宇登呂側 (岩尾別温泉登山口)と比べると距離は長く、登山道の整備状況も良くないので 充分な経験のある健脚者向けと言われています。 コースは知床自然センターのガイドマップシリーズNo.1「知床連山」で見る ことができます。 ----------------------羅臼岳登山体験記--------------------------- (1994年以前)10/6に岩尾別YHから羅臼岳登山をしたY.Oさんの報告です。 -------------------------------------------------------------------- | ホテル地の涯(ちのはて)まで、I氏の車とYHのマイクロバスで行く。駐車場 | に車を置き、8:10登山口で登山者名簿を書いて出発。オホーツク展望台 | 8:35、弥三吉水 9:20、銀冷水 10:20?、羅臼平 11:20?。雪は弥三吉水の先 | から積もっていて、銀冷水から先は、足元は気をつけないと危なくなってき | た。急なところはあらかじめ張ってあるロープ無しには登れない。樹氷もす | ごい。ロープを張る杭に逆三角形に樹氷がついている。が、寒さと登る忙し | さで写真は撮っている場合ではなかった。徐々にトレッキングシューズが濡 | れ始める。 | 2名ほどは速いペースで先に。4名程遅れをとっている。途中でわかったのだ | が、1名台湾の女性がいた。向こうの方が英語が達者ではないので話しにく | かったが、筆談を若干交えて会話をしていた。実は、この人は台湾の3000m | 級の山は71回も登っている人だった。毎日ランニングをして鍛えてるとか。 | 恐れ入りました。 | 羅臼平でしばらく後ろの集団を待っていたが、ガスがかかってきたので先に | 頂上を目指す事にした。この先は、赤いペンキをたどってゴツゴツした岩場 | を登る。途中、エゾリスを見る。雪が深くなってくる。Tシャツ+厚手のシャ | ツ+セーター+ウィンドブレーカを着ているが、登っている最中でも寒く感じ | られる。12:30 頃だったか頂上に到着。体が冷えきらないうちに握り飯を食 | おうとするが食い終わらぬうちに冷えてしまった。風が強いのもあって最後 | 尾を待っていると体の芯まで冷える。余りもの寒さに動かないカメラが数台 | あった。僕のは元気でしたが。尤も、ガスのために下界はまったく見えませ | ん。記念写真を撮っても、寒さの余りに顔に愛想がありません :-) | 最後尾が到着してからしばらくして 1:00下山開始。YHの説明では、迎えの | 都合と安全のため「1:30 までに下山を開始して下さい。」と、なっている。 | 雪があるので、下りは難しい。おまけに、登りよりもかかとを使うからくる | ぶしのところから靴に雪が入り込む。チベタイ。羅臼平まで降りてくると、 | 登りで途中一緒だった男性がMSRのストーブでラーメンをつくっている。旨 | そう、暖かそう。そこら辺の雪を解かして紅茶をいれてもらうが、これが滅 | 茶苦茶旨い!やはりこういう状態で飲む暖かい飲物の美味しさはなんとも言 | えない物がある。 | 下りは、当然登りより眺めは良い。が、足元を見るのに忙しい。I氏はオジ | ロワシを見たそうだが、僕は気がつかなかった。この頃には、樹氷も解けて | いる。結局、ふもとまではほとんど休み無しに降りる。4:00 ホテル脇の登 | 山口に到着。みんなホテルのちょい下にある、岩尾別温泉を目指す。台湾の | 女の人にどーしますかと聞いたら、斜里に行かねばならぬと言う。どうも、 | もっと早く降りてこれると思っていたらしく、乗りたかったバスはもう出た | らしい。I氏の車で宇登呂まで送ってもらう。で、我々は温泉に。 -------------------------------------------------------------------- ML会員のレポートです。(1999.8.8) -------------------------------------------------------------------- | ウトロからさらに知床の奥、ホテル地の涯前の駐車場に着いたのは0時近く。ま | だ駐車スペースはありますが、ホテルの駐車場に駐車しては失礼だし、知床の自然 | について説明した看板の前も顰蹙ものだし、寝るためにはなるべく平らな所がいい | し、あそこでもないここでもない、と数十分良い場所を捜してしまいました。でも | 朝起きてみれば既に無法地帯に近い状態。路肩の車も増えたし、ホテルの駐車場や | 敷地内の芝生などあっちこっちに車がありました。 | | 天気は曇りで時折小雨が降っています。がっくり。でも気を取りなおして起床、 | 出発です。 | | 6:15 木下小屋出発。ホテルのすぐ脇。登山届もここで書けます。 | すぐに急坂です。時折雨がぱらつき、先が心配になります。 | 7:30 弥三吉水着。冷たくておいしいです。水筒の水を捨てて入れ替え。こ | こまでの途中に1回、5分休憩しました。 | 7:40 弥三吉水発。 | 8:25 銀冷水着。弥三吉水の方が量も豊富でおいしかったです。 | 8:30 〃 発。 | このあと森からガレ場(大沢)の登りで再び急登です。このころにはだ | いぶ晴れてきました。 | 9:15 羅臼平着。 | 9:25 〃 発。 | 少しのハイマツ帯のあと、岩がゴロゴロの登りです。最後の水場があ | ります。これが3か所の水場の中で一番冷たくておいしいです。でも | 水筒に汲んだりしてるとたちまち列が伸びるので、のどを潤す程度に | しましょう。 | 晴れ上がって強い日差しが照り付ける中、手を使ってよじ登ります。 | 10:15 山頂! 風がびゅうびゅうと強く、それまでの汗が一気に引いていき | ます。岩山の狭い山頂で、看板で写真を撮るのも譲り合いです。時折 | 雲が通り過ぎるのですが、澄み切った青空の元、360度の展望です。 | 斜里の碁盤目の畑、足元のウトロと羅臼。斜里岳、雌阿寒岳、雄阿寒 | 岳。反対側に連なる知床連山。国後島もよく見えます。とても大きな | 島です。そしてこの夏、日ソ共同調査が行なわれて話題の爺々岳も一 | 番北の奥にそびえています。 | 雄大なパノラマに感激。 | 10:40 下山開始。来た道を戻ります。ふと見ると少し先を後姿が広末涼子風 | の女の子が歩いています。しかし彼女の服装は半そでTシャツ。非常 | に素人っぽい服装です。「ちょっと、おねえちゃん、首にタオルぐら | い巻かないと白いお肌が焼けてまっ赤っ赤になっちゃうよ」と声をか | けてあげようかと思ったのですが、何と彼女は羅臼平からウトロでは | なく羅臼方面へ降りていきました。たくさん人はいても他に羅臼方面 | へ歩く人はいません。ああ見えてつわものなのか…? 謎の女の子でし | た。 | 11:30 羅臼平通過。お弁当を広げている人が大勢います。ウトロなどで朝食 | をすませてから登ると、だいたい羅臼平でお昼時になります。この後 | はお約束の道草モード。主人は花には全く興味がないのですが、ひで | ちゃんはそうはいきません。登りの間に「帰りは道草食うからねっ!」 | と宣言して、高山植物の咲く羅臼平と大沢はカメラ持ってあっちへふ | らふら、こっちへふらふら、2,3歩歩いては立ち止まり…を繰り返し | ます。付き合いきれない主人は「弥三吉水で待ってる」と言い残して | 途中で先に行ってしまいました。 | 12:50 弥三吉水着 | 12:55 〃 発 | このぐらいの時間でもまだ登ってくる人はいますが、上で泊まって硫 | 黄山へ縦走する大きな荷物の人が多いです。 | 13:45 木下小屋着 | | 比較的行程の長い山ですが、タイミング良く水場があり、風景の移り変わり | も結構あって、変化に富んだ登りやすい山でした。ただし、そう思ったのは2 | 度目の余裕かもしれません。以前登った時は「遠い」と思いましたし、初挑戦 | の主人も「羅臼平に着いてまだまだ山頂が先に見えたときにはガックリきた」 | とのことでした。 | | 咲いてた花 | エゾツツジ、エゾモメンヅル、メアカンフスマ、ウメバチソウ、イワギキョ | ウ、チシマクロクモソウ、コモチコウモリ、エゾヒメクワガタ、イソツツジ、 | イワブクロ、エゾコザクラ、アオスズラン、タカネトウウチソウ(大沢はこ | れが満開)、チングルマ(花は終わって穂のみ) など -------------------------------------------------------------------- ■ 編注: 岩尾別 YH ミーティングでの案内では「銀冷水はエキノコックスの ■ 可能性がないとは言えないので生水を飲むことはお勧めしない」と言って ■ います。 ■ 弥三吉水と山頂直下の岩清水は「安心して飲んで良い」とのことでした。 2.6.6. 硫黄山[1-6-5] ここで取り上げる硫黄山は知床半島の羅臼岳よりも先にある山です。屈斜路 湖、川湯温泉の近くに同名の山があり観光地として有名ですが、まったく別の 山です。 知床林道をカムイワッカ方面に行くと湯の滝入り口のすぐ先に登山口があり、 日帰りで往復可能です。羅臼岳より標高は低いものの、登山道は羅臼岳ほどに は整備されておらず、比較的経験者向けです。 更に、山頂付近は近年崩落が激しくなっています。登るにあたっては十分な 注意が必要となります。山頂付近は浮き石が多く、足を掛けるとがらがらと石 が崩れていくことが多々あります。浮き石でない石を選び、足運びには十分注 意して下さい。まとまった人数で登ると、前の人が落とした石が下の人に当た る可能性もありますので、前の人との距離を十分にとって登る必要があります。 しかし、まとまった人数で山頂を目指すのはやっぱりおすすめできません。 岩だらけの山頂からは想像できませんが、山頂は羅臼岳山頂よりも広く、高 山植物もたくさん咲いていました。 コースは知床自然センターのガイドマップシリーズNo.6「硫黄山」で見るこ とができます。 2.6.7. 知床連山縦走路[1-6-5] 羅臼岳から硫黄山に連なる知床連山を抜ける縦走コースがあります。このコー スは初夏になれば高山植物のお花畑、秋には紅葉が綺麗で、天気が良ければ展 望も素晴らしいところです。 羅臼岳から硫黄山までを縦走しようとすると、1泊はするのは普通です。途 中には山小屋などの設備は一切なく、テント持参となります。季節によっては 雪渓の登り降りや流水の中を歩くところもあり、ハイマツの中を通る道もわか りにくくなっています。登山経験者によると難易度は「天幕縦走中級」だそう です。 硫黄山から下山すると、カムイワッカ湯の滝のすぐ近くに降りる事になりま すので、帰りに一風呂浴びて帰ってくる人も結構います。ただし、登山道から 湯の滝に直接降りることはできませんので、一旦林道まで下山した後で登り直 すことになります。 縦走コースは羅臼岳と同じく知床自然センターのガイドマップシリーズNo.1 「知床連山」で見ることができます。 なお、登山はやはり素人だけで突然やるものではありません。経験の無い人 はちゃんと経験者に付いてもらわなければ駄目です。その上でなら、羅臼岳は 初心者でも登るのは可能です。硫黄山や縦走コースについては、ある程度の登 山経験者である方がいいと思います。登山経験は浅いがぜひ行ってみたいとい う場合、岩尾別YHから縦走ツアーが出ています。引率者がついて花の解説など しながら2泊3日でゆっくり歩きます。7月と9月に何度か開催されるようです。 問い合わせてみるといいでしょう。 ML 会員のレポートです。 -------------------------------------------------------------------- | 知床連山を単独縦走してきました。 | 7月に挑戦した時、強風と視界不良で途中で引き返してきたので、今回はリター | ンマッチです。交通の便などを考え、通常と逆に硫黄山から羅臼岳に向けて歩 | くことにしました。 | | 18日早朝 5:40 硫黄山登山口出発、11:15 硫黄山山頂着。 | 登りの途中は雲が出て日が遮られ、途中ガスが出て寒くなる時もありましたが、 | 山頂に着く頃にはガスが切れ始め、景色が少しずつ見え始めてきました。 | その後、天気は次第に良くなり、知円別平、南岳を経由して16時前に二ッ池着、 | テント泊。 | 二ッ池は水がほとんどなく、上の池は完全に枯れていました。下の池もすっか | り小さくなっており、わずかに残るばかりとなっていました。 | | 翌日も天気に恵まれ、オッカバケ、サシルイ、三峰から羅臼平。ここでザック | をデポして羅臼岳山頂往復。ここでも天気は良く、360°の絶景を堪能してき | ました。 | | 縦走路ではウラシマツツジが赤く色づいており、チングルマも色づき始め、ス | スキ(のような草:名前不詳)の穂が風にそよいで秋を感じさせてくれました。 | | 途中、オホーツク展望あたりで岩尾別 YH の縦走ツアー一行に追い付き、 | 14:15 岩尾別温泉登山口(木下小屋)着。露天風呂に入ったあと、縦走ツアー迎 | えのバスに便乗させてもらって YH まで帰りました。 -------------------------------------------------------------------- 2.7. 道北エリア 2.7.1. 利尻山(利尻富士)[1-7-3] ルートは鴛泊、沓形、鬼脇の3種類あり、鴛泊からのコースが一般的です。 夏ならば夜間登山が主になるでしょう。 夜11時ごろ出発すれば、日の出に間 に合います。沓形コースの方は危ない所が多く、コースもやや長めですが、高 山植物は鴛泊コースより多く「リシリシオガマ」という幻の花があるそうです。 鬼脇コースはもっと荒れており、7合目から先は立ち入り禁止となっています。 鴛泊コースの8合目までは比較的楽に行くことができます。8合目に避難小屋 があり、ここで体力的に無理な人は断念することもあります。8合目から上は3 点支持の上りだと思っていいと思うぐらいで、結構きついです。 頂上からの眺めは最高で、北海道北部のあの地図の形がわかります。 登る 時の注意としては、夏でも万年雪があるぐらいですから、防寒具をしっかりと。 そして、非常食を一食分ぐらいは持っていくこと。 ちゃんと届けて行くこと ですかね。また、実際に登る時は海上の独立峰ですから頂上付近のガレ場では 突風にも注意が必要です。 1996年8月時点での情報によりますと、沓形コース側の登山道が鴛泊コース との合流付近で大規模な崩落を起こしたそうです。詳しい情報をお持ちの方、 フォローお願いします。 また、グリーンヒルYHでは特にYHとして夜間登山は実施していなかったとの ことです。 〜体験談(ML会員 Bさん女性)〜 -------------------------------------------------------------------- | 1995年7月19日から夏期休暇を取り、利尻へ行ってきました。 | | 車はフェリーターミナルのところの東日本フェリーが経営する駐車場に預け | ました。1日1,000円でした。 | | <利尻まで> | 朝イチのフェリーに乗るつもりではいましたが、礼文に行くか、利尻に行く | か散々迷った末に、利尻に決定。2等船室は団体でいっぱいでしたが、なん | とか場所を確保、横にはなれたものの、団体のおばちゃん達のけたたましい | 笑い声にすぐ起こされてしまう。これも仕方ないですね。 | | うとうとしているうちに、島に接近、利尻富士が山頂まで良く見える。天気 | はとても良さそう。 | | <利尻富士へ> | 鴛泊フェリーターミナル2Fの食堂で朝食をとってから、登山口になる北麓野 | 営場へ徒歩で。(この食堂は、値段・味ともにあまりおすすめできません) | | 入山届けを書き、甘露泉で水を補給して、登り始めました。 | | ちなみに、私は | ・登山経験なし | ・スポーツ等もほとんどやっておらず | ・当然、体力は人並み以下 | ・体重は人並み以上 | です。 | | なので、日程は余裕を持ったものにしました。登りは鴛泊ルートで、一気に | 山頂に行かず、ゆっくり登って、8合目の小屋で一泊。翌日、山頂にいき、 | 沓形ルートで下山。こちらも場合によっては、7合目の小屋で一泊としまし | た。食料も余分に用意し、テントも持ちました。 | | <鴛泊ルート8合目の小屋> | 長官山頂上付近にあった、旧小屋は取り壊されていました。新しい小屋は、 | 長官山から、山頂に向けて尾根を少し降りたところにあります。(出発前に | 観光協会に確認済み)以前の小屋を知らないので、比較することができませ | んが、20人は収容できそうです(30人という説もあります。)。大きな窓が2 | カ所?あります。この日の利用者は、全部で5人だったので、ゆったり寝るこ | とができました。 | | <登山道の荒れ> | 初めてなので、以前と比較できないのですが、山小屋で会った人達の話では、 | ここ数年で登山道が急速に荒れたということです。特に、沓形ルートが顕著 | のようです。原因は、登山者の増加、それから登山道の真ん中が荒れている | のを嫌って登山者が、どんどん端のほうを歩くといったことらしいです。こ | ういう現象は、大雪あたりでも起こっているようです。「山を守るには、数 | 年登山禁止にしたほうがいいんだけど、観光の目玉でもあるので、簡単には | できないだろう。」と、話してくれました。この方達は、水をペットボトル | 3本、さらに焼酎を1升担いできた強者でした。 | 5年ぶりに登ったという連れも、想像以上に荒れている言っておりました。 | 沓形コースの下山が難儀したのはいうまでもありません。 | | <山頂で> | 翌朝、5時過ぎに出発、無理をしないようにゆっくり登りました。山頂に近 | づくにつれ、だんだん風が強くなり、降りてくる人達は口々に「山頂は、強 | 風でとても長くはいられない。」と言っていました。ところが山頂に着いて | みると、天気は回復し、風はまったくなく、ぽかぽかの小春日和。昼寝をす | る人もちらほら。それにつられて、少しうとうととしてから、景色やお花畑 | を楽しみました。 | | 天気は、快晴といってもよいくらいで、島は360度見ることができました。 | 花は、最盛期は終わったとはいえ、エゾツツジは満開。名前を失念しました | が、キキョウ?リンドウ?ボタンキンバイ?(黄色の花)や、白い小さな花(レブ | ンウスユキソウみたいな)がとてもきれいでした。 | | <見返り台> | 沓形ルートの5合目になります。ここまで車で来れます。宿の車で送っても | らう人も多いようです。登山道入り口の少し上に、駐車場等が整備してあり | ますが、あるのはトイレだけです。水場はありません。真新しい電話ボック | スもありましたが、まだ使えませんでした。たまたま、登山者を乗せたタク | シーが来たので、疲労困憊の私はそれで沓形の町に降りました。 | | <沓形のタクシーの運転手さんの話> | やはり、登山道の荒れ方がひどいということでした。それから、この頃は本 | 当に気楽に登りに来る人が多くて、困惑しているそうです。例えば、 | | ・入山届けを出す人のほうが珍しい。 | ・初心者がハイキング気分で、沓形ルート(中級コースとされています)から | 登る。 | ・本当に軽装で、非常食も雨具も持たず、水もろくに持たない人も少なくな | い。 | | この運転手さんは、相手は「お客」なので、あまり言うと失礼になってしま | うので、軽装の人には、「水だけは持って下さい。」と声をかけるようにし | ているということです。場合によっては、水を補給できる場所で、水を補給 | させているそうです。 | | 実際、この運転手さんが乗せてきた2人は、「海にいくの?」というスタイル | でした。 -------------------------------------------------------------------- ○夜間登山 利尻グリーンヒルYHでは夜間登山ツアーをやっています。から、一緒に登る 仲間の見つからない方は、訪れてみるとよいかもしれません(単独登山は厳禁 ですぞ)。 1994年7月に、YHでツアーを出してはいないという情報が寄せられました。 つまり、自分から積極的に同行者を見つけないと単独登山になる危険もありま す。 YHに行きさえすれば、誰かに連れていってもらえるという安易な感覚で出かけ ると、単独登山(やっちゃだめですよ!)になる危険性があるとか。夜間登山を 計画されている方は、ご確認下さい。 夜間登山は夏の間にやるんですが、夏とは言え、北国の夜間登山です。Tシャ ツにサンダルの軽装とまでは言わないものの(でも、実際にいるんです、こう いう人)大した装備もなしに勢いで登ってしまう人をたくさん見ます。無事な ら「へっちゃらだ〜」ということになるのですが、安易な考えは1回きりにし て欲しいです。 〜体験談(ML会員 Sさん男性)〜 -------------------------------------------------------------------- | いちばん最初に何をしたかと言うと、おもむろに港に向かって歩きだしまし | た。利尻は海抜0メートルから登り始められる数少ない単独峰なんで、わざ | わざ海に手をつけてから登り始めました...(^^; 皆さんもどうです? -------------------------------------------------------------------- ○鴛泊コース8合目の小屋 以前、昭和の時代、現在の皇太子が利尻登山をした時にピカピカに建て直さ れました。この時の様子はグリーンヒルYHに記録文書が残っています。 ・甘露泉まで舗装された。 ・頂上まで赤じゅうたんが敷かれるのでは、と噂された。 ・到着前におつきの者が島の衆に日の丸の小旗を渡し、振るように命 じた。帰ったあと、回収していった。 ・稚内と結ぶ船の1つには貴賓室が作られ、以後開かずの間となった。 →その後、秋篠宮様が来島された時に再度使われたようです。 とまあ、例によって、仰々しいわけでありますが、、、、 〜山小屋建て替え前の体験談(ML会員 Sさん女性)〜 -------------------------------------------------------------------- | 1994年の状況では、鴛泊ルートの8合目にある小屋は荒廃していて、宿泊不 | 能となっていました。(下では宿泊不能といっていましたが、実際には泊まっ | ている人もいたようです。ただし、私が見る限りでは建物自体がかなり傾き | 危険そうでしたし、何より汚かったです。^^;;) -------------------------------------------------------------------- 2.7.2. ぽん山ハイキングコース[1-7-3] 利尻富士はつらいなーという人におすすめ。 普通のハイキングコースです。おしどまりからの利尻富士登山コースの途中か ら道がわかれます。一日あれば、ゆっくりと行って帰ってこれます。 2.7.3.礼文島西海岸遊歩道[1-7-3] この島は、「とにかく歩く」につきます。特に、島の西海岸を歩くことをお 勧めします。ちなみに、西海岸は道路はありません。遊歩道があるだけです。 このコース、俗に「愛とロマンの8時間コース」と呼ばれていて、ユース・民 宿なんかで知り合ったカップルが手に手を取って力をあわせて歩くのだそうで す。(一部の幸せな人たち限られますが…たった一人で歩く場合、「絶望と忍 耐の8時間コース」と呼びます:-)) まあ、それはいいとして、このコース、なかなか日本離れした、きれいな海 岸線を堪能することができるでしょう。 1998年7月に読者から寄せられた情報によると、コースが一部変更されてい ます。このコース変更により所要時間が短縮し、実質的には6時間程度のコー スになったようですが、今まで親しまれた通り「8時間コース」の名前で呼ば れているようです。 -------------------------------------------------------------------- | 宇遠内から礼文滝を経て元地までの海岸(旧8時間コースの一部)は通行禁止 | になっていました。落石等で危険なためだそうです。鉄条網が張ってあって | 見張りが立っている、なんてことはありませんが、万一のことを考えて引き | 返しました。 -------------------------------------------------------------------- | 礼文町は8時間コースの宇遠内〜元地を通行禁止に(落石等で危険なため)。 | いつから通行禁止になったのかは知りませんが、礼文町では、代わりに宇遠 | 内から礼文林道経由香深を推薦しています。 -------------------------------------------------------------------- | YHなど8時間コース主催者側の方で自粛しています。地質学上かなりもろい | 島なので、毎年どこかで崖崩れや地滑りが起こるようです。(昔はあの桃岩 | も頂上まで登れたのですよ。) -------------------------------------------------------------------- 2.7.3.1. 8時間コース 〜体験談(ML会員 Kさん 男性:ML内で公開された旅行記より抜粋)〜 (注)船泊YHは民宿に変わりました。 -------------------------------------------------------------------- | 9月13日(日) | (礼文島愛とロマンの8時間コース) 船泊YH泊 | | まず、前夜のミーティングで8時間ツアーのメンバー18人+4時間で帰る女の | 子1人とともに、注意を一通り聞きました。で、結局私が隊長を引き受ける | ことになり、黄色いハッピとヘルメットをありがたく頂戴したのでした。 | | 朝起きて朝食を取り、昼ご飯のおにぎりを手にして出発。YHの裏の道路でバ | スを止めて19人で乗ろうとすると、もうすでに桃岩&礼文組で立ち客が出て | いるという状況なのでした。それでもなんとか19人を詰め込んでバスはスコ | トン岬へと出発したのでした。(途中でお客の乗り降りがほとんどなかった | のはいうまでもない:-)) | | 満員のまま、スコトン岬に到着。隊長指令で、最初に降りた人が岬までダッ | シュをかけてくれたので、一番最初に記念撮影をしてスタートすることとあ | いなりました。バスが着いた時間にはもうスコトン岬の売店は開いてました | が、今日はさすがに19人全員で最北端牛乳を飲むというボケをかましてる余 | 裕はありませんでした。 | | しばらくバス道を歩いた後、いよいよ8時間コースに入ります。昨日つぼみ | だったチシマリンドウがなんとあちこちで咲いており、隊長なのを忘れてカ | メラで撮影といきなりペースを乱しておりました。途中、鮑古丹への道を迂 | 回して私たちは山側のアスファルト道を進みました。このあたりの丘の斜面 | にイブキジャコウソウがいっぱい咲いていてとてもきれいなのでありました | (きれいな花を見つけるたびに、ペースを乱しまくっていたことはいうまで | もありません)。19人全員が写真をとったりしながらゆっくり歩いておりま | した。 | | ゴロタ岬の下でアスファルト道は終り、岬まで一気に登ります。この日は天 | 気がすごく良かったので、岬はとてもいいながめでした。風もあまり強くな | く、飛ばされてしまいそうということはありませんでした。しばらく休憩の | のち、今度は下り。階段の段差が大きく、けっこう足に応える下り道でした。 | | 下り終ると鉄府の浜に出ました。ここにはトイレがありました。浜に降りて | 遊びながら次の西上泊へ向かってひたすら歩きました。砂浜が終ると、西上 | 泊のスカイ岬へはまた再び登りです。登り終って上からスカイ岬を眺めると、 | 本当に美しい海のある岬で、澄海岬というのも納得します。このあたりにも | チシマリンドウがいっぱい咲いておりました。 | | 岬からの道を下り終ると西上泊の集落で、ここで4時間コースの1人とお別れ | です。女性1人だけ帰すのももったいないので、みんなで引きとめたのです | が、じんましんで寝込んだ直後なので、無理はしたくないとのことでした。 | みんなが西上泊で休憩している間に、私はYHへ電話。時間は10時15分ぐらい | で、ちょうどいいペースですが岩場歩きのところでは余裕をもって歩いて下 | さいとの指令を受けました。 | | 西上泊を後にすると、今度はまたしばらく登りで、時期には高山植物が咲き | 乱れているであろう丘を見ながら歩いていきました。もちろん、9月中旬な | のでなにも咲いてはいませんでしたが。それでも、リンドウやトリカブトな | どがたまに咲いておりました(トリカブトの前で、「これが噂のトリカブト | だよ」と言うと、みんなじーっとながめていました)。 | | 礼文岳が近くなり、林の中に入った所で少しペースを上げた途端に、先頭を | 歩いていた私が派手にスッ転んでしまいました。これが8時間歩いた中での | 唯一かつ最大のアクシデントだったというから大笑いですね:-)(谷の方に体 | が行きそうになったので、態勢を立て直して山側にダイビングしたのでした) | | ハゲ山を見ながらさらに進み、砂滑べりに差しかかりました。もっとすごい | ものを想像していたのですが、ロープも張ってあり楽勝でした。なくても楽 | 勝だったかもしれません。長い長い山歩きが終って、ようやく海岸に出てき | ました。みんなはごはんを食べたがっていたのですが、やはり近くにトイレ | のある場所がいいという申し出があったので、宇遠内で昼食をとることにし | てもう少しがんばろうとみんなの尻を叩くのでありました。岩場はやはり歩 | きにくいのですが、ペースがちょうどいいためか、不思議と疲れないのでし | た(林の中をペースを上げて歩いてるときの方がきつかった)。30分ほど歩い | て、12時45分頃宇遠内に到着。14時までお昼ごはん休憩としました。 | | 宇遠内を出るとひたすら岩場歩きです。YHで、「細心の注意を払うように」 | と言われていたので、慎重に歩いて行きました。私が先頭に立ってみんなを | 誘導しながら適当なペースで歩いていきました(ここで、初めて隊長らしい | 役目を果たしたのでした)。みんなの顔を見るとだいぶ疲れが出てきている | ようで、休憩回数も多くとりました。特に私の直後を歩いていた九州の女性 | 2人組は、休んでいるときなどは本当に疲れたという顔をしているのですが、 | いざ歩き出すと私の直後を黙ってついてくるのでした。歩いても歩いても元 | 地の集落は小さくしか見えません。しかし、浜、礼文滝と休憩するたびに少 | しづつ集落が大きく見えてくるのでした。滝を過ぎるといよいよラストコー | ス。しかし、まだ地蔵岩は見えてきません。まだかまだかと岩場を歩いてい | ると、突然岩場の影に8時間コース終点の看板と、地蔵岩が待っていたので | した。 | | 「やった!! とうとう着いたぞ!!」 | | みんな口々にそう言いながら喜びました(中には、なんかあっけないなあと | いう人間もいましたが)。まずは、看板の前で記念撮影大会。そして、地蔵 | 岩まで移動して18人で岩に手を着いたところでまた記念撮影。午後4時10分、 | 時間にして8時間33分の長い歩きは終ったのでした。 | | 元地の駐車場では、ペアレントさんと息子さんが迎えにきてくれました。 -------------------------------------------------------------------- 〜体験談「雨と嵐の8時間コース」(ML会員 Hさん 女性:1990年8月)〜 -------------------------------------------------------------------- | 礼文YHと桃岩荘YHは雨が降ると「危ない」との理由で8時間コースのツアー | は出さないそうですが、船泊YHはよほどのことがない限り雨でもツアーが出 | ます。 | | さて、降りしきる雨の中、YHを出発した一行は10人(ぐらいだった)。 | | まずスコトン岬で全員カッパ姿で記念撮影。風が強く、横なぐりの雨。 | | ハイライトは西上泊から宇遠内。波打ち際を岩伝いに歩くのですが、そこは | 荒れ狂う高波。 | | ザッパーーーン!! | | と岩は波に洗われ、わずかの間、岩と幅の狭い砂浜が顔をのぞかします。そ | して再び、 | | ザッパーーーン!! | | と波が打ちつけます。 | | みなゴクンとつばを飲み込み、隊長の指令により2人づつ組になりました。 | | ザッパーーーン!! | 「それーーーーっ!」 | | と一目散に、向こうの安全な所まで波打ち際を走り抜けます。 | | ザッパーーーン!! | | すぐ後を波が洗います。 | | ザッパーーーン!! | 「それーーーーっ!」 | ザッパーーーン!! | 「それーーーーっ!」 | : | | 波にさらわれる人もなく、無事に宇遠内到着。ここで隊長の判断により先へ | 進むのを断念。(この先地蔵岩まではもっと厳しいとのこと。)YHへ断念の電 | 話を入れ、山を越えて香深井に出ました。迎えに来たYHの車に乗り、リタイ | ヤの帰還となりました。 -------------------------------------------------------------------- ○トイレ案内 香深: フェリーターミナル内。水洗、男女別 宇遠内:休憩所脇。くみ取り式、男女共用 元地: バス停から徒歩1-2分。水洗、男女別 お土産屋さんの横をちょっとはいる。(^^;) トイレ(水洗) めのう浜 ■ ────────────────── →地蔵岩 ───┐ ┌──────────── バス停│ │ 知床: 元地灯台への登山道入り口。水洗、男女別 ログハウス風のきれいな建物 ─────────────── 香深← → 知床 ─────┐ ┌─────── ■│ │ ↓至 地灯台、桃岩 桃岩: 1.展望台入り口。水洗、男女別 2.桃岩バス停から展望台へいく途中。水洗、男女別 礼文林道: レブンウスユキソウ群生地横。 荒廃。あまりにひどい状態でした... T_T 西上泊: スカイ岬入り口。水洗、男女別 鉄府: ゴロタ岬の下の一軒家の先。くみ取り、男女共用 海岸:$ 草原:# $$$$$$$$$$$$$$$$ ############ 西上泊←───────────────→ ゴロタ岬 ■ ◎ ############ 一軒家 スコトン岬: 売店横。水洗、男女別 2.7.3.2. 4時間コース 4時間コースとは、スコトン岬からゴロタ岬を経由して西上泊(スカイ岬)ま での散歩で、有名な8時間コースの前半分です。ただ歩くだけなら確かに4時間 ですが、花の名前を調べたり、海の写真を撮ったり、鉄府の浜で穴開き貝を拾っ たり、そんなことをのんびりするには丸々一日かけるのがいい。危険箇所もな いので誰にでもお勧めできる場所です。 ○4時間コースの注意 礼文島散策コースのうち4時間コースを歩く人はあまりいないかもしれませ んが、歩く人は浜中バス停での接続時間に注意した方が良いでしょう。バス停 に着く時刻にもよりますが、バスが全然来ないということがあるようです。 また礼文のバスはバス停ではなくても手を挙げればそこで乗せてもらえるそ うです。 〜体験談(ML会員 Nさん 男性)〜 -------------------------------------------------------------------- | 私の場合、前のバスが30分前に出たばかりで次のバスまで3時間という状態 | だったので、結局礼文YHまで5時間かけて単調な東海岸沿いをてくてく歩く | という間抜けな結果になってしまいました、、、 -------------------------------------------------------------------- 2.7.4. 礼文岳[1-7-3] 海抜500メートルほどの山ですが、礼文最高峰です。約2時間で頂上までたて ます。ここからの展望は、利尻山はいうまでもなくスコトン岬の遥かにサハリ ンも見えるし、島中を独り占めという感覚にして貰えます。時間のある方は是 非行ってください(礼文にはヒグマはいないので単独行でも大丈夫です)。 行った方の情報によると、山道にはウルシが生えているようです。半袖で登っ た人は、かぶれてしまって、随分かゆがってたということ。長袖を準備してい かれるとよろしいでしょう。 1998年夏の読者のレポートです。 -------------------------------------------------------------------- | 【礼文岳登頂】 | 7月17日(金)晴 8:10内路発 13:00起登臼着 | 雲がかかった南側以外は素晴らしい展望\(^o^)/ 途中で、大阪から8年ぶ | り(私と全く同じ!)に利尻礼文へ来られたというご夫婦と一緒になりました。 | その方の話では、礼文町の観光パンフレットには載っていないが、役場で起 | 登臼コースも通れると確かめてきたとのことなので、いっしょに起登臼へ下 | 山。問題なく通れました。私達以外にも起登臼へ下山してきたグループが二 | つ。バスの時刻に合わせて、ゆっくり休憩を取りながらでした。礼文は、バ | スの本数が少ないのが難ですね(>_<) | 晴れて展望があれば素晴らしいハイキングですが、展望の無い天気の悪い日 | にわざわざ登ることはないと思います。 -------------------------------------------------------------------- 2.7.5. ハイジの谷[1-7-3] 位置的には礼文滝上のあたりです。一面の高山植物が咲き乱れる丘と崖、そ の向こうに青い海が衝き落ちるようにあって、にほんとは思えない神秘的な美 しさです。 礼文林道の方から歩くとここまでちょっと時間はかかりますが、ある意味で は8時間コースよりいいかもしれません。 この、「ハイジの谷」名付け親は星観荘という話です。また、礼文滝の手前 の丘を「ペータの丘」と呼ぶ人もいます。 2.7.6 天塩岳[[1-7-4] ML会員から寄せられたレポートを紹介します。 -------------------------------------------------------------------- | 天塩岳にはいくつかルートがあるのですが、ヒュッテ〜(旧道経由)〜前天塩 | 岳〜天塩岳〜(新道〜新道旧道連絡路〜旧道経由)〜ヒュッテという周回路で | 登ってきました。 | | 旧道から沢をつめるコースは情報を仕入れていなかったことと、虫が多そう | だったので避けました。本によっては、新道旧道連絡路 (新道の途中と旧道 | の途中とを結んでいる、ちゃんと整備された登山道) が出ていないこともあ | るようです | | [日時、天候] | | 1998年7月19日(土) 快晴 | | [コースタイム] | 08:10 登山口・天塩ヒュッテ(標高760m) | 10:02〜10:10 前天塩岳(1540m) | 10:52〜11:27 天塩岳(1558m) | 11:48 天塩岳避難小屋(1370m) | 13:10 登山口・天塩岳ヒュッテ(760m) | | まずはヒュッテ横から旧道を沢沿いに歩いていく。途中で新道旧道連絡路と | の分岐を過ぎてからつづら折りの急な登りになり、休み休み登っていくと視 | 界が開けて森林限界に出て眺めが良くなる。 | | ここから先のハイマツ帯は白骨化してしまっている。20年ほど前の山火事が | 原因だそうだ。未だに回復していないのは痛々しい。 | | 前天塩岳で休憩した後、標高差約200mを下って再度登り返すと天塩岳の山頂 | に到着。この鞍部と山頂手前にエゾキンバイやニッコウキスゲなどの花が咲 | いてはいるがあまり多くはなく、ちょっと期待はずれ。 | | 山頂からは素晴らしい眺めである。表大雪とニセイなどの北大雪、そして両 | 者の中間の遠方に東大雪(石狩岳)と、大雪山系が一望できる。反対方向に向 | いてよ〜く目を凝らすと、岩尾内湖のちょうど左端の上に三角形の利尻岳!! | (デジカメでは写りませんでした....)。隣にいた団体のうち一人から頼まれ | て、「あれが大雪で、あれがニセイで..」と説明してあげる。さすがに、 | 「あそこに利尻が見えますよ」と教えてあげると皆歓声をあげていた。 | | 山頂で昼食を簡単にとって下山。花はちょっと期待はずれだったが、展望が | とにかく最高であった。 -------------------------------------------------------------------- 3. クロスカントリースキー・山スキー 3.1. クロスカントリースキー・山スキーについて この章ではスキー場以外でのスキーの楽しみを扱います。 3.1.1. クロスカントリースキーとは クロスカントリーとは、もともと野山を歩き(走り)回ることで、陸上競技の 一種にもなってます。そのスキー版がクロスカントリースキーで、冬期五輪の ノルディック競技でご存知の方も多いでしょう。この章では、そんなハードな 競技というよりは「スキー板をはいて雪の上を歩くハイキング」という楽しみ 方を中心に紹介します。クロスカントリーを略して「クロカン」あるいは「XC」 と表記されることがあります。 クロスカントリースキーの板は、幅が4〜5cm程度長さ2m程度と、アルペンス キーの一般的な板と比べると細長めですが、非常に軽くできています。丁度足 が乗る部分の裏にウロコ状の凹凸が掘られていて、片足で乗った時にスキーが たわんで凹凸の部分が雪を噛んで後ろに滑らないで、両足に等しく体重をかけ ると凹凸の部分が雪から浮いて滑りやすくなる構造になっています。このため に、ノルディック競技のスキーのように微妙なワックシングが必要ないために 手軽に雪原を歩けるようになっています。通常は、専用の靴の爪先の部分を金 具に噛ませて止めて、歩くときは、ここを支点にしてかかとが自由に上がるよ うになってます。まさに「滑る」というよりは「歩く」という表現がぴったり です。また、エッジがついていないので下り坂などではスキーの後端を広げて ボーゲンで止まります。 レンタルも、あちこちの民宿やユースホステルでたいてい貸してくれます。 一度もやったことがなくても大丈夫です。二本足で歩ければなんとかなります。 簡単です。私も初めてでできました。:-) スキーを履いていないと、除雪されていない道なき道に入り込むことが困難 です。あえて入るなら雪をかき分けラッセルで行くことになります。これは、 なかなかつらいですよ。特に丘を登るのってきついです。それに、パウダース ノーの積もっているところをラッセルすると、下が畑だったりするようなとこ ろでは雪が融けにくくなって農家の方々がいやがるそうです。 というわけで、道なき道を行けるという利点があるクロカンですが、何年か 前の元旦に浜小清水のYHのホステラーがクロカンで濤沸湖を渡ってて湖に落ち ました。かわいそうに。白鳥がいる辺りでは全く湖が凍ってなかったので、湖 を渡ろうとしたのが最初から無謀だったとしか言いようがないですね。という わけで、どこでもいけるといっても、一応は考えて歩きましょう。 普通の XC のほかにも、スノーシューという雪の上を歩くための靴?とか、 エッジのついたテレマークスキーとか、Fischer の Revolution という1mもな い(80cmくらいだったか?)XCスキーがあります。荷物にさえならなければこう いうのを持っていって野山を好き勝手に歩き回るのも良いですね。あとは、やっ ぱり、日本の伝統にしたがって、かんじき?(笑い)。 美瑛の丘、摩周岳登山道、知床…全部良かったなあ。どうやって説明すれば いいんだろう?(^.^)網走流氷の丘 YH で能取湖にクロカンツアーを出すらしい けど、運が良ければ流氷に遊ぶアザラシがみられるかもしれません。網走湖に ゴマフアザラシが来ていた年もありました。 一押しは「美瑛」です。本当に白一色の世界を味わえます。とくに、空が青 く晴れたとき、夕暮れ時、日が沈んでから30分くらいはそれはもう美しい限り です。夏なら作物があっていけない「本当の」丘のてっぺんにも行けます。YH や民宿で XC スキーを貸してくれるところも多いですし、ぜひどうぞ。 あと、知床の自然センターでもスキーを貸してくれて、乙女の涙あたりへ行 けます。私は斜里の YH のツアーで連れていってもらいましたが、岩尾別 YH でもツアーをやっているようです。流氷を見下ろすことができます。 3.1.2. 山スキーとは 前述のようにクロカンスキーが「スキーをはいたハイキング」であるとすれ ば、山スキーというのは「スキーをはいた冬山登山」です。整備されたコース や美瑛の丘のようななだらかな丘陵地帯を歩くクロスカントリースキーが北海 道では盛んですが、もちろん山スキーも盛んに行われています。北海道の山ス キーのフィールドは、札幌近郊の山々、ニセコ、大雪・十勝連峰が有名ですが、 基本的に山が雪に覆われてしまえばどこでも山スキーのフィールドです。夏に は深いハイマツやクマザサに阻まれて行きづらいようなところでも、雪が覆っ てしまえば比較的容易に踏み込むことができます。 かかとの上がるビンディングの付いた板(山スキーもしくはテレマーク)に滑 り止めのシールを貼って、例えば手稲山のように住宅街の横からでも山スキー に出かけられます。もちろん春の残雪期であればゲレンデの板を担いでの山ス キーもできます。上手な人であればクロカンの板でも可能でしょう。 ただし基本的に山スキーは冬山が舞台です。クロスカントリースキーではそ れほど厳しくない地形かコースがある程度整備されているところや、例えば天 候が急変しても安全な場所に確実に避難できるところに行きます。しかし、山 スキーではそうはいきません。地図やコンパス、非常食、ツエルトなどの装備 や雪崩に対する知識が必要です。季節は冬ですから吹雪になって視界が無くな るということも有ります。装備を怠ったり運がなかったりすると最悪の場合は 死にます。ただし装備等の話は別途調べていただくとしてここでは詳しくは述 べません。 クロカンと違って山スキーができることを売りにした民宿やユースホステル は無いようですが、ニセコや十勝など、天候さえよければクロカンの道具で山 スキーのエリアに行くことはあるようです。基本的には個人の責任で、もしく は山岳ガイドを利用して行くことになります。 パフパフのパウダーにシュプールを付けるのは山スキーならでは。機会があ ればチャレンジしてみて下さい。 3.1.3. スノーモビル 北海道のたいていの山でスノーモビルが問題になっています。 排ガスと騒音をまき散らすうえに,キャタピラによる植生への影響もあります。 なかには,じゃまになるハイマツを鉈で伐採してたという被害まで報告されて います。 先週末(編注:2000年4月)に旭岳に登ってきましたが,山頂にスノーモビルのキャ タピラの跡が案の定ついていました。十勝岳の山頂を蹂躙している大量のスノー モビルを目撃したこともあります。もちろんどちらも国立公園特別保護地区等 に該当し,スノーモビルの乗り入れは禁止。 で,以前からスノーモビル被害の実態について情報を収集するなどの活動を行 っています。 XCスキー等で雪山を歩く機会があると思いますが,もし乗り入れ禁止区域でス ノーモビルを目撃したら,下記まで連絡しましょう。 スノーモビルそのものは目撃しなくても,キャタピラの跡や,キャタピラでハ イマツなどの植生が痛めつけられていたりしたら,できればそれを写真に収め て併せて連絡してもらえると良いと思います。 管轄を問わず24時間対応できる通報先として、 ●北海道警察本部生活経済課環境犯罪ホットライン TEL0120-147-385(フリーダイヤル) 緊急性の低い場合の情報提供先として、 ●北海道警察ホームページ http://www.police.pref.hokkaido.jp/ ●スノーモビル対策ネットワーク snow-mobile@geocities.co.jp 乗り入れ禁止区域の情報は以下のページにあります。ニセコ等の山だけでなく, サロベツ原野等も規制区域になっています。 http://www.ra.sakura.ne.jp/~kamii/regulation-1/regulation.html 3.2. 道南エリア 3.2.1. 駒ヶ岳[1-1-2] この山は活火山で、最近では 1998年10月25日に噴火が観測されています。 山スキーを計画される方は最新情報を確認して下さい。 なんといっても頂上からの眺めと大沼に向かって滑り降りるダウンヒルが魅 力です。 6 合目までの車道を車で行けるところまで行き、そこから夏道どおりに歩き 馬の背までを往復します。きつい登りですが、馬の背から見る雪をまとった剣 が峰はまるでヨーロッパアルプスのような迫力で一見の価値が有り、下りは大 沼を眼下に見下ろす滑降が楽しめます。景色は最高です。 コースとしては山を見ての通り、単純に登って滑り降りるだけです。どこま で除雪されているかによってコースタイムは大きく異なります。6合目まで車 で入れればそこから馬の背まで登りは 1時間30分程度、6合目まで除雪されて いなくてもせいぜい+1時間といったところまで車は入れます。下りの時間は人 それぞれ、ということで。 雪の状態は3月中〜下旬がベスト、それ以前ではガリガリなので止めた方が よいとのことで、その時期は晴れていればXCスキーでも登っているそうです (下りは多少苦労するでしょうが)。ただし、3月はまだ冬ですのでくれぐれも 天候にご注意を。 以前はイクサンダー大沼 YH でスキーのレンタルとツアーを出していたので すが、イクサンダーYHは1998年をもって無くなりました。なお、サブPさんが 「イクサンダー大沼カヌーハウス」というガイドを運営していて、そちらで引 き続きカヌーやクロカン・テレマークのガイドを受けてくれます。電話番号は ユースの時と同じです。 テレマークスキーに関しては、「アルペンスキーが2級程度の人なら1〜2回 練習すればすぐに滑れるようになる」そうですが、私はアルペンはやらない (上達しないうちに止めてしまった)ので良く分かりません。 3.2.1.1. 歩くスキーフェス 1995年 3月 5日に、森・砂原・鹿部・七飯の駒ヶ岳山麓 4 町をコースに、 「'95 駒ヶ岳ぐるっと歩くスキーフェス」がおこなわれました。コースは次の 3コースです。 (1) 6 キロ 砂原町営牧場〜砂原町掛間 (2) 30 キロ 砂原町営牧場〜鹿部ロイヤルホテル (3) 16 キロ 森町大沼カウベルビレッジ〜鹿部ロイヤルホテル 参加料は大人 2000 円、中学生以下 1000 円で、申し込みは 森町御幸町 144 、森町役場企画課 TEL: 01374-2-2181 でした。なお、次回開催については未調査です。 3.3. 道央エリア 3.3.1.ニセコ[1-2-1] 1999年4/25(日)にニセコチセヌプリでテレマーカーの集いがありました。 秀岳荘主催で、ファンレースや試乗会などが催されたそうです。 ニセコでは、以下のところでテレマークスキーのレッスンとレンタルを やってます。試してみたい方はどうぞ。楽しいですよ(^^) スキー&カヤック体験舎「ドッグパドル(DOG PADDLE)」 TEL 0136-22-6617 テレマークスキーレッスン 半日(10:00 テレマークスキーレッスン 半日(10:00〜12:00 または 13:00〜15:00) 3000円 1日(10:00〜15:00) 5000円 レンタル テレマーク用板・ブーツ 3000円/日 ニセコアドベンチャーセンター (NISEKO ADVENTURE CENTRE、NAC) TEL 0136-23-2093 テレマークスキーレッスン 2人以上 1人 3000円/半日 5000円/1日 プライベート 9000円/半日 15000円/1日 レンタル(レッスンを受ける人に限る) テレマーク用板・ブーツ 1500円/半日 2000円/日 ドッグパドルは、受講者が一人のときでも、レッスン料は一緒です。 ニセコでは有名な西田智(にしださとし)さんが、教えてくれます。 NACはニセコでラフティングを流行らせたところです。 3.3.1.1. シャクナゲ山[1-2-1] チセヌプリという小さなスキー場のリフト終点から、シャクナゲ山というピ ラミッド状のピークをテレマークスキーで往復してきました。シャクナゲ山は、 蘭越や昆布他の山麓からも見えて、形がきれいなので結構目立つ山です。リフ ト終点から1時間ほどで、頂上のピラミッド手前のシャクナゲ沼(ただし雪でそ れとは分かりませんが)に到着、そこから先はスキーを脱いで10分ぐらいの歩 きでピークに到着です。暖かい日で雪もゆるんでいたので安心して登れました。 頂上からの眺めは、アンヌプリとその向こうに羊蹄山、反対側にニセコ連峰 の山並と、壮大なものがありました。(天気が良ければ駒ケ岳まで見えます)シャ クナゲ沼までは傾斜もきつくなく、天候と雪の状態次第では(見通しが良く、 雪がゆるんでいれば)地形も複雑でないしXCスキーでも楽々行けるでしょう。 アンビシャスでも天気が良ければXCスキーで行っているそうです。また、シャ クナゲ沼の手前から右に折れてちょっと下れば神仙沼に行けますが、パノラマ ラインが既に除雪されていて(ただし一般車両はまだ通行止め)帰りに車道を歩 くのはいやだったので今回は行きませんでした。(注)時期はGWの頃です。 3.3.1.2. 目国内岳(めくんないだけ)[1-2-1] ニセコではもう1カ所、新見温泉から目国内岳という山を同じくテレマーク スキーで往復してきました。あまり有名でない山ですが、新見温泉の露天風呂 から遠くに見えるきれいな山です。同じくテレマークスキーの同行者と2人で シール(スキーの裏面に貼り付ける滑り止めで、登りの時に貼り付けて下りに なったらはがす奴です)を付けて登り、二人とも経験者だったので下りもそれ ほど転んだりせず、要した時間は休憩も含めて4時間ほどで済みました。 ただ、こちらの目国内岳は斜度がきつかったり樹林帯を抜けたりしなくては ならなく、XCスキーではちょっと厳しいかなって感じです。あと、最初は林の 中を1/2万5千の地図とコンパスを頼りに進まなければなりません。私の場合は 夏に登ったことがあり、地形がある程度分かっているので迷わず行けましたが。 ちなみにこの時期のニセコは、山の上のほうはまだまだ雪があってスキーも でき(当然ゲレンデも含む)、ふもとに降りるとカタクリやミズバショウ、リュ ウキンカ等の花が咲いているという、冬と春が同居しているようでとても気に 入っており例年訪れています。結構見所は多いです。五色、新見、湯本等の温 泉も豊富にありますし。(注)時期はGWの頃です。 3.3.2. 羊蹄山[1-2-1] 2000年5月の ML 会員のレポートです。 -------------------------------------------------------------------- | 2000.5.1に羊蹄山に登りました。ゴールデンウイークの羊蹄山は山スキ | ーのメッカです。ダイナミックな下りが楽しめますが、それ相当の準備 | や注意が必要です。気温は高いですが、冬山の装備が必要です。 | | 登ったのは主人と2人。私はテレマークスキー、主人はツボ足です。 | 真狩口からの登山で、裾野を巡る道道から少し山に入った「羊蹄自然の | 家」前の駐車場に車を置いて7:00頃出発しました。他には約10パーティ | ー、30人ほどが登っていましたが、つぼ足は4人グループの1パーティー | のみで、他は全員がスキー登山(シールを貼ったり、ツボ足で板をかつ | いで登り、下りはスキー)でした。 | | まず樹林帯を登ります。冬山の危険な特徴の一つに、夏の登山道以外で | もどこでも登山道になってしまうことがあります。ここでも雪がついて | て登り下りしやすそうな斜面いたるところに足跡とスキーの跡がついて | いました。羊蹄山は円錐形の山ですから、特に下りは注意しないとまっ | たく違う方角へ下りていって道に迷う可能性があります。登りながら振 | り返ると、まさにどこにでも下りていってしまいそうです。目印に尖っ | た昆布岳と噴煙を上げる有珠山を登山道の向きと見比べながら、何度も | 振り返りながら上りました。 | | 標高が低いところでは雪に足をとられてなかなか前へ進めませんでした | が、高くなるにつれてもぐらなくなり、ジグザグの夏道と違って直登で | きるので、結局コースタイムは無雪期と同じ4時間でした。スキーヤー | は誰もアイゼンなしで登っているのですが、森林限界を超えると急斜面 | になり、アイゼンは是非ともあった方が安全です。私達は急斜面になっ | たところで10本爪のアイゼンを使用しました。天気は晴れ、青い空に雪 | 山の白が映えてとても綺麗です。洞爺湖の向こうの有珠山もテレビで見 | た通りに噴煙を上げていました。 | | 山頂からすぐに私はスキーで滑るつもりだったのですが、つぼ足の主人 | はピッケルを持っていなかったため、下りの安全を確保するため私のス | トック(簡易ピッケル付き)を1本ずつ持って、斜面が緩くなるまで私 | も歩いて下山しました。 | | やや傾斜が緩くなったところで、グリセード(尻スキーのこと。ピッケ | ルで制動をしながら、方向やスピードをコントロールする)をしました。 | 風を切って気分爽快! | | 樹林帯は傾斜がゆるすぎてグリセードは無理。主人はツボ足でまっすぐ、 | 私はスキーで蛇行しながら降り始めました。 | | …ところが、自分であれほど気を付けなきゃと思っていたのに、やはり | 降りる角度を間違えてしまい、私は主人とはぐれて30°ほど西にずれて | しまい、駐車場に降りることができませんでした。大失敗。主人は下り | 2時間ほどで14:00頃には下山しており、待てど暮らせど降りてこない | 私を捜して再び山へ入ってしまいました。私はずっと下の道道まで降り | ざるを得ず、農家に助けを求めるやら、知らせを受けて駆けつけた真狩 | 町役場の職員さんに事情を話すやら、大変なことになってしまいました。 | | 主人はまず別れた地点に戻って私のトレース(「あんなにボコボコ転ん | でるトレースは他にない」とのこと--;)を見つけ、それを辿りながら下 | りて、トレースがどんどん右へそれていることを確認し、高度計が駐車 | 場の高さになった時点で左へトラバースし、17:30、駐車場に戻ってき | ました。 | | とにかく大惨事に至らずに済んだのですが、改めて山の怖さを思い知る | 結果となりました。 -------------------------------------------------------------------- 3.4. 旭川、富良野エリア 富良野、美瑛近辺では、 - アルパインビジターセンター(富良野) - 遊び屋(富良野) - コロポックル(中富良野) - 美馬牛ガイドの山小屋(美瑛) あたりでXCスキーの案内をしているそうなので、これらの施設を訪れてみるの もいいかもしれません。(詳細情報、体験記募集中) 3.4.1. 宗谷本線を縦走「塩狩峠歩くスキー大会」[1-4-1][1-7-4] 少々古い情報ですが… (主催:JR北海道、比布町、和寒町) 期日:1994年3月6日(日) コース: Aコース 比布〜和寒(20km) Bコース 塩狩〜和寒(10km) 参加費:一般 2,000円 申し込み〆切:2月14日(月)当日消印有効 申し込み先:〒070 旭川市宮下通6丁目 JR旭川支社内 塩狩峠歩くスキー大会 事務局 TEL 0166-25-6725 今年もあるかもしれません。よろしかったら、どうぞ。 3.4.2. 美馬牛リバティYH[1-4-2] ここでは、クロスカントリースキーのツアーをやっており、夕食後のティー タイムに案内がありました。十勝岳・白金・美馬牛・北瑛の4コース用意され ていて、よほどの悪天候でない限り参加者一人から行われます。 (料金などは1997年調査) 3.4.2.1. 美瑛の丘コース・美馬牛の丘コース 各3,500円(保険込み) 詳しい地名を把握していないのですが、ペンションWeの辺りから、丘を下っ て拓真館付近へ出るのが午前中。車で拓真館へ送ってもらい、更にそこからビー フイン千代田へ送ってもらって昼食。午後はここから三愛の丘へ上りました。 景色の良い丘をのんびり巡り、レストランでお昼をとるお気楽コース。初心 者向けだと思います。他に、北瑛の丘コース、二股の丘コースを用意している そうです。 3.4.2.2. 十勝岳コース・吹上温泉コース 各4,000円(保険込み) 吹上温泉白銀荘の前を出発して、蝦夷松の原生林を抜けて十勝岳を望む雪原 に出て(曇っていて見えませんでしたが)、再び白銀荘まで帰って来るコースで す。十勝岳は望めなかったものの、新雪の積もった原生林の中を歩く楽しいコ ースでした。帰る前に吹上温泉に入浴します。 初級向けだと思います。 3.4.2.3. 崖尾根コース 十勝岳温泉凌雲閣の前を出発し、崖尾根を越えて吹上温泉白銀荘へ下るコー ス。凌雲閣のお陰で除雪が入っているために行けるコースですね。恐らく積雪 期に車で行ける道内最高地でないでしょうか。お陰で労せずして山スキーの雰 囲気を味わえます。崖尾根を越える時こそは板を外して上りますが、後は原生 林の中を下る一方の楽なコース。景色は大変素晴らしいです。帰る前に吹上温 泉に入浴します。斜度等は初心者向けでも山岳エリアなので、経験者(と同行) でない限り個人では行かない方が無難でしょう。 他に十勝岳温泉コース、十勝岳望岳台コース、白金原生林コースを用意してい るそうです。 天候によりコースは変ります。前日の夜に天気予報に基づいて仮決定をして 参加者を募り、翌朝再度天気予報を確認して最終決定します。コースは日替わ りで、連泊者が同じコースにならないよう考慮してくれます。2回目の参加は 200円引き、3回目は500円引きになります。 3.4.3. 十勝岳山麓[1-4-2] 2000年5月の ML 会員のレポートです。 -------------------------------------------------------------------- | クロカンの本に載っていたコースです。吹上温泉白銀荘から出発して左方向 | に高巻きにトラバースし、小さな尾根と沢をいくつか越えながら、途中、九 | 条武子の句碑を経由し、望岳台の尾根に出たら一気に滑り降ります。長い滑 | 降を楽しみたい人は、句碑の通過後は登り気味にトラバースして尾根の上部 | に出るようにします。望岳台から白銀荘へは冬期閉鎖の車道づたいに戻りま | す。全行程2〜3時間。 | | 2000.5.3: | 朝6時に白銀荘を出発しました。駐車場から一歩踏み出すと銀世界です。装 | 備は二人とも板幅6cmの一般的なクロカン。地図は1枚、磁石は1つで、高度 | 計だけ2人それぞれが持っています。天気は晴れていますが、山の稜線だけ | 雲が湧き上がっており、山から吹き降ろす風は強烈でした。道標の赤テープ | の類はたまに見つかる程度で、とても辿って進めるような間隔ではありませ | ん。少しの間森林で、そのあとは見通しのきく雪原になりました。でも尾根 | にはハイマツや岩が所々に顔を出しており、沢には既に水が流れている所も | あります。地図、磁石が1つしかないため、2人ではぐれないように、少し進 | んでは地図と高度計で自分達の位置を確認しながら「次はあの尖った岩まで | 行ってみよう」というふうに慎重に慎重に進んでいきました。 | | 運良く九条武子の歌碑が見つかりました。ホント「運良く」という表現がぴ | ったりです。遠くから見ると他の岩より何となく長方形っぽいかなあ、とい | う程度。とにかくここを経由して同じ調子で気持ち登り気味にトラバースを | 続けました。 | | 左下に望岳台の駐車場と建物が見えてきました。でも、細かい尾根がいくつ | もあって、滑る尾根を間違えると沢にはまってしまいそうです。岩がゴロゴ | ロしている尾根もあります。「これが正解かな」と尾根を決めて、あとはス | イースイーと気分爽快の滑りです。ノーエッジの板の主人はやや苦労気味。 | ハーフエッジの私は転んでは起きあがる主人を待ちつつ、見失わないように | 注意です。(ここに来るまでに私はハイマツを踏み抜いて沢に落ちそうにな | ってしまったので、これでおあいこ。) | | 望岳台からは歩いて戻るだけ。道路はところどころ雪が溶けているものの、 | クロカン履いたままで十分です。ワインディングしているので、てきとー | に両脇の樹林帯を通ったりしながら、ハイキング気分。 | | 白銀荘に戻ったのは8時少しすぎ。 | これから登るぞー、という人ばかりでした。(みんなテレマークやボード) | | こちらが通ったコースは十勝岳温泉-安政火口往復などと並んで、歩くスキ | ー向けのコースです。登りすぎず(斜度が急になって降りられなくなる)、 | 下りすぎず(沢が深くなって危険)に、トラバースすれば大丈夫ですが、視 | 界が悪い時などはルートファインディングできる技量が必要でしょう。 -------------------------------------------------------------------- 3.4.4. おかせん里[1-4-2] この宿でもクロスカントリースキーを借りることができます。以下に、1995 年の1月にクロスカントリースキーをされた方の様子を紹介します。 -------------------------------------------------------------------- | 出発したのは9時過ぎ。オーナーに「スキーを蹴るようにするんだ」と教え | てもらったけど、足どりはまるで覚えたてのタッチタイピングのようにぎこ | ちない。もらった地図を見ながら、まずは美馬牛の駅前を南下し、国道237 | 号方向へ進む。いきなり登り坂のあとに急な下り坂。「坂は足をハの字にし | てスキーを立てるとボーゲンみたいになって少しは止まるよ」とのオーナー | の言葉通りやってみるが、見事にコケる。ここでスキーにはひざの力が必要 | なのを痛感する。結局2回ほどコケて、国道に着く。スキーを外して国道を | 渡ると、また登り坂だ。やっとの思いで登り切ると、なんとさっきの坂より | も急で長い下りが待っていた。地図を見ると「ジェットコースターの道」と | 書いてある。先に進まないわけには行かないので、ゴクリと唾を飲みこみ発 | 進。まずは順調に加速し…が、すぐに制御不能なスピードになる。必死にス | キーをハの字にするがスピードは落ちずバランスを崩してコケる。「どうし | ても止まらない時は尻もちをついてコケるといいよ」とオーナーは教えてく | れたけど、そんな余裕はなく派手に前に倒れる。しかし、「痛ぇ」などとい | う間もなく再スタート。今度はハの字の減速が効いてなかなかいい具合だ。 | 「ま、運動神経は人並以上にはあるからな」と優越感に浸っていたら、いつ | の間にか左に曲がり、道の端に積んであった雪山に激突。左右のバランスが | 悪かったようだ。そんなこんなで4、5回コケてようやく下まで降りる。 | 舗装道路の上を滑べっているだけでは面白くないので、丘の上に行ってみよ | うと思う。道から畑の方へ入ってみたが、行きなり数十センチ埋もれる。勾 | 配がきつく、まっすぐには進めず、つづれおりに進む。何度も埋もれながら、 | ようやく丘の上にたどり着いた。苦労した甲斐があり、大変よい眺めだ。誰 | もいないところで奇麗な景色を見るのは本当に気持ちがいい。しばらくぼーっ | として、12時のサイレンを聞いて戻る。帰りはさすがに慣れたのだろうか、 | コケなかった(コケそうにはなったけど)。 -------------------------------------------------------------------- 3.5. 十勝エリア 3.5.1. 然別湖、東雲湖[1-5-4] 凍結した然別湖の上をクロカンスキーで歩けます。さらに足を伸ばせば、夏 には行きにくい東雲湖まで容易に行き着けます。湖とは言っても、完全に凍結 して真っ白な雪原になっています。東雲湖を過ぎて更に斜面を登ると十勝平野 が一望できます。天気の良い日にどうぞ。然別湖畔まで戻ったら氷上露天風呂 が待ってます。詳しくは[2-1-1]を参照してください。 スキーは湖畔にレンタルがありますし、新得駅前のサホロ YH に泊まるなら、 こちらでも貸してくれます。YH の方が少し安いようです。 冬期は、帯広駅・新得駅〜然別湖のバスがいずれも無料になります。行きは 然別湖で降りれば無料、帰りは2軒ある然別湖畔のホテルで「バス券下さい」 と言えば宿泊客でなくても無料券を発行してくれます。[1-5-4]も参照してく ださい。(1998年2月調査) 3.5.2十勝川[1-5-4] ML 会員 H さんからの報告です。 -------------------------------------------------------------------- | 池田市街から豊頃のハルニレの木まで、十勝川沿いにクロカンで行って来ま | した。 | | [コース] | 池田市街(帯広からの国道が利別川を渡る地点)の右岸から約5キロ下流の道 | 道の橋を渡って左岸へ(この辺で十勝川に合流)。そのまま約10キロひたすら河 | 川敷ないし堤防の土手を下流へ。豊頃大橋(だったけ?ハルニレそばの国道の橋) | と藻岩橋(ハルニレ直近の道道の橋)は道路横断せず橋桁の下の河川敷を通過。 | 藻岩橋からさらに約1キロでハルニレ到着。ハルニレから約2キロで根室本線豊 | 頃駅到着。 | | 板をはずしたのは、道道の橋を渡る時と豊頃駅へ向かう途中の国道に出てか | らの約1キロの2回。 | | [コースタイム] | 出発 10:10 | ハルニレ到着 14:40 (途中休憩数回、計約20分) | ハルニレ出発 15:50 | 豊頃駅到着 16:25 | | | [注意] | 川沿いにひたすら下流へ向かうので、全体としては下りなのですが、ほぼ平 | 坦です。約16キロ(地図でアバウトに15キロ超20キロ未満)、長いです。トイレ | と電話は最後の豊頃駅までありません。ハルニレの木のそばの堤防に「はるに | れ」という河川防災に関する展示施設兼休憩スペースがありますが、閉鎖され | ており、トイレも閉鎖されています。エスケープルートもありません。途中の | 鉄道駅は十弗しかありませんし、それも河川敷から数十分かかります。また、 | 根室本線も1〜2時間に1本と本数が少ないです。 | | 日没は16:00頃でしたが、陽が傾き始める15:30ぐらいから急に気温が下がり | はじめました。豊頃駅に着いた時はほとんど真っ暗でした。 | | 右岸から出発して左岸に渡ったのは、途中比較的大きな川が合流していて河 | 川敷がカーブして回り道になるため、これを避けるためです。(右岸左岸の定 | 義があやふやなのですが、上流から下流に向かって右か左かでとりあえず定義 | しました。)地図ではこの川ぐらいしかわからなかったのですが、小さな用水 | 路がいくつかあり、そのたびに迂回したり凍っているのを確認して横断したり | しました。 | | 堤防は夏では車が走れますが、この時は藻岩橋〜ハルニレをのぞいて除雪が | 入っておらず、スキーで通行できました。正月の十勝地方はおだやかな晴天で | 雪も全く降らず、もともと河川敷や堤防は風が強いこともあり、雪面はコース | の半分ぐらいガリガリのガチガチでした。なかなか前へスキーが滑らなくて苦 | 労しました。のこり半分はスノーモービルのわだちがあり、若干の柔らかい雪 | がありましたので助かりました。 | | [見所] | 道道の橋を右岸から左岸へスキーをはずして歩いて渡っていたときのこと。 | | 足下の利別川は凍結しているのですが、気温が昼間で上がったためか、上流側 | から氷が割れはじめ、割れた氷がつぎつぎと下流の氷を押し割りながら流れて | いくのを見ることができました。TVでアラスカのユーコン川の解氷を見たこと | がありますが、それほど怒濤の勢いではなかったものの、しずしずと押し割っ | ていく様子は感動モノでした。 | | ようやくたどり着いたハルニレでは約1時間、牧草地を歩き回ったり休んだ | りしました。陽が傾くと空が赤くなり、ハルニレの黒いシルエットと映えてこ | れも感動モノでした。でも、日没まで見届けてしまうと、駅までの道が心配で | したので、日没前に切り上げました。 | | 藻岩橋とハルニレの中間の堤防に十勝川の水路を変えた説明板と昔の十勝川 | の跡が残っています。たびたび洪水を起こす十勝川を河川改修によってまっす | ぐにしたんですね。車だといつも走りすぎていた看板でした。昔の十勝川沿い | の堤防は豊頃駅へ行く道にもなっています。 | | [ひとこと] | 決して楽チンなコースではなかったです。 | | (調査:1999.1.2) -------------------------------------------------------------------- 3.5.3.糠平湖[1-5-4] ML 会員 H さんからの報告です。 -------------------------------------------------------------------- | 糠平温泉街にある東大雪自然センターでは、冬の間クロカンツアーを行って | います。各旅館、YHに案内が置いてあります。申し込みは前日21時まで。宿の | フロントを通じてもできますし、直接出向いてもいいです。 | | 料金(1998年12月30日調査) | スキー込み 2500円 | スキー持参 1500円 | 所要時間 約3時間 (9時集合) | コース 希望により決定しますが、糠平湖ないし周辺の森の散策です。 | | 引率者や車の都合があるので、10人以上の団体は苦しいと思います。 | | こちらが参加した日(1998.12.30)は「五の沢コース」でした。 | (糠平湖周辺は下流から順に沢に番号がついています。) | 参加者はYHからの6名と旅館に泊まっていた母子3名の9人。引率は自然セン | ターのスタッフ全員=2名、車2台。板持参の2名以外は初めてクロカンする人が | 5人。 | | 森の中を、動物の足跡や食べ跡、ふんなどを説明を聞きながら観察したり、 | 樹木の説明、鳥の説明など、足下を見たり空を見上げたり。湖岸にも出ました | が、風が強かった。森の中で小休止をし、センターの人が持ってきた水筒のお | 湯で紅茶やコーヒーなどを作って飲みました。コースはほとんど平坦なので、 | 誰でも無理のないコースです。それでも初心者はころんじゃうんだけど。 | | この時「エゾシカはメスでだいたい体重100キロ。これを4つ足で支えるから | 1本あたり25キロぐらいの体重がかかるんです。人間もだいたい1本の足にかか | る体重が同じだから、ほら(えぞしかの足跡を指す)ずいぶん雪にもぐるんです。 | 人間と同じですね。ネズミとかリスは、ほら(リスの足跡を指す)、軽いから全 | 然雪に足がもぐらずに歩けるんです。」という説明を聞きました。 -------------------------------------------------------------------- この周辺には鉄道跡(士幌線)があり、一部歩くことができます。 詳しくは[2-6-1]の「士幌線」をご覧下さい。 3.6. 道東エリア 3.6.1. 美幌峠[1-6-1] 美幌YHからちょっと離れていますが、車で連れていってもらって峠から尾根 をクロカンで歩くツアーがあります(ペアレントさんが変ったけどこのツアー はやってるはず)。峠から見渡す景色は凍結した屈斜路湖を含めなかなか素晴 らしいものがあります。でもある年末に行った時は湖はまだ凍結していない様 子でした。 3月にもいったことがあるのですが、その時は、車で美幌峠までいき(道路は 除雪されていた)、駐車場から、アイスバーンになった斜面をあるいて登って いわゆる峠の展望台までいきました。以前夏行ったことがあったから良かった ものの、どこに何があるのかわからないといった状態で、もし知らないと、平 気で舗道からはみ出してあるいていたかも・・・。夏は霧が出やすいらしく、 その点視界面では冬は安全でしょう。3月には、湖は大部分が凍ってたけど、 和琴半島の辺りは凍ってなかったような気がします。(記憶違いかもしれない) 3.6.2 オンネトー[1-6-1] ML 会員 K さんからの報告です。 -------------------------------------------------------------------- | 野中温泉〜オンネトーをクロカンで歩いた記録です。 | | [日時] 2/13(土) | [天候] 晴れ、強風 | [コース(時刻の記録無し)] | | 野中温泉〜オンネトー〜野中温泉 | | 前日に引き続き天候が悪い知床から、とりあえず阿寒湖方面に移動。オン | ネトーを歩いてみることにした。 | | 野中温泉に昼過ぎに到着しクロカンの板を履いて出発。道路は冬期閉鎖だ | が除雪されていてダンプカーが時折行き来している。先で何か工事している | らしい。 | 除雪されているので何の苦もない。なだらかな下り坂を 2km程でオンネトー | の湖畔に到着。 | | なにやら湖岸を工事していていったい何の工事だろうか気になる。休憩す | るにしても工事の音がうるさいので、凍結した湖面を歩いて進む。湖の上は | 風が吹き荒れている。この頃から雌阿寒岳・阿寒富士に張り付いていた雲が | 取れて、噴煙と共に姿が見えるようになってきた。 | | 湖畔で風も当たらず工事の音も聞こえない場所を選んで休憩。雌阿寒・阿 | 寒富士をぼーっと30分程眺めているうちに体が冷え切ってしまい休憩もして | いられなくなった。往路を引き返して野中温泉に到着。 -------------------------------------------------------------------- 3.6.3 ペンケトー[1-6-1] ML 会員 K さんからの報告です。 -------------------------------------------------------------------- | ペンケトーにスキーで行った記録です。 | | [準備] | | 以前にこの ML で阿寒湖〜パンケトーの林道の話題が出ていたと思うので | すが(たしか通行許可が下りなかったとか)、夏道がダメなら冬にスキーで、 | と思い立ったのが事の始まりです。 | | ちょっと前に現地を通ったときに下見をしたのですが、一番近い双湖台か | らは出だしが急斜面で無理そう。ちょっと離れた双岳台は周囲は緩やかな斜 | 面なのですが肝心のペンケトーが見えません。で、国土地理院の 1/25000地 | 図を購入してみたところ、双岳台からほぼ西に尾根に従って下っていけばペ | ンケトーに迷わず行けそうだと判断しました。 | | [日時] 2/14(日) | [天候] 晴れのち雪 | [コースタイム] | | 10:05 双岳台(標高750m) | 10:40〜11:30 ペンケトー(510m) | 12:45 双岳台(750m) | | 双岳台の駐車スペースは完全に除雪されている。スキー(テレマーク)を履 | いて出発。進路はほぼ西で、雄阿寒岳がちょうど良い目印。出だしはちょっ | と急な下りだがすぐに緩やかになる。 | 広葉樹と針葉樹の入り交じったなだらかで気持ちの良い樹林帯を西に滑り | 降りていく。尾根といってもあまり明瞭ではない。あまり左に寄りすぎると | 急斜面になるが、それさえ避ければ右に多少尾根を外しても問題なくペンケ | トーに出るはず。 | | 標高差にして半分程度を過ぎたあたりで針葉樹のみの林になるが、倒木に | よるデコボコが多くて右往左往し結構進むのが大変。見通しも悪く目印の雄 | 阿寒岳は見えないため、念のため何回か磁石で方向を確認して進んでいくと、 | 斜度が徐々に急になり、眼下にペンケトーが見えてきた。 | | 最後の急な斜面は木も多くてとても滑れそうにない。で、尾根を外して小 | さな沢に滑り込んで、最後はその沢沿いに滑り降りてペンケトーの南端に到 | 着。滑り込んだところはちょうど小川がペンケトーに流れ込んでいる地点。 | 流れは浅いため、スキーを担いで小川を歩いて横切って、ようやく湖面に出 | ることが出来た。 | | もちろん湖面には人の気配はない。広々とした真っ白な湖面が目の前に広 | がっている。エゾシカの足跡や食痕 (木の幹の皮が食べられてしまい丸裸に | なった状態) がいくつかある。聞こえてくるのは小鳥(カラ類だと思う)のさ | えずりだけ。 | コンロでお湯を沸かしてお茶を飲んでのんびり。そのうちに雲が広がって | 雪がちらついてきたので帰路についた。 | | 先ほどの小川を渡った地点でスキーにシールを貼り、往路に利用した沢は | 雪が深そうなので最初から尾根にルートを取って登り始める。途中で往路の | トレースに合流して順調に双岳台に戻った。 | | [備考] | | 途中の緩斜面までならクロカンのライトツーリングの板でも大丈夫そうで | すが、湖に降りる急斜面は無理でしょう。上がって戻るのが困難だと思いま | す。カンジキであれば湖手前の急斜面は問題なさそうです。もしくはクロカ | ン+カンジキ併用とか。 | | 今回はテレマークスキー+滑り止めに板の裏に貼り付けるシールで行きま | したが、シールのトラブルは致命的(帰路が登りなので、登れないと帰れな | くなる)なので応急処置のビニルテープ等の装備を携帯しました。あと、ス | コップ・ツエルト等のビバーク装備も念のため持っていきました。地図と磁 | 石はもちろん携帯。 | | ペンケトーからパンケトーへは、ペンケトーの北端から沢を500mほど下れ | ば良いはずですが、標高差が 70mほどあるし、沢にハマリでもしたら怖いの | でやめておきました(現地を見て判断したわけではないです)。 -------------------------------------------------------------------- 3.6.4. サロマ湖畔 YH[1-6-4] サロマ湖 何と言っても日本で2番目に広いサロマ湖は冬は広大な遊び場となります。 クロカンスキーで湖を渡ってワッカまで行き流氷の on the rock を飲んだり、 湖の上をスノーモービルで引いてもらってパラグライダーをしたり、その他氷 上でバレー、ソフト等いろいろと遊べます。そういえば廃止された湧網線の上 をクロカンで歩くコースもあったなー。 あと、クロカンじゃないけど、幌岩山登山。標高200メートルほどの山だけ ど胸まである雪をラッセルしながら登るのでとっても大変。ただし頂上から見 るサロマ湖の全景と、下山時の尻滑べり(ビニール袋を尻にしいてそりみたい にする)は楽しいです。 注)ペアレントさんの入れ換えが結構あったことに気付きました。 沖縄のほう→サロマ湖畔→小清水→美幌→松江のほうといった具合ら しいです。ペアレントさんが変ると多少イベントも変るかもしれない ですが、人さえ集まれば遊ぶことは何でもあるでしょう。 3.6.5 藻琴山[1-6-4] ML 会員 K さんからの報告です。 -------------------------------------------------------------------- | 藻琴山をスキーで登った記録です。 | | [日時] 2/11(木) | [天候] 晴れのち雪 | [コースタイム] | | 09:45 山園(標高330m) | 11:00 六合目(650m) | 11:55 銀嶺水小屋(800m) | 12:58〜13:10 藻琴山山頂(1000m) | 13:30〜14:10 銀嶺水小屋(800m) | 15:00 山園(標高330m) | | 林道の除雪終点に車を停めて、スキー(テレマーク)にシールを貼って出発。 | 快晴の空の下、林道に沿って登っていく。道の周辺はウサギやエゾシカの足 | 跡が多い。沢を挟んだ反対側の斜面を駆け登るエゾシカを見ることが出来た。 | | 3km 程進んで、林道のヘアピンカーブをショートカットしようとしたが、 | ここでシール(滑り止めにスキーの滑走面に貼るもの)が剥がれるトラブル。 | 雪を丁寧に落とし、折り返しをちょっと長くしてピンと張るようにしたとこ | ろ、どうやら問題無く貼れたようだ。 | | ショートカットして林道に戻って尾根に出ると六合目到着。夏はここまで | 車で上がれるらしく、駐車場の案内の看板がある。ここからは、国道243 側 | からの林道を上がってきた先行者のトレースを利用させてもらって、銀嶺水 | の小屋にまもなく到着。小屋の入り口にはスキーの板が立ててあるが、付近 | にはモービルも数台停まっていた。 | | 天気が下り坂なので休憩は取らずに山頂に向けて出発。山頂に向かって尾 | 根の左側の斜面にルートを取ったのだがこれが失敗の元だった。尾根に上が | る手前がガリガリの斜面で非常に難儀してしまった。尾根を乗っ越して反対 | の斜面にようやく出ると雪質も安定して進むことが出来た。山頂のこぶをつ | ぼ足で登って、標高ジャスト1000m の頂上に到着。 | | この頃になるとかなり雲が広がってきて雪もちらついてきたが、念願の屈 | 斜路湖は眼下にはっきりと見ることが出来た。 | | 寒さで長居できず頂上をすぐ後にして、銀嶺水小屋へと滑降。パウダース | ノーで気持ちよくターンも決まる。小屋で昼食。収容10人程度と小さいが、 | ストーブが設置されていて居心地の良い小屋だった。 | | その後登りのルートに忠実に下山。ルートとしては、山園登山口から尾根 | 伝いに切り開かれたルートもある (ちゃんと「国設藻琴山スキーコース」と | いう名称まで持っている) ようなのだが、途中に登り返しがあって面倒だっ | たので、元来た道を引き返した。 | | 途中の林道でエゾシカにまたも遭遇。これがどうやら若いエゾシカらしく | 警戒心が全くない。こちらが5mほどに近づいて、ようやくノソノソと逃げ出 | す始末。最初は写真を撮りまくったが、いつまでも林道に居座られたら下山 | できない。で、声をあげながら滑って近づいて追い払おうとしたのだが、な | ぜかエゾシカは決して横には逃げず林道を下っていく。 | エゾシカと付かず離れずの状態で 1kmほど下って行ったのだが、突然エゾ | シカがストップしてあやうく追突しそうになってしまった。転倒して追突は | 避けたが、下手すれば後ろ足で蹴られるところだった。あ〜ビックリ。エゾ | シカもさすがにビックリしたらしく、林道を逸れて逃げていった。 | | ハプニングもあったがその後は順調に登山口に到着。その後知床に移動して岩 | 尾別ユースホステルに宿泊。疲れていたため21:00頃には寝てしまった。 | | 全般的になだらかなので、うろこの付いたクロカンのライトツーリングの | 板でも小屋までなら楽に、慣れた人なら頂上までも行けそうです。 -------------------------------------------------------------------- 3.6.6. 岩尾別 YH[1-6-5] 以前は冬期閉鎖していました。1994年から道路の除雪が YH 前まで入るよう になって2〜3月に耐寒ツアーの営業をするようになりました。更に1998年年末 からは冬の営業期間が12月24日頃からに変わり、クリスマスや年越しの時期も 宿泊できるようになりました。 流氷の時期には、近くの岩尾別海岸までスキーで出かけ、適当な大きさの流 氷のかたまりを拾ってきて、中にロウソクを灯してミーティングを行ないます。 ロウソクの灯が流氷に映えて幻想的な美しさです。 昼間はいくつか用意されたクロカンスキーツアーの中から好きなものに参加 できます。クロカンスキー以外にカンジキも用意されていますので、好きな方 で遊べます。また、スキー持参の人はツアー料金が割引になるようです。 ツアーのいくつかを紹介します。 一日コース(3,800円 引率・昼食・スキーレンタル付 1999年1月調査) ・温泉ツアー(入浴料込み) クロカンで宇登呂〜オシンコシン間の森の中を抜ける旧道(廃道)を歩き、露 天風呂に入ってきます。ミズナラやトドマツの巨木があったり、動物の足跡や 鳥の声を楽しめます。かなりの確率でエゾ鹿などの動物やキツツキの仲間のア カゲラやクマゲラ、鳥の王者オジロワシやオオワシなどの姿を見ることもでき ます。冬の原始の森は静けさの中に鳥や動物の生命を感じることのできる不思 議な空間です。 ・うだうだツアー 自然センターを出発して旧開拓地コースをクロカンで歩きます。途中、林の 中で動植物を観察したり旧開拓農家の廃屋を見たりして、広くて見晴らしのい い雪原に到着。そこでテントを張って持参のコンロで暖かいチーズフォンデュ を作ってワインを飲みながら昼食。あとは特に何をするわけでもなく、雪原の 向うに連なる真っ白な知床連山の景色を眺めてぼーっと過ごすも良し、テント で昼寝をするも良し、もちろん雪原を走り回って遊ぶも良しという極楽コース です。気に入って連日参加した人もいるそうです。:-) 半日コース(2,000円 引率・スキーレンタル付 1999年1月調査) ・乙女の涙ツアー 自然センターから乙女の涙展望台までのコースを歩きます。青く凍り付いた 滝はとても奇麗です。狭い下り坂があるのでクロカン初心者は他のコースから 始めた方が無難かもしれません。 ・開拓コース 旧開拓地コースを歩きます。こちらの方が比較的平坦です。 他にもあるようですが、すべてのツアーが毎日開催されるわけではなく、そ の日の宿泊者の希望次第で変わるようです。 また、1999年2月末からは海別岳中腹で雪中キャンプツアーを計画していると のことです。楽しみですね。 3.6.7 知床自然センター[1-6-5] 宇登呂の街から前項の岩尾別へ行くちょうど中間あたりにあります。冬期は 公共交通機関(バス)はここまでの運行となります。 ML 会員 K さんからの報告です。 -------------------------------------------------------------------- | 知床自然センター周辺をクロカンで歩いた記録です。 | | [日時] 2/12(金) | [天候] 雪 | [コース(時刻の記録無し)] | | 自然センター〜乙女の涙展望台〜灯台〜自然センター | | 知床峠往復を目的に知床自然センターに到着したが、天候は雪。峠には数 | 年前にもクロカンで往復したがその時の峠は吹雪で極寒の世界、もちろん眺 | めは全くなかった。今度は必ず好天の時と決めていたため峠は中止して自然 | センター周辺を歩くことにした。 | | 自然センターではクロカンの板やカンジキを 3時間1000円で貸し出してい | る。そのためか、かなり人が入っているようだ。 | | クロカンの板を履いて歩き始めたが、トレースは完璧でこれならカンジキ | も不要なくらい。なだらかな下りを滑り降りていくと広々とした雪原に出て | 丘に登ると展望台到着。ここまでの所要時間は15分程度。 | | 展望台からは氷結した滝(通称「乙女の涙」)と、流氷の押し寄せているオ | ホーツクの海が見渡せる。周囲の林はエゾシカの食痕だらけ。展望台でお湯 | を沸かしてお茶を飲んで休憩した後、乙女の涙を挟んで反対側にある灯台に | 移動。こちらは周囲が林で展望は良くない。引き返して雪原に出て往路に合 | 流して、自然センターへと戻った。 | | 所要時間は移動時間のみだと30分程度と行ったところだろう。 -------------------------------------------------------------------- 3.7 道北エリア 3.7.1 稚内モシリパ YH [1-7-3] ML 会員 H さんからの報告です。 -------------------------------------------------------------------- | 生まれて初めてスキー(しかもクロカン)をした思い出の地、稚内モシリパYH | を年末に再訪しました。 | | モシリパYHはできてから15年ほど経っているにもかかわらず、設備も新しく、 | とても綺麗なYHで熱心な経営がうかがえました。 | | 1986年3月に吹雪の中決行された「ホワイトライン」コースは未だに健在。 | 今回1998年12月は雪はたっぷりあるのですが「12月はYHとしての体制が整って | いないのでツアーを出すのは2〜3月」とのこと。でも、自分の道具を持ってい | るので「経験者なら大丈夫ね」と、コースを描いた絵地図(首から下げられる | ようビニールケースに入れてひもがついている)を貸してくれました。 | | まずロープウエーで稚内公園へ(片道180円、往復240円)。切符売り場の係員 | さんに氷雪の門からの車道はスキーで降りれるかどうか聞いたところ「除雪は | してないし、一般車は通行止め。でも『降りれます』とは私の立場上言えない | んだよ。転んで事故も起きてるし。」 とにかく片道切符を購入。 | | 公園にはリフト1本のスキー場があり、1回券(100円)でこのスキー場の頂上 | からスタートです。窓口で「1回券」と言ったら驚くので、「クロカンでこ | のコースを…」と絵地図を見せると、係員のおじさんは「モシリパかあ、なつ | かしいなあ。まだそのコースやってんだ」とのこと。(あとで話をしましたが、 | この人は地元yで、昔はよくYHから軽装(カッパなしのGパン)で来て、びしょぬ | れになる人がいて、スキー場の休憩所で暖をとっていたとのこと。) | | | ちなみにこのスキー場は最北端のスキー場です。 | 1日券 1200円 | 回数券 1000円(11枚) | 1回券 100円 | | 着いた頂上からトラ縄をまたいでふかふかの新雪へ踏み出します。でも風が | 強くてところどころ地面が出ていたり、カリカリのところもあったり。100年 | 記念塔、電波塔を経由して尾根道をひたすら西へ。この日は天気が良く、利尻、 | 礼文、海馬島、樺太などを眺めながら気分爽快。前回の吹雪とは大違いです。 | 夏はダート道だそうで、森を分け入るわけではなく、コースも明瞭、緩いアッ | プダウンが続きます。終点は「三角点」と称される西海岸の崖の上です。帰り | も同じ道を戻ります。スキー場手前で森林公園を降りる林間コースもあります | が、今回はスキー場へ降りました。歩行は約90分。スキー場の休憩室でお昼を | 食べ、クロカンで2本ゲレンデ遊びをし、氷雪の門(全く除雪されていないので、 | 車では行けません)を経由して下りの車道へ。わだちががちがちに凍って板の | 自由が効きにくく、また、かなりの急斜面ですので、制動して滑らないと危険 | です。 | | YH発10時、YH着15時でした。 | | (調査:1998.12.28) --------------------------------------------------------------------