[2-1-5]北海道の釣り Ver.6.00 1999.07.30 視界を過ぎる景色にはもう十分感動しましたか? 秘境の露天風呂で汗を流しましたか? 荷物の中に、なんとなく出しそびれたロッドはありませんか? 北海道の力強い生命と対話しながら、且つ今晩のおかずにもありつける(リ リース派の方、ゴメンナサイ)、釣りの魅力をちょっとだけご案内します。 著者自身、旅の合間にちょっと竿を入れてみる程度なので、あまり専門的な 釣り情報は書けません。釣りがメインの目的で渡道するアングラー、フライ マン、ルアーマンなら本州の雑誌やいろんなwebなどで相当な情報収集を されているはず。まして道内の釣り人に何をか言わんや。 で、この項では、旅の合間にちょっと糸など垂れてみたい、初心者の方向 けに、北海道の釣りの魅力をお送りします。 1.北海道ならではの釣り 「本州でいつも釣れてんだからいつものタックルで大漁に決まってるよ。 だって北海道は魚が多いもの。」と言ううらやましいアナタ。どうかそのノ ウハウを私に伝授してくださいませんか?(笑)。 そう、実はその通り。近年魚類も乱獲がたたり、資源が減少していると はいえ、まだまだ本州では信じられないような爆釣スポットがごろごろし ているのです。で、この章では北海道の釣りについて述べていますが、「ど こで、どんなタックルで、どんなサイズのどんな魚が釣れるの」という疑 問にはまったく答えていません。釣りの常識として「現地で聞いてくださ い」これしか言えないのです。 #著者も答えられなかったりして^^;) ただ、ちょっと本州の感覚とは違った、道内の釣り人の常識を紹介しま しょう。 [平盤] 平らな一枚岩が海に突き出た磯のことで、道内で有名な平盤といえば積丹 から島牧村周辺などでしょう。数々の大物が釣り上げられているだけでな く、チョイ投げではアブラコやソイ、カジカ等の根魚、遠投でそれら以外 にカレイ類。ホッケや時にアメマス、サケ等、さながら波止の五目釣りの 様相です。事実、磯といえば本州ではオジサンたちの独壇場ですが、北海 道の平盤では老若男女釣りを楽しむ光景が見られます。どこへ車で走って も防波堤ばかりの都市圏と違い、北海道では札幌の至近にこんな磯がある からでしょう。うらやましい限りです。 [昆布] 特に日高周辺ではこれが釣りの大きな障害となります。昆布の林の中に仕 掛けを叩き込まなくては釣りになりません。が、その下には大物が…。様 々な昆布対策を皆さん考えているようです。例えば、 ○昆布の下に仕掛けを到着させるための重めの錘 ○その重い仕掛けを投入するための30号クラスの竿 ○ぶっとい道糸を巻いた大型リール と、ハリスや針に至るまで、ワンランク上のものが必要です。捨て糸を使 用したり、地元の人は相当工夫しているので、事前に情報を得てから出か けましょう。ソフトルアーでの釣りならウィードレス効果の高いリグも用 意していった方が良いと思います。(テキサスリグやオフセットタイプの ジグヘッド、ラバージグ等) [気温] 当たり前ですが、冬の北海道の釣りは寒い!(笑) 春や秋でも油断すると寒いです。冬期はガイドが凍って釣りにならないこ とも多いし、海では解凍した撒き餌がまた凍っちゃったりします。川では3 月中は氷塊が流れることもあり、これまた釣りになりません。とにかく防 寒が必要ですし、冬期に北海道の海に落ちれば簡単に死ねます。ライフジ ャケットなどの装備はもちろん万全に。 2.釣り餌 河川の釣り餌は本州と同じ物が使われます。フライ、ルアーパターンはも ちろん地域、時期、スポットによって違います。以下は海釣りに良く使用 される餌です。 [イカゴロ] 〜カジカやアブラコ、ソイ等主に根魚類・ホッケ等に使用、絶大な威力を 発揮。 イカの内臓のことで、撒き餌として使われ、根気よく打ち続け、魚を寄せ ます。喰わせ餌にも使用されます。新鮮な物よりもやや腐食しかかった物 の方が喰いが良いと言う話もあります。一回の釣行で50〜100本近く持参 されるようです。 [サンマ] 〜根魚類・ホッケ・コマイ・カレイ類等に使用。 餌持ちは比較的良い方ですが、冷凍物より生の方が身持ちがよいようです。 [ソーダガツオ] 〜主に根魚類に対し使用 特にベテランの方はサンマよりもこちらを多く使う傾向にあるようです。 サンマと共に鮭釣りのタコベイトに切り身をつけたりします。 [イワムシ] 〜サケを除くほぼ全ての魚に有効 釣り餌の中では養殖がされていないため高価ですが餌持ちは最高に良く、 また喰いの方も他の餌に比べ抜群です。砂浜の岩礁に生える海草の根など から採集します。 [イソメ] 〜サケを除くほぼ全ての魚に有効 本州でもよく使われますね。遠投すると餌が切れてしまうために、塩漬け にして持ちを良くする人も多いようです。 [エラコ] 〜サケを除くほぼ全ての魚に有効 船釣りをメインに、投げ釣りで使用している人もいるようです。但し柔 らかいため餌落ちしやすく遠投には不向き。喰いはかなり良い方で万能 餌と言えるでしょう。 [ホタテのひも] -----------------釣り好きのML会員M氏のレポート------- 私は、近くに釣具店が無く、餌の入手が困難な場合、近所のスーパーで刺 身用に売っているホタテの剥き身を購入します。(大体500円前後で購入出 来ます。)剥き身であれば、必ずひもが付いてます。まず貝柱を人間様のエ サ:-)にして、余ったひもを釣り餌に出来ます。釣れる魚は、カレイ、カジ カ、ソイ、アイナメ等です。(実績有り)切れにくく、餌持ちも非常に良好 で、釣り餌としての機能も十分満たしているのではないかと思います。そし て、何しろホタテですから、イソメ等の生餌が気持ち悪くて触れないと言う 方には丁度良い釣り餌だと思います。 #貝柱の刺身を味わいながら、ひもを餌にして釣りをすると言うのもなかな かオツです。 3. 道内の主なフィールド 全道的に釣れます …ではダメですよね。^^;) 一応実績のある主なエリアだけ紹介しておきましょう。ほんの一部です。 [黄金道路周辺(広尾町)] コマイ、アブラコ(ウサギアイナメ)、カジカなどの大型が狙えます。 沖合に点在する離れ岩周辺を狙うため、周辺もかなりの荒根になっており、 太目のラインなどの根掛かり対策は必須です。また夏場(7月〜8月頃) は一面のホンダワラが海面を覆うので、暗くなってから釣り場に入ると釣 りになりません。うねりも強く、相当工夫と土地勘が必要な釣りですので、 地元の人との同行をおすすめします。 シロザケ及びカラフトマスで知られるニカンベツ川は一昨年まで河口周 辺が禁漁でしたが昨年より河口規制が8月30日までになり、解禁となりま した。エサ、ルアー、フライ共に共に楽しめ、数・型共に好調のようです。 [積丹周辺] 神恵内村のキナウシ岬、古平川、美国川、積丹川、古宇川河口、泊村のカ ブト千畳敷周辺など、全道的に有名などスポットが集中します。半島より 西に離れた島牧村周辺も大平川河口平盤周辺が人気で、海アメ他、全道一 と言える釣りのメッカです。春はソイなどの根魚やカレイをメインに魚種 も多く、積丹の磯一帯に釣り人が多く入ります。 [留萌周辺] 留萌港周辺ではカンカイ・カジカ。冬はチカ、アブラコ、コマイなど。多 少外海が荒れた時の方が釣果が上がるもようです。 [サロマ湖周辺] カレイ釣りのメッカです。民宿船長の家([1-6-4]「オホーツク沿岸」参照) では主にカレイを狙う船での早朝釣りツアーを出しています。このツアーで 初めて北海道での釣りを体験した、という人も多いようです。三里浜キャ ンプ場からカヌーやボートで釣りに出る人もいるそうです。 -------------ML会員Y氏の釣行レポート------------------ えさ :ホタテのヒモ&内臓 釣り方 :船釣り。糸に針とおもりが付いていて、それを船から垂らし、 後はひたすら餌がおいしく見えるようしゃくる。しゃくり 方により釣果に大きく差が出る。水深は、2〜5m程度。 釣果 :1時間で0〜10匹のカレイ。 その他 :浅いところで海底を見るとカレイが一面びっしり重なり合っ ています。というのはウソですが、かなりたくさんいます。 腕次第で相当釣れます。 --------------ML会員M氏の釣行レポート----------------- カジカ(15cm前後の小サイズ)も釣れます。 しゃくる時は、単調にしゃくるのではなく、時々リズムを変化させてみる と良いかと思います。あとは腕に全神経を集中させ、わずかなアタリも見 逃さずにいれば(って、これが難しいのだが)かなりの釣果が望めます。あと、 サロマ湖の他のポイントとして、栄浦の漁港があります。漁港付近の堤防 で小型のカレイが数多く釣れます。但し、漁港付近の為に漁船の出入りが 多いので、くれぐれも漁師の方に迷惑をかけない様に心掛けましょう。 [石狩川] 石狩河口橋周辺の広大な河口域は年中人の絶えない好釣り場です。カレイ 類ほか、冬季間はカンカイが好調。特に河口側ではカワガレイが、真冬で も好漁が期待できます。また、旭川から更に上流、愛別川周辺にまで溯る と、ニジマスやアメマスの大型が狙えます。 [音別川〜釧路川(道東)] 音別川、茶路川では、秋に産卵で遡上したものがまた海に戻るため3月頃 大きなアメマスが釣れます。音別川では80cm以上のアメマスを現地の人が 釣ったのをML会員が目撃しています。阿寒のポイントは、山花のあたり。 スチールヘッドが釣れるそうです。よく釣れる釧路川のポイントは、塘路 〜細岡周辺。 [渚骨川(しょこつがわ)] 滝上の町を貫いて流れる渚骨川(しょこつがわ)は、全国でも珍しいキャッチ &リリース区間が設定されている川で、積極的に虹鱒の放流事業を行って いるおかげで魚影の濃い川です。詳しい釣況は「Angler's Creak」誌にコラ ムを連載されている滝上の喫茶店「木・ララ」のマスターに尋ねてみるの が確実です。この「木・ララ」では中古ルアー/フライの販売も行ってい ます。 (1996年当時の情報)また支流のウッツ川は雪代ヤマベで定評があ ります。 [十勝川・美瑛川] 3月上旬から、十勝川なら利別川との合流点など。特にアメマスで有名な河 川です。12月も釣れています。平均サイズは40 cm前後ですが、まれに60 cm 台が釣れたりします。ボサまわりなんかを丁寧に探ってみましょう。以外 と流れが速いので、重めのルアーが有効となってきます。また4月は雪解 け水で増水することがあります。 [糠平湖] やはり冬の穴釣りでしょう。ワカサギ、チカ、キュウリといったキュウリ ウオ科の魚やカワガレイが釣れます。今年の解禁は1月15日でした。冬以 外だとブラウントラウト、ニジマス、アメマス、オショロコマ、サクラマ スが釣れます。 ワカサギ釣りの営業案内もしておきましょう。 入漁料:300円 ワカサギ釣りセット(ドリル、竿、椅子、氷すくい、餌入れ):2800円。 ドリル:2000円。 リール付き竿:600円。 練炭ストーブ:1000円。 1人用テント:1000円。 仕掛け:300から350円 餌:100から300円。 その他には氷をすくう網も必要です。 近くのサホロ湖も穴釣りが盛んです。 その他に穴釣りが有名な湖は朱鞠内湖、金山湖、大雪湖など。 [支笏湖] 美笛川のインレットなどがポイント。 サイズは小さいけれど、ニジマス、アメマスが釣れます。ヒメマス(チッ プ)釣りは98年は6/1に解禁されています。 [道北の河川] 天塩川、尻別川、猿払川などがイトウが釣れることで有名。小猫をドジョ ウ引きして大型を釣るという怖い話もあります。ニジ・アメも盛んですし、 鮭のシーズンが終わる頃から、河口では夜釣りでカンカイが釣れだします。 [知床周辺] --------------ML会員Aさんからの情報です。-------------- オショロコマを釣るためにお盆に渡道しました。十勝や富良野、摩周・道 北より断然知床が釣れること、しかしウトロの幌別川クラスの有名な河川 は下流は人が入りすぎ、ほとんど釣れず、かといって上流は熊出没のため 危険であること、などの情報をたよりに私が選んだのは、ウトロの数キロ 手前の河川上流でした。入渓し、50mほどでもう爆釣。手返しと針外しが 遅いので何匹釣れたかはちょっと恥ずかしいですが・・大きくても20cmで すが、3匹だけ持ち帰ってキャンプ場で骨までコマ酒として供養:-)。でも 、まさにこの場所から今年、熊がおりてきてバスにはねられたそうです。 鈴をガンガン鳴らして入りました。怖かったぁ…。 [斜里川水系] --------------ML会員Aさんからの情報です。--------------- 同川支流のトウエトンビ川上流に潜むオショロコマ、斜里町内下流域では アメマス/サクラマスが、清里−札弦−緑付近中流域ではヤマメ/アメマ スが、緑から緑ダム/男鹿の滝までの上流部/源流部ではヤマメ/オショ ロコマが主に釣れます。サクラマス/カラフトマス/鮭は内水面(淡水域) では禁漁魚ですので、釣ってはいけません。 4.北海道の釣魚 [アブラコ] いわゆる「アイナメ」と「ウサギアイナメ」という種類を北海道で総称して アブラコと呼びます。 ウサギアイナメは日本では北海道にしか生息してい ません。他の根魚やカレイと並び、人気があります。関西方面では「アブラ メ」、北陸で「シジュウ」東北で「ネウ」等、他にもかなり多くの地方名が あるようです。平均25〜30cmで、最大でも37〜38 cm程度と40 cmオーバーは なかなか望めませんが、北海道では時に50 cm以上の大型がヒットすること もあります。その引き味は最高。 市場ではウサギアイナメよりアイナメの方が高く売られています。 この魚はカニ等の甲殻類や小魚、魚の卵、時に貝類など、何でも食べる魚と して有名です。釣りで使用される餌としてはサンマ、ソーダガツオ、イソメ 、エラコ等が一般的です。シーズンは、日本海の石狩川以北でおおむね5月 〜7月と9月〜11月、以南で4月〜6月と9月〜12月、太平洋とオホーツク海は6 月〜11月というところです。日本海では、数や型を問わなければほぼ一年中 釣れるといえますが、太平洋は5月と12月に多少の釣果しかみられません。 [カジカ] 冬の鍋には欠かせない、北海道を代表する味覚です。 北海道のほぼ全域に分布しており、投げ釣りではポピュラーな釣魚です。最大 50 cm程度になり、でっぷりしたアンコ腹、ばかでかい口はまるでアンコウを 思わせるものがありますが、グロテスクな魚ほど美味(?)という定説の通 り、 結構な高級魚となります。50種ほど存在するカジカのうち、北海道では海のカ ジカといえば、ギスカジカ属のカジカをさすことが多いそうです。特にその中 のトゲカジカという種のカジカがもっとも美味いとされ、道内ではマカジカま たは、「そのあまりの旨さに箸で鍋の底をつつき過ぎて、鍋を壊してしまう程 だ!」という理由からナベコワシ等と呼ばれ、最大60 cmを越える超大型のカ ジカで、あまり多くは獲れません。季節は春の5月〜6月と秋から初冬の9月〜 12 月で、数型共に好漁が期待できるのは、やはり冬でしょう。 イソカジカとかゴモカジカというのはギスカジカと言う種の別名です。ただ 日本海沿岸では、ツマグロカジカのことをギスカジカと呼ぶそうなので注意が 必要です。 昔は北海道の春を告げるとされてきた魚ですが、近年浮き釣りの導入によ って真冬でも釣れることが知られてからは、投げ釣りでも冬場に狙う人が 急増した魚です。日本海側での夜釣りがメインでしょう。 [ホッケ] ホッケはマホッケと呼ばれることもあり、回遊魚です。もう一種、シマホ ッケと呼ばれるキタノホッケがあり、その名の通り体側の黒い横縞で区別 できます。キタノホッケの方が価格は上で、マホッケの約3倍はするよう です。 イカゴロをブレンドした専用の撒き餌も売られており、ファミリーにも 人気。群れに当たれば入れ食い状態になり数釣りが期待できる魚ですが、 だからといって「一体誰が食べるんだ?」というほど釣らないようにしま しょう。60 cm近くになる個体もいますが、40 cm級ならば誰にでも釣れま す。季節は11月〜翌年の春6月ごろまで。産卵期は11月下旬前後なので、 それが過ぎると俗にローソクボッケと呼ばれる痩せた魚体が多くなるので、 味を求めるなら春に釣りましょう。 [コマイ] 道内では寒海(カンカイ)と普通に呼ばれます。投げ釣りで釣れ、大きさ は平均25 cm前後ですが、12月〜2月の冬季間に釣れる大型のものはコマ イに対してオオマイと呼ばれ磯の王者と呼ばれるその強烈な引き味で北海 道の釣り人を魅了しています。 [ソイ] 道内の投げ釣りで釣れるソイ類は主に「クロソイ」「シマソイ」「ハチガラ」 「マゾイ」「ガヤ(エゾメバル)」です。本州の人にはメバルの一種だと言 った方が早いでしょう。夜の投げ釣りや電気浮きを使用した浮き釣りがポ ピュラーです。釣れる期間はかなり長いですが、6月と11月が数・型共に ベストシーズンでしょう。特に日本海側ではもう周年の釣りに変わってき た感があります。 ・クロソイ(別名ナガラゾイ) 道内の投げ釣りで釣れるソイ類としては最もポピュラーな種類です。防 波堤での穴釣り等でも結構釣れ、最大50 cm程度にまで成長します。 ・シマソイ 深場に生息しているため、主に船釣りの対象魚。鮮やかな黄色地に黒い 縦縞が2〜3本 入っており、最大身長は50 cm位だと思われます。 ・ハチガラ ムラソイが本名です。体表全体にオレンジ色の細かい斑点が見られ、強 烈な引き味に人気があります。生息域は留萌周辺までの日本海側に限ら れます。非常に美味であるにも関わらず、スーパーなどには並ばない魚 なので、ぜひ狙いたい魚です。 ・マゾイ(ソイ) 本名はキツネメバル。最大50 cmを越える大型のソイ。クロソイとの区 別がつきにくいが各鰭の先端部が青みがかった色をしているので判別で きる。また、タヌキメバルという種もいますが、なぜか「キツネ」との 区別は殆ど付かないそうです。 ・ガヤ(エゾメバル) 金色の斑点をもつ30 cm程度の小型のメバルです。昔はガヤガヤと網に たくさん入ったというのがこの名の由来ですが、近年は釣れなくなり高 級魚として扱われています。 [カレイ] 北海道で釣れる主なカレイはマガレイ、ソウハチガレイ、イシガレイ、ク ロガシラガレイなどです。マガレイが味の面で秀でているようです。前述 の4種のみここでは解説しますが、その他にも「マコガレイ」「スナガレイ」 「アサバガレイ」「ヌマガレイ」などかなりの種がありますが、著者は把 握できていません。自称「カレイにはちょっとうるさい」方がいらっしゃ いましたらぜひご一報ください。船や投げ釣りだけでなく、近年はソフト ルアーのターゲットにもなりつつあるようですね。 ・マガレイ クロガシラガレイと並び、投げ釣りではもっともポピュラーと言えるで しょう。尾鰭の付け根に黄色い帯があるのが特徴です。イソメなど本州 と同じ餌が通用しますが、大型はサンマの切り身等も使用できます。鵡 川沖などの太平洋沿岸では船釣りで5〜6月に大型が釣れるそうです。 ・ソウハチガレイ 主に船釣りの対象魚。小型が主に釣れ、その分数釣りが可能。太平洋の 噴火湾周辺が一頃のスポットでした。独特のヌメリと臭いがあります。 ・イシモチ(イシガレイ) 表(目がある方)側の皮膚に石のような堅い部分があるため、この名前 がついています。 ・クロガシラガレイ 道東地方以外でスーパーのパックに「クロガレイ(実はクロガシラとは 良く似た別種なのですが)」と表示されているものはたぶんこの種でしょ う。マガレイに匹敵する美味さです。マコガレイと呼ばれる種ととても よく似ているので判別は困難です。 [鮭/カラフトマス] シーズンが始まると主な河川の河口は釣り人で溢れかえります。もちろん 川へ遡上する鮭鱒は禁漁(ライセンスを取得すれば河川内でも釣る事が出 来る川もある)であるためですが、船釣りなら河口以上に大型が釣れるよ うです。釣り過ぎ注意。一人であまりたくさん竿を出さないように:-)。 タックルはシーバス用も流用できます。ルアーは地元の人の場合はスプ ーン+タコベイト(赤いヒラヒラ)+サバや紅イカの切り身(無くても可)で狙 ってますが、餌で狙っている人たちがチカ等の小魚を使用した泳がせ釣り でカラフトマスを狙ってますからスプーンやミノー系も充分いけるかもし れません。マスは回遊待ちの釣りなので、試練の釣りになるでしょう。 餌釣りの人たちが釣れてない時は根魚を狙う方が無難かもしれません(^^;。 8月末ごろにマス網があがる頃に標津ではサーモンダービーが開催され、 鮭の一番の釣り頃になります。そのあとすぐ鮭の定置網が入ると釣れなく なるので現地情報を確認しましょう。 最近は浮きルアー、つまり魚の回遊コースに浮きを投入、近くでハネが あった場合、スローリトリーブする仕掛けが主流のようです。 ---------------ML会員からの情報です。----------------- 標津では船からルアーで鮭釣りをさせてくれます。 受付:釣りの時期:8月中旬から(要電話確認) 船宿 : 第11豊恵丸 01538-2-2673 (今(こん)さん) タックル: 20Lbクラスのボートロッド 16-20Lbクラスのラインを150m以上巻けるスピニングリール ルアーは1ozの北海道仕様スプーンにタコベイト。釣れないときは、こ れにサンマかカツオの身餌をつけます。 魚そのものより、鮭、マスのイクラだけを狙う釣り人も多いようです。腹 を裂かれた魚体だけが無残に捨てられていく光景も見られます。釣りとい うにはあまりにも悲しいですね…。 [サクラマス] 海で釣れる4kg前後の大型は「板マス」と呼ばれ、12〜3月頃から道南 より北上し、5月連休ごろまでシーズンは続きます。マスシャクリと呼ば れる和製ルアーを使っての釣りから、最近はジグでの釣りもルアーマンの 間で流行っています。 [アメマス] 8〜9月にかけて北海道、東北の河川へ遡上し、10〜11月に産卵後に降海 するイワナのこと。北海道では全長70cm以上にも成長します。鮭の稚魚を 食べる「害魚」ともみなされているものの、ここ近年そのアメマスがフラ イ&ルアーの対象魚としてにわかに「海アメ」として脚光を浴びています。 世代の広さやその釣り方の多様さはさながら本州のバス釣りのよう。毎年 島牧村(積丹の西)で開催される「国際アメマスダービー」は来年で10年 目となり、年々道内屈指の釣りイベントとして定着しつつあります。 [‘99国際アメマスダービー概要] 開催:2月1日〜3月22日の50日間 レディース・ジュニア、一般の部でそれぞれ餌釣り、ルアー、フライ の3部門がある。 99年のグランドチャンピオンは72 cmを釣り上げています。 海での釣りはシーバスロッドや磯竿を使用した浮き釣りです。アメマスは 表層付近を回遊していることが多いため浮き下は浅めにとります。小魚や 子エビ類を捕食しているのでこれらの餌が有効でしょう。 [イトウ] 天塩川など道北の河川が、大型が釣れることで有名。幻の魚として有名で す。確かにルアー、フライで釣るのは難しいですが、釣り好きのML会員 によると、どんな餌でも食いつくようで、いったいどこが幻なんだろうと いうほどいくらでも釣れるそうです。 [オショロコマ] 道東や道北の河川上流では最もよく釣れる川魚で北海道の固有種です。ほ んのシャレ程度で車やバイクに竿を積んできた本州からの観光客が釣って 大喜びしていますが、魚肉ソーセージなど餌はなんでも釣れるそうです。 [ワカサギ] 前述の「糠平湖」で用具や釣り場の料金形態は紹介しましたね。夏で言う 「河原でバーベキュー」と同じぐらいのんびり家族や仲間で飲み食いしな がらできる釣りです。釣った魚をその場で唐揚げにする喜びは何にも代え 難いですが、くれぐれもテントを酸欠状態にしないよう、テント内の暖房 の換気は十分に。餌は赤虫がベスト。ワカサギよりひとまわり大きいのが チカですが、背鰭と腹鰭の位置関係で区別されるそうです。 5、終わりに 結局のところ、満足のいく釣果を得ようと思えば、地元の人から情報を 得なければなりません。特に海の釣りは、タックルやスポット情報など、 とにかく地元の釣り人がどんな工夫をしているのか、どんな魚が釣れるの か、おっくうがらずに聞いてみましょう。 なお、本章内で挙げた河川も含め、河川での釣りをする場合、必ず現地の 漁協へ問い合わせなどして、禁漁情報などを事前に確認してください。 道民の気さくさはすべての旅人の知るところです。釣りの知識そのもの 以上に、のんびりと釣りを楽しむ北海道の人々の気風が感じられたなら、 それはみなさんの旅の思い出にもなることでしょう。 荷物の中に、なんとなく出しそびれたロッドはありませんか? 手つかずのフィールドに、出てみませんか?