[2-2-3] 植物 Version: 6.00 $Date: 2001/06/12 08:08:52 $ UTC 1 はじめに 北海道の大きな魅力の一つに“自然”がありますが、なかでも植物については 北海道でしか見られないような種類もあり、見どころも多くあります。 以下、[2-2-3] は次のような構成になっています。 「2章 四季の花」では、読み物風にいろいろな植物の紹介をします。 北海道の四季感は本州とはまた違いますが、花の咲く時期で大きく次のように 分けています。 春 (雪溶けから5月) 初夏 (5月下旬から7月上旬) 夏 (7月上旬から8月いっぱい) 秋 (9月から雪が降るまで) 冬 (雪のある間) “いついつ行く計画だけど、どんな花が見られそうか”というような場合に便 利だと思います。 さらに季節ごとに“浜辺で”“畑”などのように分類して、いろいろな植物を 花の様子やエピソードなどと共に紹介しています。 “原生花園でがっかりしないために”とか“高山植物の覚え方とその効用”な ど役立つノウハウも満載です。 < > でくくってかかれているのは、その植物を見た日時と場所です。 「3章 花の名所一覧」は、場所別に花(植物)の紹介でデータベース風です。 “どこそこへ行ったら、いつどんな花が見られるか”というような時に御利用 下さい。 「4章 コラム・データバンク」は、「北海道の植物がわかる本」や「花の山の 紹介をしてくれる宿」など、2章と3章に書き切れなかった話題です。 それでは、どうぞ北海道の植物を満喫して下さい。 2 四季の花 2.1 春 2.1.1 林の中の湿地 【ミズバショウ】 [水芭蕉] 本州では高山でなければ見ることができず、希少価値をもとめてみんな殺到し ますが、北海道ではごくありふれた花です。道ばたにも咲いてるし、ゴミ溜め にだって咲いてます。地元の人に 「この辺でミズバショウ咲いてる所ありませんか」と聞くと、 「そこらじゅうで咲いてるよ。」などという答をよくもらいます。 場所によっては、大きな群落は観光地として整備されています。でもやっぱり 林の中なので、尾瀬のような山をバックに…なんてことはできず、どこで写真 を撮ってもさほど変わりません。 たとえば、 大沼公園、石狩浜、層雲峡の少し旭川寄りの国道沿い 網走湖、 浜頓別、礼文島の久種湖、落石岬の湿地帯 など方々にあります。道路地図などにも名所マークがついていたりします。し かし、都市近郊では開発で湿地が少なくなり、数は減っているという話も聞き ます。 花が終わったミズバショウは、黄色い芯(ここが花)の部分が緑のとげとげした バナナ状になり、次に黒〜くなってきて腐ったバナナ状になり、みっともない です。 白い部分は花びらではなく、苞(ほう)といい、がくみたいなものですが、こち らも花が終わると茶色くなってべろべろ垂れ下がり、情けないです。花が緑の とげとげバナナになる頃には、この方の残骸も消えてしまいますが、このころ になると栄養状態によっては葉が大きな楕円の形になり、名前の由来が分かり ます。 【ザゼンソウ】 [座禅草] ミズバショウの白い部分(苞(ほう))を茶色がかった黒にし、反りを内向きにし た花です。 苞を庵に見立てて、芯の部分(ここが花です)が禅僧のようにひっそりと座って いるように見えるのでこの名があります。花を仏様、苞を後背に見立てる例も あります。そういうわけで、座禅草の苞には「仏炎苞(ぶつえんほう)」という ありがたい名前がついています。ミズバショウの苞も仏炎苞と呼ばれますが、 よりそれらしく見えるのは座禅草の方だと思います。 しかし、色が地味なのと、臭いがきついので、ミズバショウのような人気があ りません。「きもちわるぅ〜い。」などと言われてしまい、可哀そうな花です。 名前の由来を聞いて、いかにもそれらしく見える花を捜してますが、なかなか 写真を撮るのは難しい。あった! と近づくと「ぐちゃ… ;_;」長靴は必需品で す。 ただし、ザゼンソウの方が湿地からやや乾き気味のところまで生えるように思 います。なぜかミズバショウと同じ場所にはほとんど咲きません。また、ミズ バショウ、ザゼンソウともサトイモ科ですが、どちらも食べられません。 根室の風蓮湖につながる温根沼林道にはザゼンソウがうじゃうじゃ咲いている そうです。こんな素晴らしい目撃談が: 温根沼大橋の直前の釧路側から落石方面につながる林道です。林道に 入って1kmくらいの林の中の道端にかなりの数がさいていました。い ままでほとんどザゼンソウを見たことがなかったので、感動でした。 苞はさわってみるとずいぶん肉厚があり、ウレタンみたいですね。 おさらい: / / \ | | ○ | ○ | |/ |/ ミズバショウ ザゼンソウ ○が花です。でも実物は少し縦長。まともなら薄い黄色。右でへろへろしてる のが苞です。ミズバショウは白、ザゼンソウは黒。 【エゾノリュウキンカ】 [蝦夷の立金花] (別名:ヤチブキ[谷地蕗]) 黄色い花です。雪解けの中に咲いていたりすると、花の黄と葉の緑、雪の白の コントラストが鮮やかです。おひたしにして食べられます。 ある民宿では、土ごと根こそぎシャベルで掘ってきて、浅い鉢に水を張って室 内に飾っていました。都会育ちには「そんなことしていいのかなあ」と思わな いでもないのですが、たくさん咲いていることですし、いいのでしょう。 7、8月には高山でも見ることができます。こちらは掘っちゃダメ! 礼文島の久種湖では、車を止めて少し奥に歩いていかないと群生している場所 には行くことができません。湿原を歩くので長靴は履いていったほうが良いと 思います。詳しい場所は星観荘のオーナーに聞いてください。 2.1.2 林の中の乾燥地 【カタクリ】 [片栗] 知らない人は知りませんが、一度知ると「GWはカタクリ!」と捜してしまいた くなる花です。万葉集にも詠まれています。 ピンクでユリみたいで、シクラメンみたいで… 調べたい方は図鑑または六花 亭の包装紙を捜して見ましょう。レモンミルクチョコレートなら、そのものず ばりの絵です。曇りだと花が閉じてしまうので注意! 次に紹介するエゾエンゴサクといつも一緒に見られます。 場所として最も有名なのは突梢山(とっしょうやま)公園でしょうか。旭川と上 川の間の国道R40号沿い、比布トンネルの真上です。男山酒造の持ってる山な ので、男山公園ともいいます。足の踏み場がないぐらい! 詳しくは[1-4-1]を どうぞ。もう一箇所、私が知っている大群落はニセコ駅前の谷底のガソリンス タンドの裏山です。ここもすごい! どこに咲いているか教えてくれた宿には、ゆわんと村、ニセコアンビシャス (以上とほ宿)、島牧YHがあります。島牧YHは誰かの作った歌を 「しまま〜きの た〜に に〜 かたく〜り の さ〜くころ〜」 とミーティングで歌います。 昔はカタクリの根っこから片栗粉をとったそうです。でも現在はジャャガイモ やサツマイモのでんぷんで代用されています。 また、若葉は食べられますが、 食べ過ぎると下痢をするそうです。(ま、何でも食べ過ぎればおなかをこわし ますが…^^;) 島牧YHの夕食で、さしみのお飾りで出てきたカタクリの花を食べてしまった人 がいましたが、何事も起こりませんでした。どんな味かな。 ここでは、ガイドメンバーからのレポートを紹介します。 民宿でおひたし(葉っぱ・茎・花全部)が出ました。ゆでた後の花は 色がだいぶ青みがかっています。味の方は,ニリンソウなどのおひた しに比べてちょっと甘みがありなかなかいけます。 肝心の? その後のおなかの調子ですが,特に変化無し。でも、民宿の 方には「これ以上食べると下痢する」と言われました。 # フキノトウの天ぷらとギョウジャニンニクが私にはやっぱりこの時 # 期では一番でした。ビールによく合う :-) 【エゾエンゴサク】 [蝦夷延胡索] ヒヤシンスを長さ5〜10cmぐらいにしたような青い花です。アジサイみたいに 土壌によって色が赤っぽかったり、咲き始めと終わりで色が微妙に変わったり もします。まれに白い花もあります。 林の中で青いじゅうたんを作っている様は、カタクリのピンクのじゅうたんに 優るとも劣らないものですが、カタクリのように1コがボン! と咲く花ではな く、小さい花がちまちまと集まっているので、人気・知名度とも負けています。 霧多布岬で見たこともあり、咲く場所はカタクリより少し広いように思います。 食べられるようですが、なぜか本州では毒草とされています。 【フクジュソウ】 [福寿草] カタクリやエゾエンゴサクと一緒に見ることができる黄色い花です。でも時期 はちょっと早く、他の2つが満開になる前に満開になります。 これは六花亭のモカホワイトチョコレートだったかな。 ヒマワリは実はお陽様にずっと顔を向けているわけではないのですが、このフ クジュソウはお陽様に顔を向けているそうです。寒い時期に咲くからでしょう か、パラボラに似た花びらで熱を一所懸命集めているんだ、と例えた方がいま した。けなげですね。一日ずっと観察しているのも楽しいかも? 【ナニワズ】 (別名:エゾオニバシリ) チンチョウゲ(沈丁花)をご存知でしょうか。あれがまっ黄色になったやつです。 ただし、木は高さ20cm程度で小さく、チンチョウゲのように一つの株にポコポ コ咲くわけではなくて、てっぺんに一つ咲きます。カタクリやエゾエンゴサク の咲く林に見られます。 名前を知らない時は「黄色いチンチョウゲだ!」とび っくりしたものです。 【エンレイソウ】 [延齢草] 黒い花です。黒い花といえばクロユリ(その名の通り黒い百合)、ザゼンソウ (ミズバショウの反転型)ぐらいしかないので、それ以外だったらエンレイソウ だと思います。大きな葉が3枚、その真ん中に直径2cmぐらいの黒い花(ではな く、実は“がく”です)。 白い花だったらシロバナエンレイソウ、少し大きい白い花だったらオオバナエ ンレイソウです。簡単ですね ^_^ カタクリの咲く林に咲いてます。夏山でも見ることができます。 【オオバナノエンレイソウ】 [大花の延齢草] エンレイソウの種類の中で、一番大きな白い花びら(3枚)を付ける、北海道で しか咲かない花です。GWに大沼の近くの雑木林の中で見ました。 そう珍しい花ではなく、道路脇の明るい雑木林(落葉樹に限る)の下に咲きます。 真っ白で清楚な感じの花です。国内最大の大群落が広尾にあるそうです。 【コジマエンレイソウ】 エンレイソウの仲間にはもうひとつ、きれいな赤い花びらをつけるコジマエン レイソウがあります。要は、オオバナノエンレイソウの花びらが赤くなった物 なのですが、変異が多く花びらの数が0〜3枚で変化します。決して散ってしま ったわけではありません :-) JR函館本線、星置〜銭函間の線路沿いの防風林でGWに咲いていました。発見し た時は感激しました! 【ニリンソウ】 [二輪草] 白いキクのような花です。茎がY型に分かれて2つ花がつきます。2つの花はち ょっと咲く時期がずれています。子孫を残すためには、一度に2つ咲かずに長 く咲いた方がいいからです。 キンポウゲ科ですが葉っぱが菊に似ています。おひたしにすると春菊みたいで おいしいです。でも同じキンポウゲ科で葉っぱがよく似ている猛毒のトリカブ トと間違えやすいのですが、花が全然違いますので山菜採りの場合は花を目安 にして注意しましょう。 【ギョウジャニンニク】 [行者大蒜] (別名:アイヌネギ) これぞ春の味覚の代表選手! ス、ス、スーッと伸びてきた葉っぱをプッチン、 プッチンと根元から摘み取るのです。たまに売っていますが、基本的に買うも のではなく、山に入って採ってくるものです。ハウス栽培物もあるようですが、 味、におい(?)では天然物が勝っているとか。 では、上川のとほ宿「ゆわんと村」におけるギョウジャニンニク採りの一部始 終を。 「どろどろになるから」ということで、各自雨カッパに身を固め、宿 で長靴を借り、オーナーとその子供2人と一緒にワゴン車で出発。着 いたのは宿からさほど遠くない急斜面のふもと。下の方にはないから、 と、とりあえずみんな中腹へよじ登る。クマザサをつかみ、木にしが みつきながら、みんなギョウジャニンニク採りたい一心。まさにギョ ウジャニンニクにもすがる思い!? 「これがギョウジャニンニクだ。」オーナーがみんなを集める。スズ ランみたいな鮮やかな緑の葉っぱだ。「根まで抜かないように。小さ い葉のも抜かないように。でも根っこに近い赤い部分が一番甘くてお いしいんだ。だからなるべく根元から折り取るように。急斜面だから 落ちないよう気をつけて。」ふむふむ。 「みなの者かかれ!」とは言わなかったが、みんな散り散りに斜面を 移動していく。ギョウジャニンニクを採っては各自のスーパーのパリ パリ袋に入れていく。無我夢中。@_@ 程なくたんまり収穫が得られ、みんな笑顔で凱旋した。:-) 宿では奥 さんが昼食のジンギスカン・パーティーの用意をしていた。連泊者が ほどほどの人数で、しかも晴天でないと野外パーティーはできない。 さっそく庭先で舌鼓み。うーーんむ美味、美味。 夜はギョウジャニンニクのギョーザ、お浸しなどなど。この香り、好 きな人も嫌いな人もたまりませんわぁ。^_^v 他に玉子に刻み込んでオムレツ、かき玉汁etc 何でもOK。しょうゆに漬けてお くと保存が効きます。でも、余り長期間漬け過ぎるとギョウジャニンニク自体 から味が抜けてしまうので、1ヶ月くらいで食べるのがちょうどよいかな? ところで、ギョウジャニンニクの葉はスズランに似ているのですが、スズラン の方には毒があるそうなので間違えないように。(牧草地の馬や牛はスズラン を食べる事はないようですが、ギョウジャニンニクを摘みに行ったら先客の鹿 に食い荒されて悔しい思いをしました) 【その他】 林の花はまだまだたくさんあります。野の花の図鑑や六花亭の包紙などに載っ てます。(あ、あんまり宣伝してもいけないかな。) 2.1.3 山を眺めて 【コブシ】 [辛夷] GWの頃、山はまだ茶色で、ほとんどの木が葉を落としたままです。そんな中で 白い花を付けている大木がひときわ目立ちます。大柄な白い花をつけるコブシ です。 葉が出るよりも先に花が咲きます。たまに白い山桜の場合もありますが、枝振 りが違うので大体見分けがつきます。 わざわざ見に行くというより、車や列車に乗れば車窓から眺めることができま す。例えば、 札樽道(並行するR5より山側なのでよく見える) 岩見沢-夕張 などで見たことがあります。 ニニウ林道(占冠-福山大橋 のとんでもないダート。国道化されるらしく、 占冠側のごく一部は舗装されている。) などではコブシの森に突入することができました。 【エゾヤマザクラ】 [蝦夷山桜] コブシが白ならエゾヤマザクラは濃いピンクの花を咲かせます。コブシより若 干遅めですが、茶色の山のところどころに白とピンクの大木か見える様はとて も綺麗です。近寄ると赤茶色の葉も一緒に出ているのがわかります。 サクラの全国標準的存在のソメイヨシノよりも早く満開になります。よく街に も植えられており、なかでも静内の桜並木(二十間道路)はかなり有名です。 1995年の5月6日には3〜5分咲きだったとのこと。 1998年の春は開花が早く、5月3日の時点で満開だったそうです。 【カラマツ】 [落葉松] 名前の通り冬に葉が落ちる松です。GWぐらいにようやく新芽が出てきます。カ ラマツ林が黄緑色に染まる様はこれまた綺麗なものです。日の当たり具合によ っては輝いているように見えます。 ところで、何とカラマツはもともと北海道にはない木だったのです。成長が早 いので、炭鉱の坑内木用や線路の枕木用として植えられたものだったそうです が、成長した時にはもうどちらの用途もなくなっていたとのこと。現在は、畑 などの防風林としての役目以外には家具用などとしてわずかに使われているそ うです。 【エゾムラサキツツジ】 [蝦夷紫躑躅](こんな字書けないよ) 街路樹の低木でよく見かけますが、実は山に自生しています。ただし、GWの時 期は山で見かけるにはまだ早いのか、1度糠平湖近辺の断崖に咲いているのを 目撃しただけです。淡い紫色の花です。 町では街路樹としても、庭先でも丁度満開でした。温根湯温泉ではエゾムラサ キツツジの公園もあるそうです。 東京でもツツジはやはり街路樹であり庭木ですが、サクラの終わった4月中〜5 月にかけて咲きます。葉が先で、花が後です。でも、北海道では、エゾムラサ キツツジが街で春真っ先に咲く花です。葉よりも先に花が開き、もちろん、サ クラよりも先に咲きます。ツツジは本州と北海道の季節感の違いを強く感じさ せてくれる花です。 2.1.4 浜辺で 【ハマボウフウ】 これも春の味覚で、砂浜に生えてるセリ科の植物です。ミツバをごっつくした 感じかな。北海道だけでもないようです。島牧YHでは前の浜辺でぶっちん、ぶ っちんとみんなで摘んで夕食で酢味噌和えにしました。うま〜 ^_^ 「海岸にマヨネーズをもって出かけて、抜いたそばから、海で(砂を)洗って、 マヨネーズつけて食べると最高です:-)」という話も。てんぷらもgood、塩漬 けにすると正月まで持つそうです。 高級食材として乱獲され、数が減っているとか。最近、豊富町では手のかかる 酪農をやめ、ハウス栽培に挑戦する農家があるようです。 2.1.5 町で 【ウメ】 [梅] 東京では梅は2月ぐらいに咲き始める春を告げる花です。次に桜が4月上旬、ツ ツジが5月です。ところが梅前線は桜前線より北上のスピードが遅いそうで、 北海道では梅と桜がほぼ同時に咲きます。ツツジも別の種類があって一緒に咲 き、いっぺんに春が来ます。 早春の花としての役割が薄いためでしょうか、あまり北海道では植えられてい るのを見ません。梅林もありませんねえ。 【ソメイヨシノ】 [染井吉野] 桜前線の本土上陸が云々、と大騒ぎしている3月下旬、北海道はまだ雪の中。 ソメイヨシノは、GWには函館あたりなら確実に満開になると思います。トラピ スチヌ修道院で緑の屋根と赤煉瓦と青空とソメイヨシノの組み合わせは綺麗で した。 札幌あたりは連休中に開花宣言が出るぐらいなので、後半ならまあまあ咲いて いると思います。円山公園の夜桜にはたくさんの人が宴会をしていましたが、 何パーセントがジンギスカンだったかは調査しませんでした ^^; ([2-3-1] 食べ物/飲み物参照) 本州に較べてずっと時期が遅いためでしょうか、もっと早咲きのエゾヤマザク ラなどに人気があるようです。 【チシマザクラ】 [千島桜] 千島桜は千島列島に咲いている桜を誰だかが持ってきて植えたそうです。初め ピンク色に咲き出し、のちに白っぽくなり、またピンクに戻るという色変わり をします。道東ではこの桜が一番ポピュラーなようです。GWの1、2週後ぐらい に根室で満開になるようです。 在住者の報告: 「清隆寺という小さなお寺の庭にあります。全部で10本まではなかっ たです。誰かが、国後島から持ってきたものだそうです。樹齢は百年 以上とか。 一般的に背が低いそうです。ここには、高さ3mほどのものもありまし たが、こういうのは珍しいということです。木の高さが低くて、横に 広がっているので木の形は「つつじ」のような雰囲気です。高さは2m くらい、半径は3mくらいというところでしょうか? 満開といっても終わりに近かったようで、白ではなくてピンク色でし た。花びらの外側のほうが薄い色で中心に向かって濃くなっていまし た。ソメイヨシノよりもずっと濃い色で、桃よりは薄い色で・・・な んとも、微妙な色合いでした。」 【シバザクラ】 [芝桜] ピンクのじゅうたんになるやつです。毎年、道内時刻表5月号の表紙は北見の 滝の上公園のシバザクラと決まっているようです。GW中は函館あたりではまあ まあ満開ですが、滝の上公園はまだ緑のじゅうたんでした;_; 「開花予想クイ ズ」などをやっていて、5m四方程度を仕切って「この中のシバザクラが咲くの はいつか?」とやっていました(5年ぐらい前)。確か4/29で、みぞれまじりでし たが、もうポチッ、ポチッと咲いていました。聞くところでは、連休明け2週 間後ぐらいが一番見頃とのことでした。 東藻琴の芝桜公園(入園料大人¥200)も有名です。1998年の春は開花が異様に 早く、4月29日時点でほぼ満開になっていました。 芝桜まつりが 5/10〜6/7 に予定されていたのですが、おそらくまつり後半に は花が残っていないのではないかと、係の方が心配していました。 2.1.6 どこででも 【フキノトウ】 [蕗の薹] 林の中、道ばた、いたる所で見ます。まだ雪が積もってても顔を出しています。 てんぷらにするとおいしいですが、食べ過ぎるとえぐくていやになります^^; いたるところ食糧が生えている… ^^;; 六花亭のホワイトチョコレートの包装紙ですね。 【ツクシ】 [土筆] 舗装された歩道を歩いていて、ふと道ばたに目をやると、メリッとアスファル トを突き破って生えているツクシをたくさん見ます。翌年も同じところに生え るのでしょうか。よく見ると突き破った跡が新しいもの(今年の穴?)と古いも の(去年以前の穴?)があるようです。 これも食べられますね。あまりおいしいとは思いませんが、季節の味覚です。 おひたしにしたり、炊き込みごはんにしたり。 【スイセン】 [水仙] 初めてGWに北海道を訪れた時、一番驚いたのがスイセンでした。天北線の車窓 から、猿仏あたりの茶色い原野で、黄色いものがぽつぽつと見えました。よ〜 く見るとスイセンでした。それまでは球根買ってきて植えるものだとばかり思 ってました。 全道的に畑のあぜに咲いていたり、駅の花壇で咲いていたりと、どこでも咲い ているように思います。しかもこのスイセン、球根で買うスイセンとは花が違 います。いわゆるラッパスイセンのイメージではなく、ラッパの部分が裂けて 花びらと入り混ざっているのです。花びらが濃い黄色、裂けたラッパが薄い黄 色です。 誰かが植えたのかなあ、と思ったりもするのですが、羽幌近辺の砂浜が一面の スイセンの群落だったことで、やっぱり野生のスイセンだと確信しました。こ の時は掘って持って帰ろうと思ったのですが、掘れども掘れども長ネギのよう な茎が続いていて、30cmは堀ったでしょうか、「野生はだてじゃないな。」と 諦めました。 2.2 初夏 【スズラン】 [鈴蘭] 1995年5月最後の土日、在住者の報告です。えりも方面の平取町より。 「国道234号線の平取町荷負から貫気別(芽生)方面へ看板が出てます。 国道からおよそ23Km、うちダートは最後の約2.5Kmでした。さて、肝心 のスズランですが、まだあまり咲いていませんでした。まだ、はっぱ の影に、小さい花がちらほら見られるていどです。それでも小さい花 の可愛らしさに無骨者のわたしでもみとれてしまいました。 (女の子を連れてくればよっかたと少し後悔しました) よく見ると蕾はたくさんありまして、現地の方のお話しでは今週末が 見ごろだろう、とのことでした。今週末から来週末にかけてスズラン 観賞会がひらかれ、スズランの販売も行われるようです。宗谷岬みた いなエンドレステープが流れてて、それだけはやめてもらいたかった です。」 1998年の報告です。 「5/17(日)に行ってきましたが、全く咲いていませんでした。今年は雪融 けが早いのでもしかしたらと思ったのですが。まだつぼみも無かったので、 見頃は一週間以上先のような気がします。」 【ライラック】 リラあるいはムラサキハシドイ(紫丁香花)ともいいます。5mくらいの木に、淡 紫色の小さな花(1cm程度)が咲きます。白や淡紅色の花もあるようです。札幌 の大通り公園にたくさん咲いてるそうです。 【アジサイ】 [紫陽花] 梅雨の花というイメージが全国的に定着しているかと思いきや、道内出身の方 からのお便りによりますと、夏に青空のもとで咲く花だったのです。 北海道に梅雨はありませんしね (^^) 【ナノハナ】 [菜の花] 油菜(アブラナ)あるいは菜種(ナタネ)ともいいます。大雪山の麓、上川町郊外 のアンガス牧場というところの菜の花畑が見事です。一面の菜の花の遠く向こ うに大雪山の山並が見えるという、絶好のロケーションです。時期は6月下旬 から年によっては7月下旬でも見られます。上川駅から車で20分ぐらいですが、 公共の交通機関は残念ながらありません。 2.3 夏 2.3.1 観光する花 【ラベンダー】 いわずと知れた紫の花。今では観光地となっていますが、もとは香料を採るた めの作物でした。合成香料に押された苦悩の時代もあったようですが、今は観 光農業として息を吹き返しました。そんなことを考えながら楽しむのもいいか もしれません。畑では富良野が最も有名ですが、あっちこっちで花壇にしてま す。(エリア[1-4-2]も参照下さい) 【ヒマワリ】 [向日葵] 本当は食用油を採るための作物だったんですけどね、近年ラベンダーに対する 対抗意識は並々ならぬものがあるような気がします。 今まで観光客が通過もしなかったような雨竜とか、比布あたりが有名ですね。 迷路作ったり、「世界のヒマワリ」なんていうコーナーもありました(1994年8 月上旬雨竜)。花びらが茶色いのとか薄い黄色のとか、いろいろあって楽しめ ました。雨竜も比布も国道沿いに看板が出るようです。連作できないので毎年 場所は変わるそうです。 ミステリー: 実は過去のメンバーの話を総合すると、 「比布のひまわりは太陽に向いていて、雨竜のひまわりは太陽に背を 向けている。」 という事実が浮かび上がったのです! この謎解きは今後の宿題にしましょう。 2.3.2 原生花園 北国特有の浜辺の湿原です。頼まれたわけでもないのに綺麗な花がいっぱい咲 きます。釧路湿原、霧多布湿原などが大規模な浜辺の湿原として有名です。 ただ、大きすぎるのか、原生花園とは銘打っていません。冷涼な気候のため、 本州では尾瀬などの標高の高い湿原でしか見られない花も結構見られます。見 頃は7月上中旬ぐらいで、いわゆる夏休みではちょっと遅めです。でも全く花 が見られないことはないです(と思います)。 【エゾカンゾウ】 [蝦夷萱草] 本州ではニッコウキスゲと呼ばれます。黄色いユリと思ってれば当たり。尾瀬 などが有名です。北海道では標高が低くても見られます。 霧多布湿原にはおにのように咲きます。特にどこに咲いてるか言い切れないほ どです。サロベツ原生花園のエゾカンゾウは、利尻山をバックによく写真にな ったりしてますが、7月中旬ぐらいですね。 もちろん、山でも見られます。 羊蹄山は登山口から歩いて4時間ぐらいかかりますが、きついけどそれだけの 価値はあります。山頂付近はお花畑になっているし、下界を見おろすまるで航 空写真を見るような眺めもあって、本当に気持ちいいです。 雨竜沼は登山口から2時間弱で行けます。「北海道の尾瀬」なんていわれてま すが、人がほとんどいない分、尾瀬よりも気に入りました。 【エゾスカシユリ】 [蝦夷透百合] これもユリですが、オレンジ色です。花びらが根元まで分かれているので「透 かし」の名があります。 【ハスカップ】 原野に自生し、40〜100cmの低木で、6月下旬にクリーム色の花が咲きます。8 月になると青紫の甘酸っぱい実をつけます(ブルーベリーに似ている)。 最近は、ジャム、ジュース、ワイン、アイスクリームにと名物化しているので 味わってみてください。 【ハマナス】 ハマナシ(浜梨)ともいい、道内の海岸沿いのあちこちで見受けられます。ショ ッキングピンクのバラです。茎には刺があります。石狩浜では6月から9月にか けて次々と開花しますが、見頃は6月下旬から7 月上旬です。石狩川と石狩湾 に挟まれた「ハマナスの丘公園」などで見られます。 マップルなどの道路地図で海岸線をたどっていくと、「ハマナス群生地」とい う名所マークがたくさんあります。「見たよ」という話は以久科、浜小清水、 ベニヤなどの各原生花園から届いています。 ハマナスの実は食べられます。見た目は少し青いプチトマトのようで、花を知 らない人が花だと思いこんだりします ^^; そのまま食べたことはありません が、よくジャムになっています。 【ヒオウギアヤメ】 [檜扇菖蒲] 紫のアヤメです。これは霧多布のあたりの「あやめが原」が有名ですね。エゾ カンゾウよりは後に咲きます。8月に原生花園に行くと紫系統の花が多いです。 遠目には地味ですが、それぞれに特徴があって綺麗です。似ている花にノハナ ショウブ(野花菖蒲)というのがあります。 **** 原生花園でがっかりしないために **** みんながよく行く時期、いわゆる夏休み(7月下旬〜8月いっぱい)は、原生花園 のお花畑はもう終わり近し。黄色いエゾカンゾウがポチッと1つ咲いているな らめっけもの、ということもあります(めそめそ)。しかし、そこでへこたれて はいけない。とるべき道は2つ。 その1: すぐ帰る 雨の場合、時間のない場合などはこれがいいでしょう。素早い諦めが肝心。 その2: 粘る 原生草原 ;_; の中で草丈の低いところを見つけたら、木道に座ってじ〜〜〜 と足元を見てみましょう。モウセンゴケがあるはずです。図鑑はドあっぷにな ってますが、実物は葉の直径5mmぐらい、緑のスプーン型に赤いねばねばした 突起がたくさん。さらによ〜〜く見れば、葉がタンポポ型に同心円に生えてい たり、虫がつかまっていたり、白い花が咲いていたりすることがわかります。 さらに座っていると、ふと気がつくのが草原 ;_; をわたる秋の風。飛び交う トンボ、ときどき飛んでる鳥の声。ぼけーとするにはいい所です。 2.3.3 礼文島 北国のため、本州では高山でしか見られない花が手軽に見られます。ただし、 見頃は6月中旬〜7月中旬と、若干夏休みには早い。8月でもまあ見られないこ とはありません。礼文島にしかない固有種もたくさんあります。おかげで心な い盗掘が後を絶たず、珍しい花は咲いている場所が非公開になってるところも あるようです。 【レブンアツモリソウ】 [礼文敦盛草] レブンアツモリソウは北海道礼文島にしか自生しておらず、絶滅のおそれのあ る野性動植物の種の保存に関する法律(種の保存法)に基づき、1994年3月1日付 で「国内希少種」として指定されました。さらに、94年5月には「道天然記念 物」に指定されました。(これを書いた人も見れなかったらしいな…) 【レブンソウ】 豆科の紫色の花でハマエンドウにも似ていますが、花が上を向いていて葉に白 い毛のようなものが生えているのが特徴です。女の子に「これがレブンソウ」 って教えてあげたら、「安直な名前ぇ」って答えられてしまった。;_; <1994. 7. 8 礼文島・桃岩展望台付近> 【レブンウスユキソウ】 [礼文薄雪草] エーデルワイスとして知られる花です。花に見える白い星型は葉で、その中央 部に数個ある玉のようなものが花です。白くなっているのは、葉の中でも苞葉 (ほうよう)と呼ばれる部分です。数個ある玉のような花のうち真中の1つが雄 花です。礼文島の林道の香深側入り口から2〜3kmにある群落(林道に案内看板 有り)の花の時期は、島内の他の場所より遅いようです。 <1994. 7. 3 礼文島・ハイジの谷(ペーターの丘)> <1997. 7.15 礼文島・礼文林道> 以上が礼文の名前がつく花です。レブンウスユキソウは北海道の他の場所でも 見られるようです。他にこんな高山植物も見られました。 【イブキトラノオ】 [伊吹虎尾] 白い「ねこじゃらし(狗尾草)」。強い風邪に吹かれながら大きく揺れて、それ でもしっかり立っている様には自然の力強さを感じるものがあります。 <1994. 7. 6 礼文島・桃岩展望台付近> 【カワラナデシコ】 [河原撫子] タカネナデシコと似ているが、カワラナデシコの方が萼(がく)が長い(3cm程)。 北海道のものは、花弁の形状の違い(?)でエゾカワラナデシコと区別されてい るとの話もあります。 <1994. 7. 6 礼文島・林道〜宇遠内> 【ゴゼンタチバナ】 [御前橘] 高さ10cmくらいの直立茎の先に上を向いた白い花(白いのは実は花びらではな く、総苞。花はその真ん中)をひとつ付ける。花のすぐ下に4〜6枚の葉が放射 状に付く。この花は、葉が4枚のものは花をつけず、6枚のものは花をつけると いう性質があるそうです。礼文では礼文林道から礼文滝へいく道(星観荘でい うところのハイジコース)、利尻では利尻岳の8号目以上で多く目にしました。 一言でイメージすればドクダミをかわいくしたような… <1994. 7. 6 礼文島・林道〜宇遠内> 【チシマフウロ】 [千島風露] 直径2cmくらいの薄紫の花が茎の先端に四方を向くように付いています。パラ ボラアンテナをたくさんつけた電波塔のようで、目立ちます。 <1994. 7. 8 礼文島・桃岩展望台付近> 2.3.4 湿原 湿原と一口に言っても、発達段階に応じて、 ● 低層湿原 = 水面が見えるような状態 ● 高層湿原 = ミズゴケなどが成長して水面より高くなり水面が隠れた状態 ● 中間湿原 = 低層湿原と高層湿原の中間の状態 と分類されます。 つまり、水面よりも地面の方が高いか低いかが「高層」「低層」の違いです。 釧路湿原は大規模な低層湿原(中間・高層両湿原もわずかに分布する)として有 名ですので、エリア [1-6-2]も参考にしてください。 この他に、尾瀬などのように山の中にある湿原で主なものに ● 神仙沼(ニセコ) [1-2-1] ● 雨竜沼湿原(雨竜) [1-2-4] ● 沼の原(大雪山) [1-4-1] ● 浮島湿原(上川から北) [1-4-1] ● 松山湿原(美深) [1-7-4] などがあります。歩かないと行けないもの、大駐車場があるものなどさまざま です。 【ワタスゲ】 [綿菅] 早い話が耳かきです。すごく地味な花は観光客が押し寄せる前に咲き、人で賑 わう頃は直立した緑の茎にタンポポ同様の耳かき状綿毛をつけます。原生花園 でも見られます。 湿った所を好むのですが、大雪山の黒岳山頂から20分ぐらいお鉢の方に下った ところ(避難小屋のそば)で7月下旬頃に見たという情報もあります。また、霧 多布にはたーくさん咲いてます。(というか、見たのは花のあとなのですが ^^;) 【サワギキョウ】 [沢桔梗] 神仙沼で見ることができ、キキョウをもっと細長く小さくした感じの紫の花が たくさん付いています。神仙沼には他にコウホネやウメバチソウが同時期に咲 いてました。釧路湿原でも見られるらしいです。 【ツルコケモモ】 [蔓苔桃] カタクリの花を *うんと* 小さくしたようなピンクの花をつけます(花びらは4 枚)。赤い実がなり、食べられますが酸っぱくてあまりおいしくありませんで した(^^;。見かけはとってもおいしそうなんですがねー。原生花園にも咲いて ますが、とても小さいのでモウセンゴケ同様、じ〜〜〜と捜さないと見つかり にくい花です。花の時期は7月下旬です。 【タチギボウシ】 [立凝宝珠] 8月上旬に湿原一面に咲く花です。形はグラジオラスを小さくしたようなもの かな。薄い紫色の花を数個つけます。大雪の沼ノ原(1994.8.4)が綺麗とのこと でしたが、私は同時期の雨竜沼にいました。これまた凄い。沼の広さなら雨竜 沼、遠目に少し上から俯瞰するとダーーーーッと果てしなく紫のじゅうたんで した。花丈30〜70cmぐらいあるので、近くで見ればきっと「紫の草原」ですね。 数カ所、白いタチギボウシがかたまって咲いてました。他の花が終わってても まだ見られる、わりと遅い花です。浮島湿原でも見ることが出来ます。 【沼の中に水中から咲いてる花】 【コウホネ】 [河骨] 黄色い花です。 【ミツガシワ】[三柏] 白い花です。近寄って目を凝らして見ると、花の作 りの繊細さにびっくりします。 【ヒツジグサ】[未草] 白いスイレンです。午前中から未(ひつじ)の刻(=昼 下がり)にかけて花が開きます。 2.3.5 山 【ウスユキソウの仲間】 レブンウスユキソウで一度登場しましたが、日本国内で自生している「ウスユ キソウ」の仲間は8種類あり、それぞれ北海道から本州中部の山々に棲み分け るように分布しています。 ・礼文島の【レブンウスユキソウ】 (別名:エゾウスユキソウ) ・大雪山、東北の山の【ミヤマウスユキソウ】 ・島牧の辺りの大平山の【オオヒラウスユキソウ】 ・鳥海山の【ヒナウスユキソウ】 ・谷川岳などの【ホソバヒナウスユキソウ】 ・本州中部以北の【ミネウスユキソウ】 ・早池峰山の【ハヤチネウスユキソウ】 ・中央アルプスの【ヒメウスユキソウ】 もう1種類、 ・平地で見かける【ウスユキソウ】 もあります。この中のオオヒラウスユキソウが、スイスなどに咲く種に近いそ うです。一般に「エーデルワイス」というと、ウスユキソウの仲間全体を表す こともありますが、普通はヨーロッパアルプスに咲くもののことを指します。 いやいやハヤチネウスユキソウが一番近いんだとか、ハヤチネウスユキソウは 大雪山にもあることになってるんだとか、8種類ではなくて亜種、変種を入れ て10種類だとか、一時話題が沸騰しました。植物の分類って難しい。 【ツガザクラの仲間】 高山でよく目につく、直径5mmぐらいのコロコロした花です。たくさん咲きま す。 【エゾツガザクラ】 濃いピンク 【アオノツガザクラ】 緑っぽい白 の他、ころころの形によって何種類かあるようです。混血になりやすく、オレ ンジ、淡桃、黄などいろいろな色になります。 【シオガマの仲間】 ヒヤシンスとサルビアを足して2で割ったような、縦に長い花です。でも種類 によって短いのもあります。 【ヨツバシオガマ】 濃いピンク。一番よく見られます。 【タカネシオガマ、ミヤマシオガマ】 濃いピンク。 【キバナシオガマ】 黄色。大雪山の固有種。あった、あったと喜んでいる と、大雪山にはゴロゴロ生えてます。 【ネムロシオガマ、エゾシオガマ】 白。 礼文島、大雪山、羊蹄山、斜里岳、夕張岳、幌尻岳 etc。 【エゾコザクラ】 [蝦夷小桜] 山中の草原で咲くサクラソウの仲間です。濃いピンクの小さい可憐な花ですが 一面に咲いていることも多く、そよ風が吹くと花がいっせいに揺れて、なんだ かしあわせな気がしてしまいます。 <1991.8.2 大雪山の北海沢(北海岳と黒岳の中間)など> まれに白い花をつけることが有り、大雪山の五色が原で見ました。ピンクのじ ゅうたんに誰かがゴミを落としたのかと思いました。近寄ってビックリ。 【チングルマ】 [稚児車] 5枚の白い花びらをつけ、エゾコザクラと同様に一面に咲きます。時期はエゾ コザクラよりもちょっと早く、雪が溶けたところから順に咲いていきます。ま るで白いじゅうたんのようです。低く這うように生えていますが、これでも立 派な木なのです。散った後に白い綿状になり、盛夏に登った時にこれを見て 「なんだこれ」と思った人も多いのではないでしょうか。秋になると真っ赤に 紅葉します。 大雪山の裾合平の大群落が有名です。でも、その年の残雪の具合によって開花 時期がかなり前後するようです。 <1991.8.2 大雪山、赤岳-黒岳のあちこちで> <1994.8.1ケタ 裾合平や姿見は終わって穂になってました> 【コケモモ】 高山で見られます。つりがね状のピンクの花(大きさ8mmぐらい)をつけます。 赤い実は熟すと甘酸っぱくておいしく、果実酒やジャムに適していてGOODです :-)。 花の時期は7月下旬、実のほうは9月下旬〜10月上旬です。 甘酸っぱい実は登山の疲れを忘れさせてくれますが、国立公園内で植物の採取 をしてはいけません。(^^;; 【ダイセツトリカブト】 [大雪鳥兜] 黒岳リフト終点から30分ほど山頂方面へ登ったところで見られます。トサカの ような形のドクドクしい紫の花でイカニモってかんじですが、私はあの紫が好 きです! 毒は根っこにあるそうです。 また、トリカブトには数十種あって区別しにくいです。見分け方を読んでいる と、トサカの形がどうの、葉っぱの切れ込みがこうのと書かれていますが、 「そんなことどうでもいいじゃない」と思います。 【シレトコスミレ】 知床半島だけに見られる固有種です。7月上旬〜中旬くらいに知床連山縦走路 で小さな白い花を見ることができます。 **** 高山植物の覚え方とその効用 **** 「花は咲いてたけど、名前がわからない…。」という声をよく聞きます。そこ で… ●ポイント1: YHやとほ宿のツアーに参加する。 夏はけっこうあっちこっちの宿で登山ツアーを企画します。また、ツアーと銘 打たなくても、前夜、山の案内をしてくれたりして、行きたい人が三々五々行 くというパターンもあります。こういうツアーには、花に詳しい人がいたり、 かわいい女の子がいたりするものです。こういう宿は4章で紹介してあります。 ●ポイント2: ポケット版の植物図鑑を用意する。 総じて女の子は花が好きです。しかし野郎どもは総じて花も嵐も踏み越えてし まいます。(異論、反論はあると思いますが…_o_) そこで威力を発揮するのが図鑑。花があったらさりげなく取り出して名前を調 べます。必ず人が寄ってきます。マニアックな態度ではいけません。「名前知 らないの? 有名よ。」などと言う人は無視。 あとは野となれ、山となれ。^_^ 道中花のチェックを繰り返します。同じ花も 互いにクイズしながら確認。^_^ 更につけ加えるならこんなことも効果があり ます。 ●ポイント3: よきライバルに恵まれること。 「あいつだけには負けられない。」この一言に尽きます。 ●ポイント4: 写真に撮る。 家に大きめの図鑑を持っておきます。これで撮った花をチェックするわけです が、ポケット版より載ってる花の種類が多いので、威力があります。 2.3.6 畑 【ジャガイモ】 [馬鈴薯] 北海道では長芋と勘違いされなければ「いも」で通じます。見てよし、食べて よし。美瑛、斜里、清里など、花の咲いたいも畑は綺麗なものです。男爵いも は薄赤紫色、メークインは紫の花が咲きます。この他、北海道には紅丸(べに まる)という種類があります。皮がちょっとサツマイモっぽい紫色で、平たく て小さく、花は白色です。 斜里の「じゃがいも亭」ではゆでジャガイモ、ゆでとうもろこし、ミルクのセ ットが楽しめます。3人ぐらいで頼むと洗面器みたいな器にごってりと山盛り で出てきて大満足^_^v 夏に、更別で(忠類だったかも?)「ジャガイモの花見」と称したお祭り(いろい ろなイモ料理とジャガイモから作った焼酎が振る舞われる)があったと思うの ですが、まだやってるのでしょうか? 【トウモロコシ】 [玉蜀黍] 「とうきび」と言うことが多いようです。これも景色がいいところと言えば美 瑛、斜里、清里でしょうか。波打つ丘に並ぶトウモロコシは行進しているよう にも見えます。 さて、食べるとすると「朝もぎ」(その日の朝収穫されたもの)が最高です。時 間がたつと急速においしさが落ちていきます。 秋ならまず間違いなく、朝もぎならずとも最近収穫したものが食べられるので すが、夏だと結構冷凍ものを出すところもあります。喰うぞと意気込んでかぶ りついたところが、ぐしゃ ;_; 違い: 採れたて…粒の皮が硬く、根元までとれる 冷凍 …皮が薄く、破けて中身だけ出てしまい、皮は芯に くっついて残る 世の中が平和だと、「今日から札幌大通り公園のトウモロコシが冷凍ものから 朝もいだものに変わりました。」なんてニュースが流れたりします。 【メロン】 夕張メロンがブランドものですが、よく吟味して買えば他のブランドでも何ら 遜色ありません。よいメロンの選び方は その1: 店の人によ〜く聞くこと 暇な場合、必ず買ってくれそうだと思った場合、時間をかけて よーく説明してくれました。(函館朝市にて) というわけで、形がいびつでないこと、へたがもげそう(熟れすぎ)でないこと、 はすぐに見分けがつくようになります。また、熟れ具合と色の説明も聞きなが ら、あまた居並ぶメロンを眺めていると、緑(若い)から白っぽい黄色(食べご ろ)まであるのがわかります。いつ食べたいのかにもよるので、一概に食べご ろを買えばいいわけでもありません。おしりを押して柔らかさから判断する方 法もありますが、片っ端からぎゅうぎゅう押すわけにもいかないし…^^; あまりむずかしく考えない方がいいかもしれません。産地が違っても種は同じ 物だということです。メロンは、大きく分けて身の色がだいだい色の赤肉と、 うすい緑色の青肉があり北海道の人は青肉の方がおいしいといいます。しかし、 赤肉の夕張メロンがあまりにも高価で有名なため、お土産には赤肉の方が有り 難がられます(赤いメロンはみんな夕張メロンだと思っている)。また、函館朝 市や大きなドライブインなど観光客が集まるところへは形や見栄えのいい物が 出荷されますので中身(味)は同じ(と農家の人が言っていた)でも価格は2倍以 上します。 そこで、 その2: 収穫の時期にAコープへ行くこと これが一番です。トマムのAコープで青肉小粒メロン9個(5Kg)で 1,500円で売ってたことが有りました。思わず狩勝峠の駐車場で なら1箱5,000円で売れると思いました。(^_^; ちなみに夕張メロンのシールは2種類あって、1つは真性、もう1つはまねっこ ってわけでもないそうですが、系列が違うそうです。 【テンサイ】 [甜菜] (別名:ビート) 砂糖大根ともいいます。その名の通り、砂糖(グラニューム糖)の原料となる大 根です。葉は普通の大根みたいですが、その下の地面から顔を出している白い 部分がカブみたいに丸い(直径15cmぐらい?)です。植物分類学的には、アカザ 科になります(ダイコン、カブはアブラナ科)。 おでんにしたらどんな味になるんでしょうか。 【スイカ】 [西瓜] 雷電スイカなんてのが有名ですね。ハウス栽培もしてます。この他には、皮が 真っ黒で赤肉の「でんすけスイカ」(当麻町)、「ダイナマイト・スイカ」(月 形町)なども有名です。(雷電スイカの初値: 2個8万円! 1995.6.8) 【ソバ】 [蕎麦] 幌加内より(8月中旬): 「小さい、白い、上品な花で、なかなかよろしいものがありますよ。 ほんわか、なんだか、あったかい気持ちになります。(^.^)」 2.3.8 その他 【ルピナス】 (別名:のぼりふじ) 藤の花を逆にしたような花で、色は紫、白、ピンクなどいろんな色のバリエー ションがあります。北海道に列車で入ると、函館を出て大沼公園を過ぎ、森へ 抜ける途中の線路沿いにたくさん咲いてます。あっちこっち駅の花壇とか、民 家の庭先とかでも見られます。R273の十勝三股付近は、「ルピナス街道」とし て売りだそうとしているとか。 【コウリンタンポポ】 私が行ったのは 1993.7.31?(前後しても一日)でしたが、知床横断道路を宇登 呂側からのぼっていくと、道路端にオレンジ色がかった鮮やかな赤色の花が群 生していました。野性の花ではあまりお目にかからないような鮮やかな色です。 ヨーロッパの高山が原産の帰化植物だそうです。羅臼から標津にぬける海岸沿 いの道端でも見ましたけれど、知床峠のようには群生していませんでした。 2.4 秋 2.4.1 紅葉 【サンゴ草】 サンゴ草は9月上〜中旬に色づきます。花の色は見る人によって紫・赤・紅と いう意見があります。厚岸が本場だったのですが、厚岸では海岸の埋め立てに よる海流の変化と、厚岸湖が汚染されてきたことにより、少しの群生しか残っ ていません。今では能取湖や佐呂間湖が有名です。四国(高知 and/or 香川)に も厚岸草はあるそうで、これは厚岸が捕鯨基地になっていた当時に四国の人が 持ち帰ったものだそうです。 写真を撮る時は順光だと白っぽく写ります。逆光だと深みのある赤になります。 【紅葉みどころ】 大雪の紅葉は赤・黄・緑の色とりどり、ニセコの紅葉はナナカマドの赤一色と 性格が違っていて甲乙付け難いものがあります。ニセコの紅葉の場合は車道か らも見られますし、30分ほどちょっと歩いた所にある鏡沼(アンヌプリ北側の 斜面)の紅葉もおすすめです。風がないと本当に水面が「鏡」になって向こう 岸の紅葉が水面に映し出されます。 ただし、紅葉は年によって見頃の時期は1週間ぐらい平気でずれますから、運 ・不運がつきものです。体育の日でニセコの紅葉がちょうど良かったこともあ れば、次の年の体育の日ではすっかり終わっていてガッカリ、何てこともあり ます。 大雪山に関しては [2-1-3]山を歩く で詳しく紹介しています。 【ナナカマド】 [七竈] まっ赤っ赤になる代表選手。夏でも日当たり具合などで、一枝だけ赤くなって たりします。 街路樹としても植えられています。赤い実がなりますが美味しくありません。 ところが、ごくまれに美味しい実をつけるナナカマドがあるそうで、そういっ た木には鳥も多く寄って来るそうです。本当かな? 山で紅葉するのはウラジロナナカマドです。 【カラマツ】 [落葉松] 春にも登場しましたが、秋には黄金色に染まります。これは「黄葉」ですね。 【ウラシマツツジ】 [浦島躑躅] 花は6〜7月で地味ですが、秋の高山(砂礫地)は晴れ舞台。チングルマと赤さを 競っています。一円玉を一回り小さくしたぐらいの丸い葉が赤じゅうたんを作 り、ハイマツの緑と絶妙なコントラストを作ります。こんな大雪の紅葉は9月 中下旬が見頃。初雪と前後して毎年微妙なタイミングです。また、日の出直後 に霜が降りて凍り付いた姿は可憐です。 2.4.2 収穫の畑 【ニンジン】 [人参] 言わずと知れたニンジンですが、収穫の終わった畑へ行くといろいろな形をし て転がってます。最近都会では大きさの揃った円錐形しかありませんが、ぐに ょぐにょに曲がったの、ふたまたになったのなど、面白い形のニンジンが見ら れます。 麓郷にはにんじん工場があって、洗浄→選別→箱詰め をしています。あたり の道路中ニンジンが散らばっていて、こういうのは黙って持って行っても怒ら れない、と聞いてます。断って持って行こうとすると、逆に「形のいいのを持 って行け」と言われたこともある、とのことです。 【タマネギ】 [玉葱] これも言わずと知れてます。人参と同じ時期(10月上旬)が収穫で、最初掘り出 してうねに並べ、次に1m角ぐらいの大きなかごに詰め、フォークリフトでかご を集めてどこかへ出荷します。 昨日あったかごが今日はもうきれいになくなってたり、せっせと作業は進むよ うです。麓郷をぐるぐる回ってると、一日で一通りの作業を見ることができま す。 【安い野菜をなお安く】 収穫の時期にAコープへ行くと、規格外の野菜(形が悪いだけで味は同じ)が格 安に買える、と麓郷のYH「ふらりん」で聞きました。 【リンゴ】 [林檎] リンゴは余市、仁木が有名ですね。余市、仁木界隈は北海道のフルーツ王国な のではないでしょうか。サクランボ、なし、ぶどう... (^,^) 季節になると道 沿いに露天がいっぱい。 万字(岩見沢と夕張の中間)からの報告: 「リンゴ狩りができます。真っ赤なリンゴがたわわになって風に揺れ る様子は感動ものです。(10月上旬)試食や即売もあります(安い!)。 聞いたことない種類もたくさんあります。」 春、5月の花の時期も綺麗です。(と思います_o_) 2.5 冬 【霧氷】 (むひょう) 木の水分が凍って空気と云々…という難しいことはおいといて、木にくっつい た氷の結晶です。ピシッと冷えた晴れた朝、寒い寒い吹雪の日、いろんな日に いろんな所で霧氷はできます。木だけでなく、枯れ草、雨樋なんかにも。 【凍裂】 (とうれつ) 木の水分が凍って膨らみ、幹が割れることです。 放射冷却の寒い日の夜更けから明け方に木の北側の幹が縦に割れることが多い そうです(割れやすい木の種類も教えてもらったんだけど、忘れてしまった)。 この時に「カーン!」という音がするそうですが、どなたか聞いたことある方 いらっしゃいますか。 【牧草ロール】 夏から秋にかけて牧場にころがってる巨大なロールは冬の間の家畜のエサにな ります。屋内にしまう前によく干しておかないと、発酵して火事になったりし ます。 普通、この巨大なロールは雨で栄養が流れないように巨大な黒または白色のビ ニールに包まれているのですが...緑と黒のシマシマのがあって笑ってしまっ たことがあります。牧草地に転がる巨大な「スイカ」です。(^o^) 4 花の名所一覧 ここでは花の名所とその見頃ををエリア別に紹介します。見頃は大体の目安で、 その年の気候によって前後しますのでご注意を。 また、有名な観光地にしか花が咲いていないと決めつけないで、農家の庭先、 道路、線路脇でもたくさんの花たちを見つけられます。 [1-1-1] 函館 【五稜郭】 桜(GW) 【大沼公園】 ミズバショウ(GW) 【恵山】 ツツジ(5月下〜6月上旬) [1-1-3] 松前・江差・瀬棚・奥尻島 【松前】 桜(GW) 道路が混むようです。函館側より江差側からまわった方が空いているようです。 [1-2-1] 積丹半島・ニセコ・ルスツ 【島牧】 カタクリ、シラネアオイ、ギョウジャニンニク、ニリンソウ (GW) エゾエンゴサク、ハマボウフウ 海沿いの為か、島牧のカタクリはニセコなどに比べてちょっと大きめの花をつ けます。時期はGW後半ではちょっと遅いので、できるならGW前半のほうが良い ようです。 【狩場山】 紅葉(10月10日頃) 【ニセコ駅前】 カタクリ、エゾエンゴサク、ニリンソウ(GW) 駅前から見えるガソリンスタンドの裏山です。山の斜面一面に花がいろいろな 花が咲いています。 【神仙沼】 サワギキョウ、ウメバチソウ(7月中〜下旬) 駐車場から徒歩で約10分と手軽に行ける観光地です。ここで気がついたのは吸 いがらの投げ捨てが目につくこと。たとえ消してあっても、ニコチンやタール で湿原は丸く枯れてしまいます。スモーカーのみなさん、マナーを守りましょ う。 【ニセコ連山】 紅葉(10月5日前後) アンヌプリの北西をまわる、ニセコと倶知安を結ぶ道路からみる紅葉が最高で す。イワオヌプリなどの山に登ると、なお良いです。 【羊蹄山】 エゾカンゾウ、イワギキョウ、コケモモ、エゾノツガザクラ、 イワブクロ、クルマユリなど 9合目がお花畑になっており、そこから頂上までもいろいろな花が咲いていま す。頂上からは眺めも素晴らしいです。 1〜3合目の樹林帯ではちょっと気味の悪いオオウバユリも咲いてます。 [1-2-2] 苫小牧・登別・室蘭・洞爺湖・支笏湖 【鵡川】 タンポポ(5月下旬〜6月上旬) タンポポ公園はタンポポ群生の日本一だとか。 1998年の「たんぽぽ祭り」は5/31だったそうです。 1998年5月21日に寄せられた報告です。 | 現在、「たんぽぽ公園」でセイヨウタンポポが満開になり、一面が | 黄色のじゅうたんのようになっているとのこと。今年は春先に好天 | が続いたので、例年に比べ一週間ほど早く満開になったようです。 | | 鵡川町はタンポポを町のシンボルとして、1988年からたんぽぽ公園 | で「たんぽぽフェスティバル」を開いており、今年は 5月31日午前 | 10時から開催する。昨年咲いた花ビラを砂糖づけし発酵させた「た | んぽぽリキュール」の試飲会なども予定されているそうです。 [1-2-4] 滝川・砂川・北竜 【雨竜沼】 エゾカンゾウ、ワタスゲ(7月中〜下旬) コウホネ、タチギボウシ(8月上旬) 「北海道の尾瀬」とも呼ばれる湿原です。徒歩2時間で湿原入り口。たっぷり 1日のハイキングコースです。ふもとにはキャンプ場もあります。 【北竜】 ヒマワリ(8月上旬) 連作がきかないそうで、毎年場所は変わるそうです。国道沿いに看板が出てい ます。 [1-3-1] 札幌・定山渓 【北大植物園】 珍しい花というわけではなく、バラとか一般的なものでした(8月上旬)。 【羊ケ丘】 緑の芝生^^; (綺麗っすよ。夏) 【ちざきバラ園】 バラ [1-3-2] 札幌近郊 【石狩浜】 ミズバショウ(GW) 地図(マップル)に載ってます。 [1-3-3] 小樽 【小樽(花園)公園】ツツジ(5月下〜6月上旬) ツツジは小樽の市花。二十数種、約七千本に及ぶツツジが咲き乱れます。エゾ ヤマツツジ、ヒノデツツジなど。5月下旬に「つつじまつり」が開かれます。 【長橋のなえぼ】 桜(5月中旬) 山が一面桜となり、地域住民の憩いの場となっています。桜の咲く頃になると、 長崎のなえぼの見える場所にお弁当をもって行き、5時間目もつぶしてそこで ホームルーム(な、なんという懐かしいひびき...)なんぞをやりました。 北海道で最も長い歴史を持つ苗畑で、札幌営林署小樽担当区事務所というのが 正式名称らしいです。 【中野植物園】 これといって花の記憶は無いのですが、小さい頃お弁当をもってよく遊びに行 った記憶があります。今行けば...。 ブランコやシーソーなどがあって、遊ん だ... という記憶が... (^^; 個人所有の植物園で有料だったと思います。 【手宮公園】 栗 ここは栗林の国内での北限と聞いています。今は手宮緑化植物園というのが公 園内にできていて、小樽港を見下ろせます。 [1-3-4] 小樽近郊 【仁木・余市】 果樹の花(5月中旬?) [1-4-1] 旭川・層雲峡・大雪 【突梢山】 カタクリ、エゾエンゴサク、エンレイソウ、フクジュソウ ナニワズ (以上GW) 道内一(もしかしたら日本一?)のカタクリの群生地です。白いカタクリの目撃 例もあります。が、盗掘されてしまいました。(--#) 【北邦野草苑】 カタクリ・エゾエンゴサク(GW) ここではエゾエンゴサクの群落が見事です。 【大雪山】 高山植物(7月中旬〜8月中旬:花を見るなら7月中旬ぐらい) 紅葉(9月中旬〜下旬) 間宮岳-中岳分岐の“お鉢”と呼ばれる稜線には足元に高山植物がいっぱい。 ざっと挙げても、 コマクサ、イワギキョウ、チシマギキョウ、クモマユキノシタ、 チングルマ、イワウメ、イワヒゲ、エゾツガザクラ、アオノツガザクラ、 チシマツガザクラ、エゾタカネツメクサ、ミヤマリンドウ など、砂礫地に生える高山植物は殆ど見られます。雪解けが遅いところではリ ュウキンカもあります。 ガイドメンバーの報告によると、同じ場所でも一週間違うと見られる花の種類 も違うようです。(花の命は短い!) 大雪山では他にも沼の原などの高層湿原や五色が原などのお花畑が各所にあり ます( [2-1-3]で紹介しています )。 【アンガス牧場】 菜の花(6月下旬) 大雪山をバックに一面に咲いていて見事です。 【比布】 ヒマワリ(8月上旬) 【浮島湿原】エゾカンゾウ、トキソウ、ヒツジグサ(7月中旬) タチギボウシ(8月中旬) [1-4-2] 富良野・美瑛・美馬牛・十勝岳 【中富良野・ファーム富田】ラベンダー、ハーブ、その他(7月中〜8月上旬) ラベンダー以外は毎年変わります。縞に並んだ花が綺麗。 【中富良野・日の出公園】ラベンダー(7月中〜8月上旬) 栽培面積ならここが一番大きいようです。 【美馬牛・かんのファーム】ラベンダー、その他(7月中〜8月上旬) 国道沿いにあります。ラベンダー以外は毎年変わります。パッチワークの様な 花畑が綺麗。 【深山峠】ルピナス(6月下旬〜7月上旬)、ラベンダー、その他(7月中〜8月上旬) 大雪山や、パッチワークの丘、丸太小屋など絵になる場所です。 【麓郷・ふらのジャム園】コスモス(10月上旬) ジャム(年中^^;) 【麓郷】 ニンジン、タマネギ、テンサイ、アスパラガス、ヤマブドウ 【富良野岳】 ハクサンイチゲなど高山植物(7月下旬) 【美瑛】 ジャガイモ、トウモロコシ [1-5-1] 日高 【静内】 エゾヤマザクラ(GW後半〜) 【平取】 スズラン(5月下旬〜6月?) [1-5-2] えりも岬 【アポイ岳、ピンネシリ】 高山植物(ここだけにしかない花もあります) 1998年5月7日に確認できた主な花です。 登山口〜ピンネシリ: オオバナノエンレイソウ、エゾオオサクラソウ ピンネシリ〜吉田岳〜アポイ: エゾエンゴサク、カタクリ、シラネアオイ、ミヤマキンバイ エゾキスミレ、エゾタチツボスミレ、ヒダカイワザクラ、サマニユキワリ ヒダカソウ、アポイアズマギク アポイ岳〜五合目〜山麓: ツマトリソウ、フデリンドウ、クロミウグイスカズラ [1-5-4] 十勝 【十勝三股】ルピナス(7月下旬) 【ホロカヤントウ・生花苗海浜草原(大樹町)】 【湧洞沼・長節湖(豊頃町)】 【豊北(浦幌町)】 この3箇所ではエゾカンゾウ、ハマナス、コケモモなとが見られます。 [1-6-2] 釧路、厚岸、浜中 【大楽毛原野】 原生花園の各種花(7月下旬) 大楽毛から恋問(白糠)方面にかけての海岸沿いです。原生花園としての体裁は 整えておらず、ぼうぼうしてますが「原生花園の花」が見られます。 【あやめが原】 オオバナノエンレイソウ(5月?) ヒオウギアヤメ、エゾカンゾウ(7月中下旬) 浜中-厚岸の中間です。地図(マップル)に載ってます。ヒオウギアヤメ(7月中 下旬)の他、年によってエゾカンゾウなども見られ、毎年どの花がうんと咲く かは違うそうです(「きりたっぷ里」オーナー談) [1-6-3] 根室、標津 【温根沼林道】 ザゼンソウ (GW) [1-6-4] オホーツク沿岸 【呼人】 ミズバショウ(GW) 【北見平和】 サンゴソウ (9月中旬) サロマ湖周辺はここの他にもサンゴソウがあります。 地図(マップル)に載ってます。 【北浜原生花園】 ハマナス、ハマエンドウ、エゾカンゾウ、エゾスカシユリ、 エゾカワラナデシコetc.(7月下旬) 見頃は7月上中旬ぐらいのようですが、年によっては8月でも、なんとか見るこ とができます。 【サギ沼】 ヒオウギアヤメ 湧別町から竜宮台へ行く途中にあります。パーキングなどは見当たらず、路駐 しました。遊歩道などもないみたいで、道路から眺めるしかありませんでした。 でも...ヒオウギアヤメ(だと思う)がたくさんありました。 【能取岬】 エゾスカシユリ 馬が放牧されていて、のどかでした。牧場(?)の中には入れませんが... (あ たりまえか... (^^ゞ) 放牧されているのは道産馬なので、どっしりとしてい て安心感があります。カメラを向けると、けっこうポーズをとってくれたりし ます... (^^; 草をとってあげると手から食べてくれました。(^^)そしてそこ ここにエゾスカシユリが咲いていてきれいでした。 【以久科原生花園】 ハマナス、エゾカワラナデシコ(7月中〜下旬) 小清水原生花園よりもこちらの方が花の種類が多いようです。観光バスも来な いようで、静かでゆっくりと歩けます。 [1-6-5] 知床 【羅臼岳】 高山植物 (夏) 【知床峠】 コウリンタンポポ(7月下旬) 【知床連山縦走路】 シレトコスミレをはじめとする高山植物がたくさん [1-7-2] オホーツク沿岸 【オホーツク沿岸】 ハマヒルガオ 【抜海原生花園】 ハマナスetc.(7月下旬) 規模は小さいようです。 【ベニヤ原生花園】 ハマナス、ヒオウギアヤメ、クガイソウetc (7月下旬〜8月上旬) もうちょっと早い方がもっといろいろあるようです。 【メグマ原生花園(稚内市)】 エゾカンゾウ、ヒオウギアヤメ、ノハナショウブ [1-7-3] 稚内・サロベツ・利尻・礼文 【サロベツ原生花園】ハマナス、エゾカンゾウ、ツルコケモモ(7月上旬?) モウセンゴケ (8月上旬にはこれぐらいしかない;_;) エゾリンドウ、ツリガネニンジン(8月中旬) 【礼文島】 レブンアツモリソウ(6月中旬)、 レブンウスユキ、レブンソウ、ヨツバシオガマ、 エゾカンゾウ、チシマフウロ、イブキトラノオ、ゴゼンタチバナ、 # あげたらきりないか...^^;; (7月上旬〜8月上旬) 山ではありませんが、緯度などの関係で平地でも高山植物が見られます。礼文 島にしかない花もたくさんあります。 【利尻岳】 高山植物(7月下旬) 4 コラム・データバンク 書籍の価格については、消費税の関係もあり変動している場合もあります。 【北海道の植物がわかる本】 ●「北海道の樹」 北海道大学図書刊行会, 2472円, ISBN4-8329-1032-9 ●「北海道の花(増補版)」 北海道大学図書刊行会, 2678円, ISBN4-8329-1013-2 カラー写真をふんだんに使っています。かなり詳しい本だと思うので、この方 面が好きな人は「買い」かも。「樹」の方は 350 種くらい載っていたと思い ます。 「花」の方は、黄色や白-赤といったように花の色で分類してあり、1ページに 3種類ずつ、全部で約1200 種出ています。ハイキングやそこら辺の散歩、湿原 などで見かけた花の名前が知りたいときに重宝しています。B5で持ち運びにも 便利です。 ●「北海道の高山植物」 梅澤俊, 北海道新聞社, ISBN4-89363-462-3 C0645 道端の植物がなんだったかずっと悩む事は多いので、持ってると便利ですよね。 B5 版。著者が「北海道の花(増補版)」と重複していて、「花」の方がやや新 しいようです。 ●「(改訂版) 北海道の自然ガイド」 北海道新聞社, 2060円, ISBN4-89363-538-7 植物に限らず、動物、地質など、広範囲にわたって北海道を紹介しています。 主要国道沿いを中心に、どこに行けば何が見られるかをこと細かく解説してい て、一部は地形図に場所も記入されています。要所要所にはカラー写真を使っ ています。 ●「日本の高山植物」 山と渓谷社, 4630円, ISBN4-635-09019-1 C0645 北海道に限った本ではありませんが、高山植物を知るにはもっともいい本だと 思います。高価ですがフルカラー、700ページ超で、ま、納得。科別ですので、 慣れないと捜せなくて路頭に迷います。また、ペーパーバックですので、扱い が悪いと序々に自分の重みで崩れていきます。 ●「花の高山を歩く」、 安井仁, グラフィック社, 1980円, ISBN4-7661-0856-6 C1640 これも北海道に限った本ではありません。フルカラー159ページで持ち運びに はあまり苦にならない重さ大きさだと思います。北海道の植物もけっこう載っ てました。目次のすぐ後に五十音順による索引が付いています。 ●「高山植物」山溪フィールドブックス7 木原浩, 山と溪谷社, 2000円, ISBN4-635-06047-0 C0375 P2000E 十数年前に同じ出版社からから『野外ハンドブックシリーズ8「高山植物」』 を出していた著者が新たな写真で作成。夏山登山で通過する亜高山帯の植物も 含んだ高山植物332種を紹介しています。他の図鑑類に比べ写真がきれいなのが 気に入ってます。 ●「大雪山のお花畑」 奥田實, 山と渓谷社, 1640円, ISBN4-635-02027-4 A4よりもちょっと小さいサイズです。(ナントカ変形版というやつ)奥田さんは 大雪山をメインに撮ってる写真家のようで、大雪山に花がダーッと咲いている 風景写真集でした。お花畑以外にもアップの小さい写真で花を個別に紹介して いたり、紅葉や厳冬期の写真もあります。大雪のどこでどんな花が見られるか を示したマップと、花の時期を表したグラフも巻末についています。 ●「日本列島花maps 北海道」「同 PART2」 北隆館, 各2500円, ISBN4-8326-0257-8 C0345 ハイキングや登山で訪れる花の名所を全国地域別に紹介したシリーズの1冊。 フルカラー。タイトルの通り、図鑑的要素は少ないが花の見られる場所をガイ ド形式で解説。北海道は40か所ぐらい紹介してあります。 ●「釧路湿原の花」 北海道新聞社, 2060円, ISBN4-89363-470-4 1986年初版発行。エリアを絞ったところがいい。 ●「北の森の植物たち」 朝日選書 429, 鮫島淳一郎, 1200円, ISBN4-02-259529-9 鮫島さんは「北海道の花」「北海道の樹木」の著者の1人です。本書は3部構成 で、永年研究を手掛けたエンレイソウについての解説、そして北海道の樹木・ 北海道の花について、それぞれとの出会いなど思い入れとともに紹介していま す。この本を読むと、何気なく見ていた樹木や花が種類ごとにこんなにも違う んだということが伝わってきます。 ●「礼文 花の島 花の道」 北海道新聞社, 宮本誠一郎, 杣田美野里, 1100円, ISBN4-89363-773-8 C0049 1995年6月に出た本で、稚内の本屋やフェリーターミナル、YHでも売っている そうです。花の咲く季節によって分けられているので、私にとっては割と探し やすいです。(花の色別に分けられている本(タイトルは忘れました)の方が探 しやすいという人もいます) 著者は礼文島の美しさに魅せられて住み着いてしまった夫婦だそうです。前書 きなどの文章から、島や花への愛情にあふれているのが良く分かり、写真も美 しく、なかなか良い本だと思います。大きさはA5判ですが薄いので持ち運びは それほど不便ではありません。 【花の山の紹介をしてくれる宿】 以下はミーティング等で近くの山登りを紹介してくれる宿です。ただし、ヘル パーさんや宿泊者数などによって登山実施方法は異なるようです。基本は「山 は自分で登るもの」。「私を山へ連れてって」はダメ! 山に関しては[2-1-3]も参照して下さい。 ●ニセコ・アンビシャス = 羊蹄山、ニセコ連山 オーナーが引率するツアーが出ますが、出る出ると言っておいてドピーカンで ないとツアーを出しません。これが連泊させる手です。(断定には異論がある かもしれませんが。)そこそこの天気なら登って何ら支障ありません。 ●ゆう = 大雪山系 旭岳ロープウエーまで送ってくれます。オーナーは登山ガイドもする人です。 ●大雪山白樺荘YH = 大雪山系 ミーティングで旭岳-旭岳温泉-裾合平 コースの説明をしてくれます。 ●ゆわんと村 = 大雪山系 層雲峡、銀泉台、沼の原などへ送ってくれます。 ●利尻グリーンヒルYH = 利尻山 夜間登山、昼間登山など、ミーティングで説明して、参加者全員で登山届を書 いて一緒に行動します。バラバラのこともありました。 ●野中温泉YH = 雌阿寒岳、阿寒富士 「愛とロマンの8時間」(だったっけ?)と銘打ってミーティングで説明してくれ ます。リーダーを決めてみんなで行動します。 ●清里イーハトーブYH = 斜里岳 堅苦しいミーティングはありませんが、何となあくみんなで登ります。取り付 きが悪い(車も通る林道を2時間ほど歩かねばならない)ので、車を持った人や ヒッチが頼りです。 ●岩尾別YH = 羅臼岳、知床連山縦走路 羅臼岳はミーティングで説明してくれます。リーダーを決めてみんなで行動し ます。 7月と9月には知床連山縦走路を2泊3日(テント泊)で歩く「縦走ツアー」が行な われます。 ●(自力) = 夕張岳、幌尻岳 テントor山小屋泊が必要ですが、その山にしかない固有の花があります。